金本位制とは? わかりやすく解説

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金本位制

 金を通貨価値基準とする制度中央銀行が、発行した紙幣同額の金を常時保管し、金と紙幣との兌換保証するというもの。1816年に、英国が1ポンド金貨鋳造はじめたのが金本位制のはじまりと言われている。日本では1897年明治政府が金本位制を採用1929年からの大恐慌主因で主要各国は金本位制を離脱し始め、金の保有量とは関係なく通貨発行する管理通貨制度へと移行

金本位制

読み方:キンホンイセイ(kinhon’isei

金と通貨兌換と金輸出入自由な貨幣制度


金本位制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/16 01:32 UTC 版)

金本位制(きんほんいせい、: gold standard)とは、狭義には、一定量の金を標準的な経済単位とする通貨制度であり、広義には、一国の貨幣価値(交換価値)をに裏付けられた形で金額を表すものであり、商品の価格も金の価値を標準として表示される。この場合、その国の通貨は一定量の金の重さで表すことができ、これを法定金平価という[注釈 1]


注釈

  1. ^ 日本では1871年、新貨条例が定められ、この時金平価は1円=純金1.5グラムとされたが、その後1897年の貨幣法施行で金平価は半減され、1円=純金750ミリグラムとなった。
  2. ^ 個人あるいは政府造幣局に金地金を納入し、その量に応じて金貨の交付を受ける制度。すなわち手持ちの地金を本位貨幣に鋳造することを政府に請求できる制度。
  3. ^ 下関条約で合意した賠償金は銀2億テールであるが、実際には相当額の英ポンドで受領し、その大半は在外正貨としてロンドンにおかれた。
  4. ^ 世界的観点と研究蓄積の網羅に努めて書かれた研究の手引きであり、おびただしい文献が紹介されている。
  5. ^ 「2.幣制改革に至るまでの中国の通貨・金融事情」1935年5月に合衆国が銀本位制を部分的に採用したことが、大不況で価格の下落していた銀を昂騰させ、中華民国をデフレに陥れた。民国からは銀が大量に流出し、幣制改革を経て、翌年5月の米華協定により合衆国政府が直接銀を買上げて民国がドル建ての売上げをナショナル・シティー銀行へ預けることになった。

出典

  1. ^ 岩田規久男編 『昭和恐慌の研究』 東洋経済新報社、 2004年、38-39頁。
  2. ^ a b Eichengreen, Barry (2019). Globalizing Capital: A History of the International Monetary System (3rd ed.). Princeton University Press. pp. 5–40. doi:10.2307/j.ctvd58rxg. ISBN 978-0-691-19390-8. JSTOR j.ctvd58rxg 
  3. ^ Esteves, Rui Pedro; Nogues-Marco, Pilar (2021), Fukao, Kyoji; Broadberry, Stephen, eds., “Monetary Systems and the Global Balance of Payments Adjustment in the Pre-Gold Standard Period, 1700–1870”, The Cambridge Economic History of the Modern World: Volume 1: 1700 to 1870 (Cambridge University Press) 1: pp. 438–467, ISBN 978-1-107-15945-7, https://www.cambridge.org/core/books/cambridge-economic-history-of-the-modern-world/monetary-systems-and-the-global-balance-of-payments-adjustment-in-the-pregold-standard-period-17001870/0FC7DA2F9137FE2A274D8F4063BD9074 
  4. ^ 柏木肇 訳編 『技術の歴史』 第12巻 筑摩書房 1981年 p.345.
  5. ^ a b Eichengreen, Barry (2019). Globalizing Capital: A History of the International Monetary System (3rd ed.). Princeton University Press. p. 5. doi:10.2307/j.ctvd58rxg. ISBN 978-0-691-19390-8. JSTOR j.ctvd58rxg 
  6. ^ Eichengreen, Barry (2019). Globalizing Capital: A History of the International Monetary System (3rd ed.). Princeton University Press. pp. 7, 79. doi:10.2307/j.ctvd58rxg. ISBN 978-0-691-19390-8. JSTOR j.ctvd58rxg 
  7. ^ Eichengreen, Barry; Esteves, Rui Pedro (2021), Fukao, Kyoji; Broadberry, Stephen, eds., “International Finance”, The Cambridge Economic History of the Modern World: Volume 2: 1870 to the Present (Cambridge University Press) 2: pp. 501–525, ISBN 978-1-107-15948-8, https://www.cambridge.org/core/books/cambridge-economic-history-of-the-modern-world/international-finance/69BA1D520B1CACCB1A4B69AAE8ED4367 
  8. ^ Eichengreen, Barry (2019). Globalizing Capital: A History of the International Monetary System (3rd ed.). Princeton University Press. pp. 86–127. doi:10.2307/j.ctvd58rxg. ISBN 978-0-691-19390-8. JSTOR j.ctvd58rxg 
  9. ^ Gold standard Facts, information, pictures Encyclopedia.com articles about Gold standard”. Encyclopedia.com. 2015年12月5日閲覧。
  10. ^ William O. Scroggs (11 October 2011). What Is Left of the Gold Standard?. http://www.foreignaffairs.com/articles/69483/william-o-scroggs/what-is-left-of-the-gold-standard 2015年1月28日閲覧。. 
  11. ^ 大蔵省編纂 『明治大正財政史(第13巻)通貨・預金部資金』 大蔵省、1939年
  12. ^ 高橋洋一『日本経済の真相』
  13. ^ 大蔵省編纂 『昭和財政史(第9巻)通貨・物価』 東洋経済新報社、1956年
  14. ^ ニューディール政策と金没収
  15. ^ a b 久光重平『日本貨幣物語』毎日新聞社、1976年
  16. ^ 造幣局125年史編集委員会編 『造幣局125年史』 造幣局、1997年


「金本位制」の続きの解説一覧

金本位制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 07:54 UTC 版)

世界恐慌の原因」の記事における「金本位制」の解説

世界恐慌の金本位制理論によれば恐慌原因は主に、第一次世界大戦後西側諸国戦前値段に基づく金本位制に復帰しようとしたことにである。この説によれば、これによって金融政策デフレ志向になり10年間にわたってヨーロッパ多くの国の経済健全性害し続けたという[要出典]。 この戦後政策先駆けてインフレ政策がとられていた第一次世界大戦中には、多くヨーロッパ諸国戦費激増より金本位制を廃止せざるを得なかった。この結果新しく作られた金の供給インフレ中和させる生産性への投資ではなく戦費使われたため、インフレ起こった。この説は、大量に導入された金の量によってインフレ率決まりそれゆえインフレへ導くことが、破壊的消費であって経済成長導かない目的のために造られた新貨幣総量減少させるというものである戦後アメリカヨーロッパ諸国が金本位制に復帰した際、多くの国は戦前水準金-通レートをとった。例えイギリスでは1925年金本位法が国会通過し、これによって金本位制に復帰した際、当時外国為替市場戦前よりもずっと低い価格ポンド取引されていたにもかかわらずスターリング・ポンド戦前等価設定するという致命的な決定行った当時ジョン・メイナード・ケインズらは、政府はそうすることによって釣り合い取れてないよう賃金再設定強いているのだと主張してこの決定批判したウィンストン・チャーチルが金本位制に復帰させたことに対すケインズの批判はこれを暗にヴェルサイユ条約結果比較するものであった戦前等価にしようという傾向生まれた理由として一つは、デフレは危険ではないのに対してインフレは、特にヴァイマール共和国見られるインフレは耐え難い危険であるという当時優勢であった意見があった。もう一つ理由として、額面価額貸し付けている者は自身貸し付けたのと同価値の金を回復できる期待があったというものがある[citation needed]。フランス支払なければならない巨額賠償金支払うための外貨獲得するのに十分な商品輸出販売するために、ドイツ信用犠牲にした成長時代入った世界の金の溜まる場所としてのアメリカ合衆国ドイツフランス償還するための基盤として産業化するための資金貸し付けフランスイギリスおよびアメリカ償還した。この流れドーズ案明文化された。 非常に高利借金をして再融資できない状態にあるか、低利率ではないときに資本財融資するための貸し付け依存している場合農業のような産業分野にとってデフレは辛いものとなりうる。負債実質的価値増加しているのに対して物価デフレ浸食されていく。資産現金保持している者や、資産投資購買充てたり資金貸し付けたりようとしている者にとってはデフレ有益である。 ピーター・テミン、ベン・バーナンキバリー・アイケングリーンといった経済学者によるより近年の研究は、世界恐慌時に緊縮政策がとられていたことに着目している。この考え方によれば戦間期の金本位制下での緊縮最初経済的ショック拡大し恐慌食い止めるあらゆる行動に対して大きな障害となったという。彼らによれば最初不安定化させる衝撃アメリカ合衆国ウォール街大暴落起因するが、外国問題伝播させたのは金本位制であるという。 彼らの出した結論によると、危機の時代政策決定者たちは金融政策財政政策緩和しようとしたが、そのような行動が、契約上の率で金を交換する義務維持する国家能力脅かしたという。外国資産を金で買おうとする国際的投資家引き付けるために、金本位制は高利率を維持することを要求する。そのため、金本位制を廃止しない限り政府景気急落にも手をこまねいているほかない。金本位制をとる全ての国の交換比率修正することで、外国為替市場利率平衡を保つ事だけは保証される恐慌悪化する多くの国が金本位制を廃止し始め、より早く廃止した国々はより少なくデフレ影響受けてより早くデフレから回復する傾向があった。 自由銀行制派経済学者にしてミルトン・フリードマン弟子のリチャード・ティンバーレイクは自身立場を『アメリカ合衆国金融政策みられる金本位制と実質手形原理』で明確に説明したが、この論文での彼の主張によると、連邦準備制度は実は金本位制化においてかなりの余裕持っており、そのことニューヨーク連邦準備銀行総裁ベンジャミン・ストロングによる1923年から1928年物価安定政策によって証明されたという。しかし1928年後半ストロング没すると、ニューヨーク連邦準備銀行支配権引き継いだ派閥が、全ての金は実際商品によって代表されなければならないという実質手形原理唱道した。ドル30%のデフレ強いて当然合衆国経済損害与えたこの政策恣意的で、避けられるものであって、金本位制はこれなしに存続できたとティンバーレイクが述べている: 金の管理におけるこの移行決定的であったストロング前任者に従って金本位制という足かせ頓着せず物価安定政策実行し実質手形原理支持者自身理想とする政策実行する上で同様に束縛受けず済んだ1928年-1929年のシステムポリシーは結果的に物価安定から受動的な実質手形移行した。「この」金本位制はそれが再出現するのに好都合な時を待つ形式的な見せ掛けしかない場所で残存した。

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金本位制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 09:20 UTC 版)

自由貿易」の記事における「金本位制」の解説

イギリス自由貿易金融面で支えたのは、国際的な金本位制だった。イギリス貨幣法 (1816年)(英語版)(1816年)を制定し通貨スターリング・ポンド中心とした金本位制を成立させた。金本位制によって、国家通貨発行額はその国が保有する金の量で決まる。金の量(金準備)は輸出入増減するので、通貨量は金に合わせて自動的に調整されることになった1840年から1870年にかけての一人あたり貿易額は、イギリス・フランス・ドイツ・オーストリア・スカンジナヴィアで4倍か5倍、オランダベルギーで3倍、高関税アメリカも2倍となった欧米諸国は、イギリス続いて金本位制や自由貿易採用したイギリスフランスは2国間貿易協定コブデンシュヴァリエ条約英語版)(1860年)を結び、関税禁止最恵国待遇盛り込んだ最恵国待遇全ての条約国に最もよい条件与えるので、条約国が増えるほど多くの国に低い関税適用されるイギリスフランス他国条約を結ぶことで、ヨーロッパ自由貿易体制拡大した他方広大な国内市場を持つアメリカ合衆国は、南北戦争勝った北部利益重視する工業化進み保護貿易による高関税維持した1866年から1877年貿易自由化ピークであったが、大不況をへて、自由貿易維持するイギリス保護貿易を選ぶ国々分かれた各国保護主義化した原因には、金本位制も関係していた。輸入をして金が減少する国内通貨減少するため、イギリス以外の国は保護貿易輸入防ぎ通貨発行量を保とうとした。 1892年から1894年には景気回復期に入り貿易拡大したが、イギリスをのぞく各国保護貿易行なっていた時期一致する各国イギリスへ輸出急増し結果的にイギリス自由貿易保護貿易国の経済成長支えたイギリス国内では保護貿易の国に対して関税求める声が上がったが、当時製造業替わってシティ・オブ・ロンドン金融業発展しており、自由貿易継続した各国輸出1909年から1913年に高い成長率享受しイギリス貿易赤字銀行業保険業など金融黒字、そしてアジアとの黒字によって埋め合わせた

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金本位制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 07:21 UTC 版)

日本の貨幣史」の記事における「金本位制」の解説

日清戦争軍事賠償金として得た金額は3億6000万円で、当時日本GNPの約2割にあたる。この賠償金金準備金に設定して、金本位制を軸とした貨幣法施行された。公的に新貨条例から金本位制が定められていたが、この時点までは事実上の銀本位制で、1円=金0.75グラムとされた。金本位制の本格的な採用によって外債の発行が容易となり、日露戦争戦費調達のために10億円外債発行したほか、日露戦争勝利対外的な信用高まって地方債社債海外発行された。金本位制のもとでは、各国通貨は金との交換比率決められ通貨量は各国保有する金の保有量に制約される貿易黒字国はインフレ圧力高まって輸入増加輸出減少起き貿易赤字国はデフレ圧力かかって輸出増加輸入減少起きるため、輸出入による自動調整機能期待された。

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