満州とは? わかりやすく解説

まんしゅう〔マンシウ〕【満州/満洲】

読み方:まんしゅう

中国東北地方旧称遼寧吉林黒竜江東北三省内モンゴル自治区一部にわたる。→満州国


満洲

(満州 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/27 08:46 UTC 版)

満洲(まんしゅう、拼音: Mǎnzhōu英語: Manchuria)は、黒竜江(アムール川)・松花江流域を中心とするユーラシア東北部[1]、現在の中国東北地方からロシア沿海地方にかけての地域を指す呼称。「満」と表記されることも多いが、語源上「満」が正式な漢字表記である[2][注釈 1]後述)。


注釈

  1. ^ 「満洲」は語源が地名ではなく、本来は民族名であり、国名でもあるところから地名に転用された語なので、「満州」と表記するのは間違いではないにせよ、正式には「満洲」としなければならない。しかし、満洲の名前はかつての傀儡政権を想起させるため嫌がる人も多いことも注意されたし[3]
  2. ^ 現在の行政区分では、「東四盟」と呼ばれる赤峰市(旧ジョーオダ)・通遼市(旧ジェリム盟)・フルンボイル市(旧フルンボイル盟)・ヒンガン盟に相当する。
  3. ^ 北京条約はアロー戦争終結のためのイギリスフランスとの講和条約であった一方、ロシアが清と英仏との講和を斡旋したことから、ロシアの要求を受け入れて同国と結んだ条約である[11]
  4. ^ 1950年代以降の中国共産党政府による民族識別工作では、蒙古八旗や漢軍八旗の末裔たちを「蒙古族」や「漢族」に区分するのではなく、「旗人」全体をまとめて「満族」と区分した。
  5. ^ 実際に、近年の中国史の概説書の多くは「満洲」表記を用いている[31][32][33][34][35]
  6. ^ 雍正帝時代の1727年には西方でキャフタ条約を結んだ[41]。ネルチンスク条約・キャフタ条約が正式に破棄されたのは、1860年の北京条約においてであった[41]
  7. ^ 清朝崩壊後、満洲へは社会不安から流民となった漢民族の移入が急増したともいわれるが、清朝崩壊前と後では人口増加率に大きな違いはない。
  8. ^ ただし、人口増加率で見ると満洲建国前と大差はないといわれている。
  9. ^ その被害は8億ドルとも20億ドルともいわれる[56]
  10. ^ この経済圏は中国東北部、華北華東にまたがり、瀋陽市青島市大連市煙台市など黄海沿岸の渤海沿岸地域に隣接する都市も経済圏内に含まれる[63]

出典

  1. ^ 杉山(2008)p.238
  2. ^ 読むページ | 生活の中の仏教用語 | 満洲”. www.otani.ac.jp. 大谷大学. 2021年1月14日閲覧。
  3. ^ a b 小林(2008)pp.16-17
  4. ^ 中見立夫(2012)『二〇世紀満洲歴史辞典』解説p.2
  5. ^ 中見立夫(2012)『二〇世紀満洲歴史辞典』解説p.4
  6. ^ 精選版 日本国語大辞典『満州・満洲』「清初、中国を支配した満州族が旧俗称女真を廃して用い」「その居住地域をもさした」[1]
  7. ^ 大谷大学東洋史助教授の浅見直一郎によれば、満洲とは元はマンジュリという仏であり、中国ではこれに文殊師利、満殊尸利、曼殊室利などの漢字をあてた『文殊菩薩』のことであり、ヌルハチが女直(女真)人の国を建てたときの国名をマンジュ国と言い、これが当時女直人の間に広まっていたマンジュシリ(マンジュ)に対する信仰を背景にし、それに由来して命名されたものであることは間違いがない、とする。読むページ | 生活の中の仏教用語 | 満洲”. www.otani.ac.jp. 大谷大学. 2021年1月14日閲覧。。なお異説もある→(#呼称としての満洲
  8. ^ 塚瀬進『マンチュリア史研究 「満洲」六〇〇年の社会変容』吉川弘文館、2014年11月1日、ISBN 978-4-642-03837-9、1頁。
  9. ^ a b 満州』 - コトバンク
  10. ^ a b 愛琿条約』 - コトバンク
  11. ^ a b c 北京条約』 - コトバンク
  12. ^ 綿貫哲郎 2021, p. 57.
  13. ^ 松村(2006)pp.156-159
  14. ^ 松村(2006)pp.159-160
  15. ^ a b c d 岡本隆司 2017, p. 99.
  16. ^ a b c 綿貫哲郎 2021, p. 58.
  17. ^ a b 神田信夫 1992, p. 98.
  18. ^ 中見立夫 2006, pp. 17–20.
  19. ^ a b 綿貫哲郎 2021, p. 62.
  20. ^ a b 中見立夫 2006, pp. 17–22.
  21. ^ 綿貫哲郎 2021, p. 64.
  22. ^ a b 中見立夫 2006, pp. 25–26.
  23. ^ 綿貫哲郎 2021, pp. 65–68.
  24. ^ 中見立夫 2006, pp. 20–22.
  25. ^ 綿貫哲郎 2021, pp. 68–69.
  26. ^ 大蔵省印刷局(編)「敍任及辭令」『官報』第2410号、日本マイクロ写真、1920年8月13日、317頁。 
  27. ^ 海軍大臣官房(編)「第三編 海軍:第一 軍艦」『昭和5年度海軍省年報』、1924年。 
  28. ^ 神田信夫 1992, pp. 98–99.
  29. ^ 綿貫哲郎 2021, pp. 63–64.
  30. ^ 綿貫哲郎 2021, p. 67.
  31. ^ 増井経夫『大清帝国』講談社〈講談社学術文庫1526〉、2002年。 
  32. ^ 上田信『海と帝国 : 明清時代』講談社〈中国の歴史9〉、2002年。 
  33. ^ 神田信夫『明-清』山川出版社〈世界歴史大系〉、1994年。 
  34. ^ 岡本隆司 著「清」、冨谷, 至、森田, 憲司 編『概説中国史 下』昭和堂、2016年。 
  35. ^ 岡本隆司『「中国」の形成 : 現代への展望』岩波書店〈中国の歴史5〉、2020年。 
  36. ^ a b 満洲族』 - コトバンク
  37. ^ a b 河内(1989)pp.230-232
  38. ^ a b c 三上(1975)pp.819-823
  39. ^ a b 石橋(2000)pp.131-132
  40. ^ 加藤(1989)pp.454-456
  41. ^ a b c 岸本(2008)pp.345-347
  42. ^ 麻田(2008)pp.38-44
  43. ^ 麻田(2008)pp.46-50
  44. ^ 麻田(2008)pp.50-55
  45. ^ a b c 小林(2008)pp.49-51
  46. ^ 鈴木(2021)pp.116-118
  47. ^ 酒寄雅志渤海史研究と近代日本」『駿台史學』第108巻、明治大学史学地理学会、1999年12月、7頁、NAID 120001438972 
  48. ^ 小林(2008)pp.56-61
  49. ^ 小林(2008)pp.71-72
  50. ^ 鈴木(2021)pp.118-120
  51. ^ 小林(2008)pp.90-92
  52. ^ a b 小林(2008)pp.92-95
  53. ^ a b 鈴木(2021)pp.129-132
  54. ^ 鈴木(2021)pp.170-172
  55. ^ 黄(2006)p.56
  56. ^ a b c d 小林(2008)pp.248-249
  57. ^ 鈴木(2021)pp.302-304
  58. ^ 鈴木(2021)pp.307-310
  59. ^ a b 鈴木(2021)pp.310-313
  60. ^ 天児(2004)p.117
  61. ^ 鈴木(2021)pp.314-316
  62. ^ 黄(2006)p.143
  63. ^ 环渤海经济圈介绍:天然的聚宝盆” (中国語). 中国经济网 (2014年6月8日). 2015年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月2日閲覧。



満州

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日本映画」の記事における「満州」の解説

日本1932年建国した満州国では、1936年満州映画協会満映)が設立され映画製作執り行われた。満映では日本の文化啓蒙目的とした映画一般劇映画製作され一部日本持ち込まれるなどした。1940年に『支那の夜』に登場した李香蘭山口淑子)はその美貌歌唱力演技力などで一躍スターとなった1942年ごろより、自由な映画製作求め木村荘十二内田吐夢など日本人映画監督次々と渡満してくる。全編ロシア語構成され島津保次郎の『私の鶯』(1943年)など、自由闊達映画企画・製作された。 1945年満州国崩壊する満映施設ソビエト連邦接収され満映スタッフ日本台湾香港へと散り散りに去っていった。日本では根岸寛一マキノ光雄などによりこうした満映引揚者迎え入れられ、後の東映基礎形作った

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満州

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「圓」の記事における「満州」の解説

満州壹圓紙幣1944年 大同元年1932年)、満州国建国宣言の3ヵ月後の6月11日満州国貨幣法施行され、「純銀量目23.91グラムヲ以テ貨幣単位ト為シ之ヲ圓ト称ス」と通貨単位として「圓(Yuan)」が規定された。当初形式上旧来の中国幣制倣った銀本位制であったが、康徳2年1935年)から中華民国政府不換紙幣である法幣発行し満州国圓同年11月から金本位制に基づく日本の通貨対し固定相場制として等価定められた。ただし満州中央銀行発行した紙幣満州中央銀行券)は不換紙幣であり、当時兌換停止され日本の通貨と同様、金本位制名目上のものであった通貨補助単位は圓の1/10が「角(Chiao)」、1/100が「分(Fen)」、1/1000が「釐(Li)」であった。満州に入植した当時日本人は圓を「エン」と呼んだ1945年8月第二次世界大戦日本の敗戦により満州国崩壊し1948年には約120億圓の満州中央銀行券回収された。

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旧外地の高等教育機関」の記事における「満州」の解説

詳細満州国・関東州の高等教育機関の項目を参照のこと。 建国大学大同学院新京工業大学新京法政大学新京医科大学新京畜産獣医大学中華民國國立長春大學1949年中華人民共和国建国のため壊滅) 満州医科大学→(ソ連次いで中国側接収中長鉄路医科大学中国医科大学 哈爾濱学院ハルピン学院)→終戦時廃校 満州教育専門学校(教専)→1933年廃校 北満学院終戦時廃校 在満師範学校

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満州

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旧制中等教育学校の一覧 (旧外地)」の記事における「満州」の解説

日本人子弟対象学校は、そのほとんどが南満州鉄道によって、同社附属地に設置された。満州国成立以後附属地の行政権移譲により、中等学校に関して関東局内に置かれた在満学校組合連合会移管され、日本大使館教務部からの監督を受けることとなった満州国崩壊によって以下の学校廃止されたが、一部学校校地施設については、中華民国経て中華人民共和国受け継がれ、現在も同国学校使用していることがある。 なお、一覧作成当たっては満州日報社編『満洲年鑑 昭和20年版』(満洲日報奉天支社1944年刊)を主に参考にした。

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満州

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 06:20 UTC 版)

固有名詞

満洲 まんしゅう

  1. 中国東北部旧称。旧満州。
  2. 満州族故地中国東北部およびその周辺
  3. 満州国
  4. (稀)満州族
  5. (稀)(後金建国前の)満州族による国家

語源

漢語: 満洲満州語: ᠮᠠᠨᠵᡠ Manju


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