アイギュピオス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/02 04:23 UTC 版)
神話
ボイオスの『鳥類の系譜』に基づくアントーニーヌス・リーベラーリスの物語によると、あるときアイギュピオスは寡婦のティマンドレーを一目見て好きになったという。アイギュピオスはティマンドレーを説得し、彼女の館に通って関係を重ねるようになったが、ティマンドレーの息子ネオプローンはアイギュピオスと同じ年齢であったために、母と新しい恋人との関係を受け入れることができなかった。そこでネオプローンはアイギュピオスを破滅させるべく策略をたくらんだ。
彼はアイギュピオスの母ブーリスを誘惑し、彼女を自分の館に連れて来させた。それはアイギュピオスが母に会いに来る日であり、ティマンドレーを外出させた後にブーリスを館に招き入れた。そのうえで、すぐに戻ると言って外出し、アイギュピオスが自分の母親と関係を持つように仕組んだ。ネオプローンの企み通りに事が進んだ後、ブーリスは情事の相手がネオプローンではなく、息子のアイギュピオスであることに気づき、刃物でアイギュピオスの両眼を盲目にしたうえで、自殺しようとした。しかしアイギュピオスはアポローン神の神意によって眠りから覚めると、ネオプローンの策略を悟って絶望し、関わったすべての者が消えてなくなるよう神々に祈った。そこで大神ゼウスは彼らを鳥に変え、アイギュピオスとネオプローンを大小の色の異なる鷲に、ブーリスをアオサギ(Pounx)に、ティマンドレーをシジュウカラ(Aigithllos)に変えた。このとき以降、これらの鳥は再び会うことはなかった[2][注釈 2]。
参考文献
- アリストテレス『動物誌(下)』島崎三郎訳、岩波文庫(1999年)
- アントーニーヌス・リーベラーリス『ギリシア変身物語集』安村典子訳、講談社文芸文庫(2006年)
- Pierre Grimal, The Dictionary of Classical Mythology. Blackwell Publishers, 1986.
注釈
脚注
- 1 アイギュピオスとは
- 2 アイギュピオスの概要
- アイギュピオスのページへのリンク