データ完全性とは? わかりやすく解説

データ完全性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/27 15:00 UTC 版)

データ完全性(データかんぜんせい、: Data integrity)は、情報処理電気通信の分野で使われる用語であり、データが全て揃っていて欠損や不整合がないことを保証することを意味する。データインテグリティとも。すなわち、各種操作(転送、格納、検索)が行われる際にデータがひとまとめで扱われ、目的とする操作に対して期待されるデータ品質を維持する。簡単に言えば、データ完全性とは、データが一貫していて正しく、アクセス可能であることを保証するものである。

関係データベース

関係データベースにおけるデータ完全性とは、データベース内のデータの正確性や妥当性を指す。 多くの関係データベース管理システム (RDBMS) では、データベース内のデータ完全性を保証するために一意性制約CHECK制約、あるいはエンティティ間に参照整合性を保つための制約などを設ける機能がある。

参照整合性とは、女Aと男Bが夫婦であるならば女Aの配偶者の配偶者が女Aである、ということを言う。女Aの配偶者の配偶者が女Cであったら、そのデータの正確性や妥当性に問題がある。つまりデータ完全性に問題がある[1]。なお、この配偶者の例は相互参照と呼ばれる関係の正規化が不充分な状態であり、関係の正規化が不充分であるとデータ完全性を保つことが困難になる。

参照整合性を保つための制約は一般に、親子関係にあるエンティティ同士で、親データ[2]を持たない子データ[3]が存在しないように、例えば子データがある親データの抹消などの違反するデータ操作を拒否する仕組みである。

情報セキュリティ

暗号理論コンピュータセキュリティにおいて、完全性とはデータの妥当性を指す。完全性は次のような事柄で損なわれる可能性がある。

日本情報処理開発協会の「ISMS認証基準Ver.2.0」の定義によれば「情報及び処理方法が、正確であること及び完全であることを保護すること」とされる。故意、過失を問わず、システムに意図されている内容と異なるデータ入出力およびデータ処理が行われてしまう状況は、データ完全性を失っているといえる。

そのような完全性を保証するため、メッセージ認証符号 (MAC) と呼ばれる数が使われることが多い。

脚注

  1. ^ 但し一夫多妻制の場合は、Aliceの夫Bobの妻がCatherineである可能性があるので、その場合にはデータベース設計に問題がある
  2. ^ 一般に、該当情報に関する主キーをもつ表(テーブル)
  3. ^ 一般に、該当情報に関する外部キーをもつ表(テーブル)

関連項目


データ完全性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 14:19 UTC 版)

SHA-1」の記事における「データ完全性」の解説

SHA-1ハッシュGitMercurialMonotoneといった分散型バージョン管理システムにおいても、バージョン管理データ破損改竄の検出用いられている。任天堂Wiiにおいては起動時SHA-1による署名検証しているが、これを回避する手法開発されている。

※この「データ完全性」の解説は、「SHA-1」の解説の一部です。
「データ完全性」を含む「SHA-1」の記事については、「SHA-1」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「データ完全性」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「データ完全性」の関連用語

データ完全性のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



データ完全性のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのデータ完全性 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのSHA-1 (改訂履歴)、関係データベース管理システム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS