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Information Technology Infrastructure Library

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 16:41 UTC 版)

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2021年現在のITILの最新バージョンはITIL4 である。

概要

ITILはITサービスマネジメントを実現するため、ITサービスの品質向上、中長期的なコストの削減などを目的として実在する企業、サプライヤ[4]コンサルタントなどからITサービスに関する実際の運営方式やノウハウを収集し、書籍化したもの。

欧米社会においてITILは既にITサービスマネジメントの業界標準として広く認知されており、社会的な地位を確立している[5]。ITILはITサービスマネジメントの英国規格であるBS 15000のベースとなっている[6] 。BS 15000は国際規格であるISO/IEC 20000に提案し、国際標準となっている。JISはJIS Q 20000-1 情報技術-サービスマネジメント-第1部:サービスマネジメントシステム要求事項, JIS Q 20000-2 情報技術-サービスマネジメント-第2部:サービスマネジメントシステムの適用の手引である。

また、ITILでは「3つのP」という概念について説明がなされている。これは process(過程)、people(人)、products(成果物) の3つを指し、プロセスだけが充実していても、担当者のスキルのみに頼る事も、どんなに高価で便利なツールを使用しようとも、それぞれがバランス良く配置されなければ効果は得られないと警鐘している。ITILを解説する書籍によっては、さらに partners(協力会社) を加え、「4つのP」と表現しているものもある。これはITILバージョン3で大きな要素として盛り込まれたアウトソーシングが意識されている。

ITIL成立の背景

1980年代のイギリス政府において、ガイドラインを基にしたITサービスの利用と提供が求められるようになり、ITサービスの方法論を整理する活動が行われ調査・研究の結果、1986年に現在のITILの基礎となるガイドラインが出来上がり、その後1989年にCCTAによって初版が公開された。現時点において、ITILを所有しているのはOGCであり、TSO[7]が出版を行っている。2007年時点ではバージョン2が主流となっているが、itSMF(後述)によってバージョン3が2007年6月に新しくリリースされた[8]

バージョン2では社内情報システムに関するベストプラクティスが中心となって記述がなされており、バージョン3ではさらにアウトソーシングも意識した内容が新たに盛り込まれている。

ITIL普及のための活動

ITILの導入・促進のための団体としてはitSMF[9]が各国に存在し、日本でも2003年に日本HP、富士通、マイクロソフト、NTTコム、日立製作所、NEC、P&G、プロシードなど8社の情報通信技術企業により、NPO法人として itSMF Japan が設立されており、書籍の翻訳やセミナーを通じてITILの普及活動が行われている。


  1. ^ Cental Computer and Telecommunication Agency(中央コンピュータ電気通信局)の略で、イギリス政府商務庁の下部組織。現OGCOffice of Government Commerce(イギリス政府商務省))。
  2. ^ ThinkIT-ITIL実践のポイント
  3. ^ 2018年10月現在、出典とされている1つ前の注のリンク先を見ても、『ITサービス全体において「デファクトスタンダード」』あるいは『重要な位置付け』というような文字列は見当たらないようである。
  4. ^ ITサービスを提供するために必要となるソフトウェアハードウェア、技術力などを提供する取引企業のこと。
  5. ^ 欧州におけるITILの適用事例(PDF)
  6. ^ ITmediaエンタープライズ:知らないと恥ずかしい、ITIL超基礎
  7. ^ The Stationary Office(イギリス出版局)の略。
  8. ^ ITIL ver3が正式リリース参照。
  9. ^ : I.T. service management forum
  10. ^ EnterpriseWatch-「ITIL V3ではサービスライフサイクルを重視」
  11. ^ 日本HP-HP Servicesを支えるプロフェッショナルたち
  12. ^ なお、日本語化されているのはサービスサポート、サービスデリバリ、サービスマネジメント導入計画立案、ビジネスの観点、アプリケーション管理の5冊。
  13. ^ a b c @IT情報マネジメント編集部 (2004年4月11日). “情報マネジメント用語辞典:ITIL”. ITmedia エンタープライズ. 2021年11月16日閲覧。
  14. ^ Continuous Service Improvement Programの略。継続的サービス改善プログラム。
  15. ^ 組織風土とも。目に見えないがそこに所属する全員が感じる空気のようなしきたりや慣例。
  16. ^ Critical Success Factor。日本語では「重要成功要因」と呼ばれ、目標達成のために何が重要な成功要因かを明確化すること。
  17. ^ Key Performance Indicators。日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれ、企業目標を実現するために設定した具体的な業務プロセスを客観的観点から計るための指標。
  18. ^ COBITの成熟度モデルでITILを裏付ける
  19. ^ ICTはInformation and Communications Technologyの略で情報と通信技術を意味する。
  20. ^ ComputerWorldの記事より。
  21. ^ 小渕淳二 (2019年6月12日). “DX時代のアジャイルITSM変革アプローチ第1回:ITILの歴史とITILv3/2011が抱えている問題”. システム管理者の会. 2021年11月16日閲覧。
  22. ^ AXELOS launches ITIL 4 Foundation”. AXELOS. 2021年2月12日閲覧。
  23. ^ ITIL Foundation: 4th edition. AXELOS. (2019). ISBN 9780113316076. https://itil.press/ 
  24. ^ Transition to ITIL 4”. AXELOS. 2021年2月12日閲覧。


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