R-TYPE ゲーム内容

R-TYPE

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 07:40 UTC 版)

ゲーム内容

システム

自機「R-9(アール・ナイン)」を8方向レバーと2つのボタン(ショット、フォース脱着)で操作。斜めに移動できるなど中心の1ドットしかない当り判定は続編の一部にも採用されているが、敵機や敵弾の判定が見た目よりも大きく、助けられることはあまりない。

地形接触などのミスをすると、それまでのパワーアップを全てなくした上で一定の地点まで戻され、残機を全て失うとゲームオーバー。全8ステージ×2周でゲームクリアだが、2周目は敵・敵弾の高速化・増量などに加えて、一部敵の耐久力が極端に上昇する。

波動砲

ショットボタンをしばらく押してから離すことで、通常弾の2倍から16倍の破壊力を持ち、耐久力の低い敵を貫通する「波動砲」(溜め撃ち)を発射する[2]。本作ではパワーアップに依存しない仕様であるため、ミス後の復帰や弱点を頻繁に露出しない敵に威力の高い一発を命中させることができる。

自機には物理的な砲口がない。前方に力場を発生させた場所を作り、その中にエネルギーを蓄積し、力場を解いてベクトルを持たせたエネルギーを解放することで発射される[3]

フォース

アイテムの一種「レーザークリスタル」を取得することで出現するオレンジ色の光球に機械(コントロールロッド)をつけた攻防一体の兵器。一部特殊弾以外の敵弾に対する完全無敵の防御判定があり、敵機に直接接触させることでダメージを与えることもできる。

「レーザークリスタル」を取得することで最高3段階までパワーアップするほか、自機前後の合体時[2]には自機の移動に応じて回転方向が変わり、三段階目は前後の移動でコントロールロッドが開閉するなど非常に凝った動きをする。

2段階目以上にパワーアップしているフォースは装着した方向に取得したレーザークリスタルの種類に応じた特殊レーザーを発射し、フォース装着時にフォースボタンを押すと、フォースは画面端まで勢いよく射出され、やがて自機と一定の距離を保ちながら空中を浮遊する。分離時はパワーアップ状態に応じて1方向(前方のみ)、2方向(前方に横V字)、4方向(前方に横V字+上下鉛直)に通常弾を発射。分離中に前方または後方のいずれかからフォースに接触するか、フォースボタンを押すと、ゆっくり近づいてきて再び自機と合体する。

切り離したフォースを呼び寄せた時は、地形や耐久力のある敵をすり抜けてストレートに戻ってくることはできない。フォースを呼び寄せようとしても地形に引っかかってしまう不自由さを持っているため、これまでにない攻略性とエモーショナルなドラマを実現させた[4]

アイテム

ステージ中に出現する「POWアーマー」と呼ばれるキャラクターを破壊することで各種アイテムが出現する。

レーザークリスタル

取得することでフォースを出現させたりパワーアップさせることができる[2]レーザークリスタルは対空レーザー(赤)・反射レーザー(青)・対地レーザー(黄)の3種類がある。

2段階目以降の各レーザーは排他選択であり、最後に取得したレーザークリスタルに対応するものが発射される。

  • 対空レーザー(赤)
フォース装着側の水平方向に二対発射される破壊力が高いレーザー。
2段階目時は二連の短いレーザー、3段階目時にはサインカーブを描きながら水平方向に飛んでいく。フォースが2段階目以上の時に限り、ビットからも対空レーザーが発射される。
  • 反射レーザー(青)
地形接触で反射する細長いレーザー。水平方向と斜め上下の計3方向に発射され、3段階目だとレーザーが長くなる。
水平方向のレーザーは180度、それ以外は90度屈折する。
  • 対地レーザー(黄)
地形表面を這うように進むレーザー。3段階目だとレーザーが長くなる。地形上の敵に対して絶大な効果を持つが、上下方向に発射されるために自機正面もしくは後方には発射されない。

その他のアイテム

  • ビット
自機の上下に配置される支援装備。取得すると自機上部に装着され、さらに取得すると自機下部に装着される。全ステージを通して固定配置されているのは4個のみ。
自機とワンテンポ遅れて動くため、スピードを3つ以上取得すると移動速度に追従できなくなる。フォースと同様に触れた敵にダメージを与え、対空レーザー装備時のフォース装着方向に対空レーザーを発射する。
  • 誘導ミサイル
敵を捕捉し自動追尾する2発のミサイルが発射される。ただし攻撃力はさほど高くはない。
  • スピードユニット
取得するごとに自機の移動速度が向上する。
ミスしない限り向上したスピードを元に戻すことはできない。

備考

  • 旧アイレムファンクラブ会報誌『ドラゴンフライ』には、『R-TYPE ILLEGAL MISSION』など、本作の補足的な資料が掲載されていた。サウンドトラック『R-TYPE SPECIAL』付属の資料集、PlayStation版『R-TYPES』ライブラリモードの資料集は、これらを基に作成されている。
  • アイレムソフトの親会社であるナナオのモニター「FORIS FX2301TV」のスペシャルコンテンツ紹介ページには、R-TYPEをイメージしたゲーム画像が作られている。
  • ゲスト登場作品や上記資料関係も整理された『シューティングゲームサイド』Vol.9にはR-TYPEシリーズの特集が組まれている。

注釈

  1. ^ ため撃ちに関しては、1984年9月稼働の『フォーメーションZ』が先んじている。

出典

  1. ^ a b 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、24 - 25頁、ISBN 9784881994290 
  2. ^ a b c d 「着脱自在の武器を駆使し、異形生物を破壊 アイレム販売『R-タイプ』基板」, 『ゲームマシン 312号』, p. 14.
  3. ^ a b 『CD R-TYPE Special ブックレット』ビクターエンターテイメント、1993年9月22日、12,13頁。 
  4. ^ a b 『SHOOTING GAME SIDE VOL.9 電子版』マイクロマガジン社、2014年3月27日、6,25頁。 
  5. ^ R's History~Legend of the Round-Canopy~
  6. ^ 1993年発売のアレンジサウンドトラック『R-TYPE SPECIAL(ビクターエンタテイメント株式会社)』付属のブックレットにはR's History~Legend of the Round-Canopy~の簡易版が掲載されていた。
  7. ^ a b 『PC Engine FAN』徳間書店インターメディア、1989年3月1日、39 - 60頁。 
  8. ^ a b c d e f g h 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、68頁。 
  9. ^ 田名網陽平 (2002年10月22日). “サイバード、「イース」や「雷電」、「R-TYPE」が遊べる 「ゲームの殿堂!!!」を配信” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2019年6月16日閲覧。
  10. ^ 『イース』『R-TYPE』などがiアプリに!「ゲームの殿堂!!!」が11月5日にオープン” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2002年10月22日). 2019年6月16日閲覧。
  11. ^ 太田亮三 (2004年3月22日). “サイバード、BREW版「R-TYPE」など4タイトル”. ケータイWatch. インプレス. 2019年3月2日閲覧。
  12. ^ a b 「GALAXY Note」に対応した「R-TYPE」がGoogle Playにて配信”. 4Gamer.net. Aetas (2012年4月9日). 2019年3月2日閲覧。
  13. ^ レトロゲーム専用機「GENERATIONS4」の発売日が5月31日から7月5日へ変更。7タイトルでゲーム途中のセーブ不可と判明したため”. 4Gamer.net. Aetas (2018年5月18日). 2019年3月2日閲覧。
  14. ^ a b アイレムにDECO,ジャレコのアーケードゲームが遊べるレトロゲーム専用機「GENERATIONS4」が5月31日に発売” (2018年5月2日). 2019年3月2日閲覧。
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  16. ^ Video Game Den”. Video Game Den. 2011年8月13日閲覧。
  17. ^ 1987年にオンエアされていたPCエンジンのCMでは上下がカットされてスクロールしない映像も存在した。
  18. ^ a b Wii用バーチャルコンソール一覧(1ページ目)”. 2019年3月2日閲覧。
  19. ^ Wii用バーチャルコンソール一覧(2ページ目)”. 2019年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月2日閲覧。
  20. ^ R-Type”. Hardcore Gaming 101. 2011年8月13日閲覧。
  21. ^ ハドソンの著作物は現在KDEが全て管理している。以降のハドソン販売物移植版も同様。
  22. ^ セガ JOYJOY情報 NO.23”. JOYJOY. セガ (1988年9月). 2019年3月2日閲覧。
  23. ^ Ishaan (2011年9月28日). “Last Chance To Grab R-Type Off The Wii Virtual Console”. Silliconera. 2019年3月2日閲覧。
  24. ^ MSX・FAN』(徳間書店)1988年7月号 p.8。
  25. ^ MSXマガジン』(アスキー)1988年7月号 p.26および『MSX・FAN』(徳間書店)1988年9月号 p.9。
  26. ^ 『MSXテクニカルガイドブック』(ASCATp.29(本作を名指しこそしていないが、詳細が記載されている)。
  27. ^ M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、58ページ
  28. ^ 『パチパラ3D 大海物語2 ~パチプロ風雲録・花 希望と裏切りの学園生活~』ストーリーモード序盤を紹介
  29. ^ 『説明書』アイレム、7頁。 
  30. ^ アイレム、PS Storeでの一部ソフト販売を8月11日で終了”. 電撃オンライン. アスキーメディアワークス. 2019年3月2日閲覧。
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  35. ^ a b c 【PR】「Androidアプリレビュー」第4回:横スクロールSTGの名作「R-TYPE」。あの当時の迫力がそのままAndroidで楽しめる!” (2012年7月28日). 2019年3月2日閲覧。
  36. ^ a b c d e 「名作ゲームインタビュー再録」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、244 - 245頁、ISBN 9784881994290 
  37. ^ 該当Tweet 本文は要約
  38. ^ 月刊ゲーメスト』(株式会社新声社)1989年3月号 p.29。
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  58. ^ The Arcade Flyer Archive - Video Game Flyers: Gallop - Armed Police Unit, Irem”. flyers.arcade-museum.com. 2021年1月5日閲覧。
  59. ^ https://www.ign.com/articles/1998/02/24/factor-5-interview-part-i






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