きく3号とは? わかりやすく解説

きく3号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/26 14:25 UTC 版)

技術試験衛星IV型 (ETS-IV)
「きく3号」
所属 NASDA
主製造業者 三菱電機
公式ページ 技術試験衛星IV型「きく3号(ETS-IV)」
国際標識番号 1981-012A
カタログ番号 122295
状態 運用終了
目的 ロケットの性能試験
設計寿命 3ヶ月
打上げ場所 種子島宇宙センター大崎射場大崎射点
打上げ機 N-IIロケット1号機(N7F)
打上げ日時 1981年2月11日17:30
運用終了日 1984年12月24日
物理的特長
本体寸法 ⌀2,100mm×2,800mm
質量 638kg
発生電力 125W
主な推進器 パルス型プラズマエンジン
ガスジェット×2
姿勢制御方式 スピン安定方式
軌道要素
周回対象 地球
軌道 静止トランスファ軌道
近点高度 (hp) 223km
遠点高度 (ha) 35,824km
軌道傾斜角 (i) 28.5度
軌道周期 (P) 10時間36分
ミッション機器
テープレコーダー
スキャン型地球センサー
ガリウムひ素FET増幅器
パルス型プラズマエンジン
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きく3号英語: Engineering Test Satellite - IVETS-IV)は宇宙開発事業団 (NASDA) が打ち上げた人工衛星(技術試験衛星)である。技術試験衛星IV型ではあるが、III型より先に打ち上げられたためにきく3号の愛称が与えられた。

目的

ミッションの目的は、大型衛星の開発技術の習得や搭載機器の機能試験、N-IIロケットの静止トランスファ軌道打ち上げ能力の確認、打ち上げ環境条件の取得であった。

特徴

宇宙開発事業団の技術を集積し、既存の設備・装置を可能な限り活用することで、ソフトウェア及びハードウェアの自主開発を行った。

搭載実験機器は各研究所からの持ち込みであり、データレコーダは宇宙開発事業団、スキャン型地球センサは航空宇宙技術研究所、ガリウムヒ素FET増幅器は日本電信電話公社横須賀電気通信研究所、パルス型プラズマエンジン(PPT)は電子技術総合研究所が開発した。

全備質量638kgのうち328kgはアポジモータ相当のダミーウェイトである。

開発

1976年度に衛星の概念設計及び予備設計を実施し、基本設計仕様を決定した。1977年度から衛星の開発に着手し、基本設計、詳細設計、プロトタイプモデル(PM)及びフライトモデル(FM)の製作・試験と開発を進めた。

運用

1981年2月11日N-IIロケット1号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた[1]

3月12日までの初期段階において搭載機器の機能点検を実施した。その後、定常段階へ移行し、搭載実験機器を用いた実験を行った。5月12日までに予定していた実験を終了し、その後も適宜搭載機器の点検等によるデータ取得を続けた。しかし、太陽電池の劣化による発生電力の低下から、1984年12月24日に運用を停止した[1]

脚注

  1. ^ a b 技術試験衛星IV型「きく3号」(ETS-IV)”. 宇宙航空研究開発機構. 2021年12月23日閲覧。

関連項目

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