「日英水力電気」の構想とは? わかりやすく解説

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「日英水力電気」の構想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 02:38 UTC 版)

日英水電」の記事における「「日英水力電気」の構想」の解説

1887年明治20年11月東京電灯東京において、火力発電所から架空配電線伸ばして需要家電気供給するという電気供給事業日本初め開業した東京電灯発電方式開業時から長く火力発電のみであったが、需要増加日露戦争勃発に伴う燃料石炭価格高騰背景水力発電への電源転換試み1904年明治37年10月山梨県東部桂川相模川)での水力発電所建設決定する準備中1906年明治39年3月アメリカで技術調査踏まえ新設する駒橋発電所出力1万5000キロワットとし、東京まで70キロメートル余り送電55キロボルトの高圧で行うと計画修正。そして翌1907年明治40年12月より駒橋発電所の運転を開始した東京電灯駒橋発電所建設契機として、大容量水力開発高圧長距離送電組み合わせた新し電気事業全国的に広がり、それに伴って関西における宇治川電気1906年設立)など新興電力会社設立相次いだこうした大規模水力開発時代の中、日本イギリス共同出資による大規模開発計画として立案されたものが「日英水力電気株式会社」の構想であった設立計画の始まりは、日露戦争終戦翌年1906年2月さかのぼる。日本の経済開発資する企業共同起業することで、前年締結されていた第二次日英同盟による日英両国の関係強化経済面にも波及させる意図があったという。 会社設立への第一歩として1906年園田孝吉当時十五銀行頭取)を代表に創立事務所開設される事務所ではまず東京から150マイル(約240キロメートル)の範囲にある河川・湖沼にて開発適地調査行った。その対象利根川鬼怒川桂川富士五湖大井川天竜川などで、資金面多くを担う予定であったイギリス側ホワイト商会中心とするシンジケートからも技師派遣された。調査結果大井川源流部の島(さわらじま、静岡県)から県境またいで山梨県の保(現・早川町)まで約10キロメートルトンネル開削し導水すると900メートル落差得られる、という発電適地が見つかり、この地点発電計画を「島保計画」と名付けたそのほか井川村出身海野孝三郎が出願した大井川接岨峡での開発計画(「井川梅地計画」)も取り入れられ補助計画として「牛ノ頚計画」も追加された。 「島保計画」については難工事予想され開発見送られた。従って残り2つ計画について水利権取得動き1906年12月28日付で「井川梅地計画」については「大井川水力電気事業株式会社名義で、「牛ノ頚計画」については「静岡水力電気事業株式会社」の名義それぞれ静岡県知事より水利権許可取得した1908年明治31年)にはアメリカ人技師来日し5月には接阻峡に高さ90メートルダム建設するという開発具体案もまとめられた。 水利権取得後1908年6月27日創立事務所日英水力電気第1回発起人総会開催開かれ15人の創立委員選出された。委員顔ぶれは、園田孝吉渋沢栄一大倉喜八郎朝吹英二大田黒重五郎久野昌一田中常徳副島道正伯爵)・毛利五郎男爵)・樺山愛輔大谷嘉兵衛中村円一郎12人とイギリス側の3人で、園田委員長となった事業会社ある日水力電気とは別個にイギリス商習慣倣いその親会社日英共同株式会社」を設立する計画並行して具体化され日英水力電気総会開催と同じ日にこちらも第1回発起人総会開かれた創立委員は9名で、日英水力電気側の創立委員でもある園田副島樺山イギリス人技師1名と、益田太郎・岸敬二郎木下七郎白杉政愛・小林八右衛門選出された。

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