げんじものがたり【源氏物語】
読み方:げんじものがたり
平安中期の物語。54帖。紫式部作。長保3年(1001)以後の起筆とされるが、成立年未詳。巻名は、桐壺(きりつぼ)・帚木(ははきぎ)・空蝉(うつせみ)・夕顔・若紫・末摘花(すえつむはな)・紅葉賀(もみじのが)・花宴(はなのえん)・葵(あおい)・賢木(さかき)・花散里(はなちるさと)・須磨・明石・澪標(みおつくし)・蓬生(よもぎう)・関屋・絵合(えあわせ)・松風・薄雲・朝顔(あさがお)・少女(おとめ)・玉鬘(たまかずら)・初音・胡蝶(こちょう)・蛍・常夏(とこなつ)・篝火(かがりび)・野分(のわき)・行幸(みゆき)・藤袴(ふじばかま)・真木柱・梅枝(うめがえ)・藤裏葉・若菜上・若菜下・柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法(みのり)・幻・匂宮(におうみや)・紅梅・竹河・橋姫・椎本(しいがもと)・総角(あげまき)・早蕨(さわらび)・宿木・東屋(あずまや)・浮舟・蜻蛉(かげろう)・手習・夢浮橋。幻の次に雲隠があったとされるが、巻名のみで本文は伝わっていない。主人公光源氏の愛の遍歴と栄華を描き、やがて過去の罪の報いを知り苦悩の生涯を終える、幻までの前半と、匂宮・紅梅・竹河をつなぎとして、橋姫以下の、罪の子薫(かおる)大将を主人公にした暗い愛の世界を描いた宇治十帖とよばれる後半から成る。仏教的宿世(すくせ)観を基底に、平安貴族の憂愁が描かれて、後世の文芸に与えた影響も多大。源語(げんご)。紫文(しぶん)。源氏。げんじのものがたり。
与謝野晶子による
の現代語訳。最初の訳は明治45年(1912)〜大正2年(1913)刊。二度目の訳に取りかかるも原稿を関東大震災により焼失。その後、新新訳を昭和13年(1938)〜昭和14年(1939)に刊行。与謝野源氏。→新訳源氏物語
谷崎潤一郎による
の現代語訳。最初の訳は昭和14年(1939)〜昭和16年(1941)で全26巻。新訳は昭和26年(1951)〜昭和29年(1954)で全12巻。新新訳は昭和39年(1964)〜昭和40年(1965)で全10巻、別冊1巻の刊行。谷崎源氏。
源氏物語 (げんじものがたり)
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