田代川第一発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 02:40 UTC 版)
「東京電力 (1925-1928)」の記事における「田代川第一発電所」の解説
位置:北緯35度29分12.5秒 東経138度19分44.0秒 / 北緯35.486806度 東経138.328889度 / 35.486806; 138.328889 (田代川第一発電所) 大井川上流部(「田代川」という)から取水し、分水嶺を貫いてその水を富士川水系早川に流して発電する、という設計に基づく上下2か所の発電所のうち下段のものが田代川第一発電所である。上記の通り南巨摩郡三里村大字新倉の早川第三発電所対岸に位置する。田代川水力電気による建設中に東京電力へと引き継がれ、1927年(昭和2年)8月に運転を開始した。発電所出力は最大15,500kWである。 そもそも大井川の水を早川に落として発電するという構想は、1906年(明治39年)より設立計画が進められていた日英水力電気が取り上げたのに端を発する。その後旧早川電力が早川第一発電所の建設に続く第2期工事として、大井川の水を早川へと導水することで2900尺余り(約800メートル)の大きな有効落差を得て発電するという計画を立て、別個に田代川水力電気を設立して事業に着手した。その中で、導水路を上下2段に分割し下段においては早川支流の渓流3か所からも取水して発電力を増加するのが有利と判断されたため、田代川第一・第二両発電所の建設となったのである。取水口・発電所位置は異なるが日英水力電気の構想が形を変えて実現したものといえる。 1928年時点における田代川第一発電所の設備等は以下の通り。 取水河川:大井川水系田代川 使用水量:217立方尺毎秒(約6.04立方メートル毎秒) 有効落差:1,152尺(約349.09メートル) 水車:ボービング製ペルトン水車1台 発電機:ゼネラル・エレクトリック製三相交流発電機1台(容量20,000キロボルトアンペア) 東京電灯合併後の1929年(昭和4年)1月に出力制限解除に伴う16,723kWへの最大出力変更が許可された。田代川第二発電所とともに1941年に東京電灯から日本発送電へ出資されたのち、戦後は東京電力に継承されている。
※この「田代川第一発電所」の解説は、「東京電力 (1925-1928)」の解説の一部です。
「田代川第一発電所」を含む「東京電力 (1925-1928)」の記事については、「東京電力 (1925-1928)」の概要を参照ください。
- 田代川第一発電所のページへのリンク