特命捜査課・刑事
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神代 恭介 演 - 二谷英明(第93話 - 第96話、第99話 - 第109話は未出演。) 刑事歴25年の警視正。城南警察署捜査二課、警視庁捜査第一課、丸の内警察署長、警視庁捜査第二課長、警察庁捜査課長、警察大学校教官などを歴任したのち、新設された特命捜査課の課長に。自らの命令は絶対で、背いた刑事には容赦なく雷を落とす。その妥協を見せない捜査姿勢から「剃刀(かみそり)の神代」の異名を持つが、部下からは「四角ダルマ」と陰口を叩かれることもある。正義感が強く相手が誰であろうと犯罪を許さない性格で上からの圧力(政治家など)にも動じない気迫を持つ。自ら捜査の現場に出ることも多く、メンバーからの信頼も厚いが、その部下が不祥事を起こした際には査問会側に立つなど一定の距離を置く一面もある(立った上で他の刑事に問題解決のヒントを与える役回りである)。番組開始当初は娘がいたが、その娘夏子は暴力団組長という裏の顔を持つ男に射殺されるという悲劇に直面、妻も神代のかつての部下と蒸発していた。家族について言及することはないものの、第87話の女流画家(演:小山明子)や第424話での会社社長(演:ハナ肇)との会話の中で、自身の職務一辺倒の姿勢が夫人の蒸発や娘の死へとつながったと後悔の念を吐露している。その事件に関与した暴力団を単独で襲撃したり、メンバーの心配をよそに無謀な捜査を行ったりと、気性の激しい一面も持ち合わせている。煙草は赤ラーク(第51話)。基本的に劇中での一人称は「私」だが、長坂秀佳・塙五郎などの脚本回では「俺」、石松愛弘脚本回では「僕」なども使っている。最終回、警視庁に新設された特命捜査部の部長に就任する。なお二谷が休養中に番組は三年目に突入。オープニングが大幅にリニューアルされたが、神代の紹介シーンのみ二年目のオープニング映像を流用、加工したものとなっている。 一見、冷徹で職務優先の指揮官を装っているが、第78話では捜査上の過程で接近したために夫を失ったレストラン経営者(演:野際陽子)親子のために捜査の打ち切りを決断したり、津上、吉野の両刑事の殉職には相当心を痛めていていたようで、反発を買いながらも潜入捜査を続行させた津上の最期の間際には「お前の命が何よりも大事だ」と叫び、片や吉野に関しては父親に「私にとっても手の掛かる(可愛い)息子でした」と評している。 また、最終盤のオープニングから江崎を除く、特命課員全員がこれまでの「刑事」表記から「橘警部」など、個々の階級で字幕テロップが入ったものに変更されたのに対し、神代のみ番組開始から、最終回まで「神代警視正」の表記だったが、番組スタート前の番組宣伝では、唯一「神代刑事」と表記されている。 桜井 哲夫 演 - 藤岡弘(第1話 - 第52話・第103話 - 第509話、うち未出演回多数。) 設定では城西署、外事課、警視庁スカイポリスなどを経て特命課配属とされている。初期の位置づけは特命ヘリを用いた空中捜査担当の警部だった。その当時は単独捜査が多く神代からしばしば激昂されることもあったが、次第に特命課No.2としてのポジションを確立していく。不言実行型で考えていることを今一周囲に理解されないこともあるが、基本的にはやはり他のメンバーと同じく人情派である。父・正規は弁護士で法曹界の大御所。長兄・修一郎は判事、次兄・道夫も弁護士というエリート一家に生まれる。父親は非常に厳格な人物で2人の兄が大変優秀であったため、末っ子の哲夫に対してはとりわけ厳しく教育する。そのため彼は幼少時から劣等感の塊であり、それが父親への反発心につながって、警察官を志すことになった。捜査の過程で父が介入してきた際には、反抗期の少年のような不貞腐れた態度をとるなど、普段の姿からは想像出来ない一面を垣間見せたこともある。第52話で国外逃亡した外国人容疑者の続行捜査という形でワシントン日本大使館に派遣され、それから程なくして異動したニューヨーク市警(この時は国際警察に籍を置いていた)で親友刑事の家族が射殺される事件に遭遇。その復讐のために彼は手段を選ばない悪徳刑事に変貌する。結果として国外追放処分となり事件と深い繋がりのあった容疑者を追って帰国。同事件を捜査中の特命課と遭遇し、確執の末、警部補に降格という形で復帰。それ以降は特命課陣も手を焼くほどの犯人を上げるためには手段を択ばない荒くれ刑事となる。船村ほどではないものの、事件の関係者から罵声や憎言を叩かれることもままあるが、自らの行動・発言に一切言い訳をしない態度は船村から一目置かれている(第114話「サラ金ジャック・射殺犯桜井刑事!」)。 特命課復帰当初は人情派の橘・理論派の紅林とは捜査方針を巡り衝突することもしばしばであったが、後に打ち解け、荒くれぶりも形を潜めシリーズ中盤以降は橘と共に神代を支える。荒くれ者のようでも強い正義感は健在で銀行強盗が女性を辱めた際には激高して射殺している。被害者である女性を庇い査問会で全ての罪を被ろうとしていた桜井だが(女性に対して威嚇するように真実の証言を遮っている)、皮肉にもその時の桜井を救ったのは橘による真実の捜査証拠であった。他にも橘が赴任する前に神代の娘・夏子が殺害された際に暴走し独断行動を行っていた神代に代わり特命課を仕切っており、指揮能力も確かで優秀な刑事であることは間違いない。空中捜査担当というポジションだが、復帰後のオープニングでは漁船、ボートなど、船上や岸壁沿いのシーンが多い。 服装はノーネクタイの皮ジャンか派手めな柄の背広が多い。煙草は時期によってハイライト、モアやキャビンなどを吸っていたが、番組終了直前には禁煙パイポを愛用している。これはスポンサーに禁煙パイポメーカーがいたためである。最終回、特命捜査部管轄の特命第二課の課長に就任した。 船村 一平 演 - 大滝秀治(第1話 - 第128話・第170話 - 第430話、うち未出演回多数。第499話・第500話) 大正14年6月6日生まれ。新潟県で出生、東京都出身。刑事生活40年のベテラン警部補。神代とも数十年の付き合いがあり、彼をはじめ、特命課のメンバーからは「おやじさん」と呼ばれている。気性が荒い者揃いの特命課スタッフの中でも最もその傾向が強く、「犯罪を立証することも大切だが、残された者のためには時として目を瞑ろう」という思想の持ち主である。そのために事件性と関係していても「どうして、あの娘をそっとしておいて上げないんだ」などと他の刑事にくってかかることも多数。一方で相手の境遇を知りつつもそれに付け込んだ捜査を行うことから、娘の香子は勿論事件の関係者や犯人の家族からは憎しみや悲しみの捌け口にされることも少なくなかった。ただ、同僚の刑事たちからは絶大な尊厳を得ており、紅林からは「おやじさんが辞めるなら自分も辞めます」、叶からは「僕はおやじさんみたい(な刑事)に成りたいんです」、滝からは「おやじさんのファンなんです」とも称されている。 家族は妻と子供が二人いたが長男・秀平は6歳で他界、妻の香代も1979年に癌に侵され、その看病のために刑事を辞職し、妻の郷里・飛騨高山に旅立つ。妻の他界後は東京に戻り、娘の香子と共に妻の名を冠したビーフシチュー店を経営していたが、その従業員が関わった事件で神代と再会し、彼の説得で特命課属刑事に復職することとなる。刑事に戻ってからは娘の駆け落ち、その夫の死と不幸な経験を繰り返したのち、自身の心臓病が悪化。刑事の職を続けるかどうかで苦悩した末、ドクターストップがかかり1985年に刑事を再び退職する。 再退職後は倉庫の作業員として働いていたが、自分を事件の証人として訪ねてきた橘と桜井を拒絶する一方で、全く面識のない西岡刑事の尋問に対してはあっさり自白するという謎めいた行為を見せている。 神代をはじめ、特命捜査課の刑事たちは部下や後輩を呼ぶときは基本的に呼び捨てであったが、船村だけは基本的には「○○君」と君付けで相手を呼んでいた。階級が上である橘に対しても船村の方が年齢が上であるために「橘君」と呼んでいる。なお、船村をメインとしたエピソードの脚本は塙五郎が特に多く手がけており、船村が退職した第430話をもって、塙も番組を降板している。 高杉 陽三 演 - 西田敏行(第1話 - 第105話、うち未出演回多数。第351話) 東北出身の巡査部長。妻と娘との3人暮らし。兄弟については「12人兄弟の貧乏農家の倅(第7話)」、「末っ子(第36話)」、「8人兄弟の三男(第105話)」と一定していない。当初は神代の捜査方針によく陰口をたたくバイタリティー志向の刑事だったが、キャラクターも次第に涙もろい人情刑事へとシフトしていった。所轄の係長への栄転という形で特命課を去るが、その後、津上がやり残した事件の捜査に協力。そのときは保護観察官に転身していた。悪気はないのだがいつも一言多い性格で、橘を傷つけたり、真面目な津上などから反感を買ったこともある。特命課では数少ない妻子ある刑事だが、妻との間で仕事と家庭を巡って対立したりするなど、家庭持ちならではの悩みもある。基本的にはブラウンのスーツを着用しているが、他にベレー帽やチェックのコートの他、スーツにショートウエスタンブーツを合わせたりと、お洒落な一面もある。主な活躍では電車内のいざこざで、暴行され死亡した父親の敵討ちとを、その息子に誓い犯人を検挙しているが、腕っぷしの強い犯人を柔道技で圧倒しており格闘能力も確かである。演ずる西田のスケジュールの都合上、第55話以降は欠場することが多く、後姿のシーンなどはスタッフが代役を務めたこともある。最終的には他の出演者が西田のスケジュールに合わせて収録することに対して、申し訳ないと感じた西田自身が降板を申し出た形となった。 吉野 竜次 演 - 誠直也(第1話 - 第435話、うち未出演回多数。) 佐賀県出身で、浅草の所轄から特命課に配属された叩き上げの巡査長。性格は猪突猛進の直情径行型。課内では桜井と並ぶ武闘派的存在で、古巣の浅草では吉野の名を知らない者はモグリと言われるほど。直情的ゆえに正義感も強いが犯罪者に対して容赦ない一面もある。それゆえに湿っぽい捜査活動への鬱憤から帰国直後の桜井の非情な捜査方針にメンバーで唯一共感したりしていたが、特命課員としての年数を重ねるうちに次第に人情味あふれる刑事へと変化していった。叶と同じく、父親が愛人に産ませた子供で、その出生の境遇から父親には複雑な心情を抱いているが、その父親の設定には矛盾があり、第18話では元水道局の職員ですでに他界していることを語る一方で、第96話、第220話では吉野が父を気にかける様子が描かれている(後者のラストは吉野の帰省)。さらに第334話では断絶状態となっている。また学歴面でも、高校に所属した部活動がボクシング部(64話)、水泳部(第120話)、ラグビー部(第185話)と話によって違い、第435話では無学歴発言もしている。煙草は第34話ではチェリーを吸っていたが、第133話ではモアを吸っている描写がある。出世欲がなく、捜査にかこつけて昇進試験をすっぽかしたりすることもあったが、第405話で巡査部長に昇進。第435話の拳銃事件で殉職後は二階級特進となって警部に。享年30。なお、演ずる誠は吉野の殉職後に第499話と第500話に「吉野にそっくりな暴力団員」の松田鉄治役でゲスト出演している。 津上 明 演 - 荒木しげる(第1話 - 第147話、第351話) 警察大学を卒業したばかりの巡査長。当初はエリート意識を鼻にかけた新米刑事として描かれていたが、次第に情熱的な若手刑事にシフトしていった。事件の大小に関係なく捜査に情熱を燃やし、特に子供には優しく小さな約束からも事件解決に積極的に取り組んだ。感情的になることも多く、神代にも噛みつくことも多々あった。両親は既に他界しており、幼いころから妹のトモ子(演:牧美智子→立枝歩)と二人で懸命に生きてきた。大学時代はラグビー部に所属。特技はドラムを叩くことで、第90話、第146話などそれが生かされるエピソードもあった。煙草はマイルドセブン(第57話)。同僚の警官が女性の「下着泥棒」事件で冤罪がかけられた際には、同僚を罵倒するマスコミに対して「あんたたちは、一度でも女を抱きたいと思ったことはないのか?僕は道行く女性を見て押し倒したい衝動に駆られる時がある」と弁護し男性の本能をリアルに語ったこともある。神代の娘・夏子に対して密かに想いを寄せていたが、あえなく失恋。夏子が殺害されたときには神代を激しく糾弾した。第146話、第147話における細菌爆弾事件で、細菌入り風船の脅威から市民を守るため、風船を積んだ車で廃工場の鉄柱に突っ込み爆死。享年28。殉職から4年後、少年に解決を約束していた事件があることが判明し、特命課やそのOB(高杉と滝)がその解決に尽力した。妹がおり、前述の話にも登場しており、事件に巻き込まれたこともある。 紅林 甚一 演 - 横光克彦(第52話 - 第509話) 前所属は警視庁外事課の警部補。特命課との合同捜査を機に外事課時代の先輩でもあった桜井の転勤に伴い特命課に転属。旧満州からの引揚者である実母・常子とは幼少時に生き別れ(昭和57年に交通事故で死亡)、実父とは大学生の時に死別している。また第507話では「父親の味を知らない」と語っている。エリート揃いの特命課にあって最も特命課員らしい刑事で、性格は、演ずる横光曰く「個性がないことが個性」、滝からは「クソ真面目」、桜井には「真面目って辞書で引くと『特命課の紅林』と載ってる」などと揶揄されたほど。当初は酒が飲めないという設定であったが、こちらは番組が進むにつれてなくなったようである。メンバーの中で唯一の左利きであるため、第129話では彼のイメージとはほど遠い、軽妙な男に化けて潜入させられたこともある。桜井と同じくヘリの操縦ができ、空からの捜査場面も多く見られた。中盤で義理の妹の存在が明らかになる。第173話で血液型はAB型であるとカミングアウトしている。他の刑事と比較すると影は薄いが、主役となったエピソードは全刑事の中でも最多である。最終回、特命第一課に転属する。桜井の後任的ポストだったこともあり、初期と、最終盤を除き、オープニングにはヘリコプターに乗降するシーンが使われている。 正義感が強過ぎる吉野とは対照的で、警察としての権限を冷静に語ったこともある。「市民として犯罪を通報する義務がある」と言う吉野に対し、「それは我々が警察手帳を持っているから周りの脅迫にも屈しないだけだ」と返している。また、東京で孤独に生きる人間たちを視ても「やはり私はこの街が好きだ」と語っている。 横光は第40話「初指令・北北東へ急行せよ!」に、町工場を倒産させて妻と子供2人と一家心中を図ろうとする父親役でゲスト出演をしてから、本作品のレギュラーとなった。 橘 剛 演 - 本郷功次郎(第53話 - 第509話、うち未出演回多数。) 昭和13年生まれ、長崎県出身。渋谷区在住。高校時代は野球部に在籍していた。県警本部のエリートだったころ無二の親友を逮捕したことから五島の派出所に自ら進んで転属。やがて野球選手であるその親友の息子を応援に上京した際に、別事件で親友を追っていた特命課と遭遇。苦悩の末、再び親友を逮捕することになる。その自責の念から警官を退職しようとしていた矢先に、神代の計らいで本庁警察官の採用と警部の階級を得て特命課に着任。射撃の腕前は警視庁内でもトップクラスであり、その百発百中ぶりは第277話や第339話などで見ることができる。ときには長距離からの狙撃を任されることもある。その上、柔道四段で格闘能力も高い。また、変装しての潜入捜査も得意で、第74話、第137話、第177話、第234話、第277話などで実力を発揮した。こうした有能さを持つことから、次第に神代の右腕的存在となっていき、やがては特命課No.2のポジションに収まることとなる。神代の不在時などには彼が課長代理として捜査の指揮を執ることも多い。普段は自らを「牛」と例えるほど温厚だが、感情的になると「待てぇ!」「行けよこの野郎」「おい、おっさん」「ここは日本だぞ。日本語使え馬鹿!」「外国人だ?ほざくな!」「証拠なんかあるかい!」などと怒声を浴びせることが多い。家族は妻・美詠子と息子二人だが、五島への転勤の際に起きたいざこざがきっかけで長年別居状態が続き、終盤にて離婚を決意。東京の予備校に通うために上京した長男・信一とは紆余曲折の末同居、次男・健二も終盤で上京した際に事件に巻き込まれている。信一との同居までは1人暮らしであったが部屋は小綺麗で清潔な一面も持っている(登場当初はボサボサの髪に無精髭、風呂にもまともに入っていない不潔な身なりだったが、すぐに改めている)。初期は高杉同様、スーツにショートウエスタンブーツを合わせるというファッションが多かった。ピークドラペル(剣襟)のシングルスーツを着ることが多く、拳銃を撃つ際のグローブ、煙草を吸う際のシガレットホルダー、聞き込みの際には警察手帳ではなく名刺を差し出すなど、細部の小道具にまでこだわりの詰まった刑事である。最終回、特命捜査部管轄の特命第一課の課長に就任した。 滝 二郎 演 - 桜木健一(第108話 - 第169話、うち未出演回多数。第351話) 巡査。所轄署の交番勤務だったころ、巡回中にビルから人の転落する現場を目撃し、捜査にあたった特命課に協力する。出世と金のために特命課に憧れを抱き、自ら配転を希望したため、マスコミ対策も兼ねて特別配属され、事件解決後に正式に配属された。捜査においては失敗が多いが、饒舌で韋駄天である。演じた桜木は当時31歳だったが、年齢設定は24歳とかなり差があり、エリートが多い特命課の中では階級が低いゆえ、同じ若手の吉野、津上、叶よりも格下的な扱いを受けていた。演じた桜木のスケジュールの関係から欠場も多く、主演エピソードも少ないが、捜査において他の刑事よりも早く手がかりを見つけるなど地味ながらも重大な役回りを演じることも少なくなかった。特命課で働くうちに人を信じるよりも疑うことが優先される刑事の職務に疑問を抱き、それが原因で不本意ながら刑事を退職する羽目に。その際に知り合った女性(赤座美代子)とラーメン屋を共同経営する。幹子とはデートの約束をするほどの仲だったようだが、進展することはなかった。その後、津上がやり残した事件の捜査に加わり、高杉同様、特命課を応援した。初登場の第108話はゲスト扱いのためオープニングではなくエンディングにクレジットされ、翌週からオープニングに加わっている。 叶 旬一 演 - 夏夕介(第148話 - 第509話) 昭和30年2月2日生まれ(戸籍上の誕生日は2月11日)。初登場時は新宿中央署捜査一係所属。大物政治家が愛人に産ませた子供であったが、母は出産直後に彼を捨てて自殺したため、孤児院ひまわり学園で育つ(実際には、実母は実父の政治家としての将来を考え自殺。父親自身も孤児となった叶の存在を気にかけて心を痛めており、最期は彼を護るために凶弾に倒れた)。苦学の末、若くして警部補になるが自信過剰な性格と法律スレスレのスタンドプレーを繰り返すことから所轄をたらい回しにされる。そんな中で自分を狙った狙撃事件の捜査中に、同事件を追っていた特命課のメンバーと遭遇し、衝突の末に神代の強引な転属命令で配属される。当初は施設育ちのコンプレックスのせいか、誰にも心を開かない一匹狼だったが、次第にメンバーとも心を通わせるようになり、最終的には庶民に最も近く、親しみを持てる刑事となっていった。一見エリートに見られがちだが、警官に採用されるまでは職を転々としていた時期もあり、施設育ちで幼いころから苦労を重ねてきたために、物や食べ物を粗末にする容疑者に対して激怒したこともある。また、自身が孤児の辛さを身をもって体験しているだけに、犯罪者や若者に親の有り難みを説くことも多かった。なお、吉野との関係では、叶の方が吉野より階級は上であるが、特命課では吉野の方が先輩であるため、彼には目上の態度で接している(逆に吉野は叶を呼び捨てにするなど、先輩としての態度を取る)。吉野とは同じ若手とあって仲が良く一緒に飲みに行くことも多い。刑事のキャリアもそれなりにあるが、後期のエピソードでは船村から新米呼ばわりされたことも。終盤では恋人の存在も発覚、また犬養や杉という後輩も増え中堅として特命課を支える存在となっていった。煙草はマイルドセブン(第152話)。初登場の第148話はゲスト扱いのためオープニングではなくエンディングにクレジットされ、翌週からオープニングに加わっている。服装も最初は黒系のスーツに茶色のベスト、ノーネクタイだったが、程なく他の特命課刑事同様にスーツにネクタイをするようになる。 夏は第3話「禁じられた愛の詩」第31話「浅草・愛と逃亡の街」第82話「望郷殺人カルテット!」第133話「六法全書を抱えた狼!」のゲスト出演を先にしており、第133話は悪徳非道な犯人にも扮し、これらを経て本作品のレギュラーとなった。最終回、特命第二課に転属。 時田 伝吉 演 - 渡辺篤史(第436話 - 第509話) 眼鏡がトレードマーク。家族は妻と10歳の娘、6歳の息子と4人。誘拐事件の合同捜査の過程で大田北署から人員補充のため特命課に転属した叩き上げの警部補。大田北署では「秋の花火」と揶揄され浮いた存在だった。江戸っ子気質であり、配属当初はエリート揃いの特命課に妙な偏見を持っていたため自ら進んで馴染もうとはしなかった。その後特命課の面々が仲間意識の強い好漢揃いと気付き、逆に時田にとって特命課は居心地の良い職場となる。他の特命課刑事と異なり、家族の写真を肌身離さず携帯し、徹夜勤務のときは自宅に電話をする様子や、捜査後の酒飲みの誘いも「(妻子が)待っているから帰る」と家庭を大切にする描写が多くなされた。なお、一家は仏教徒のため、クリスマスを祝うことはやらない方針。比較的ドライな言動が多いが、社会的弱者を食い物にする犯罪に対しては思わぬ熱さを見せることも多々あった。脚本上の都合から船村に似通ったキャラクターになることが度々あった。最終回、特命第一課に転属。 犬養 清志郎 演 - 三ツ木清隆(第436話 - 第509話) 時田と同じく誘拐事件の合同捜査の過程で警視庁捜査一課から人員補充のため特命課に配属した巡査部長。殉職した吉野の後任的存在であるが設定年齢26歳とかなり若い。自己中心的で子供じみた部分があり、饒舌で一度決めたことは意地でも曲げない性格で、暴走して状況を悪化させたり、自分の意見が通らなかった時には相手構わずヒステリックに噛み付くことも多い。捜査方針で対立し、桜井を殴ったり、叶を突き飛ばしたこともあるが、おっちょこちょいな一面もある。タイトなフレアスラックスが主流の特命課には珍しく、ツータックのスラックスを愛用していたこともあった。イライラするとしきりにタバコを吸う癖がある。最終回、特命第二課に転属。 三ツ木は前後篇である第160話「復讐I・悪魔がくれたバリコン爆弾!」第161話「復讐II・五億円が舞い散るとき!」に犯人役でゲスト出演している。 杉 敏夫 演 - 阿部祐二(第441話 - 第509話) 原宿に住んでいる。西新宿署の刑事課にいた時、ヤクザの拳銃乱射事件の捜査中に特命課と出会い協力捜査。事件解決後に転属された巡査。いかにも現代の若者といった性格であるが、特命課員の中では長身以外大した特徴もなく影が薄かった。だが第481話、第488話など終盤では彼が中心となって解決した事件もあり成長も少なからず見られた。的外れかつ不謹慎な発言で、周囲から顰蹙を買うこともある。レギュラー刑事陣で唯一劇中ナレーションをしていない。最終回、特命第二課に転属。
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