データ管理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/28 18:08 UTC 版)
データ管理(データかんり、英語: data management、データマネジメント)とは、データを管理する活動のことを指す。データをビジネスに活かすことができる状態で継続的に維持、さらに進化させていくための組織的な営み[1]、データを「経営戦略を決定する上での重要な資産」と捉え、意思決定のために常時利用可能な状態に改善・維持すること[2]である。
概要
データマネジメント協会(DAMA)が編纂したデータマネジメントに関する知識体系DMBOK(データマネジメントの知識体系)によると、データマネジメントは次の10の要素で構成されている。
- データガバナンス:データの管理および利用にまつわる計画、監視、統制
- データアーキテクチャ管理:データ資産管理のための青写真作成
- データ開発:分析、設計、実装、テスト、配備、維持
- データオペレーション管理:データ収集から廃棄までのサポート提供
- データセキュリティ管理:プライバシー、機密性、適切なアクセスの保証
- データクオリティ管理:データクオリティの定義、監視、改善
- リファレンスデータとマスタデータ管理:ゴールドバージョンと複製バージョンの管理
- データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス管理:報告と分析を可能にする
- ドキュメントとコンテンツ管理:データベースの外部にあるデータの管理
- メタデータ管理:メタデータの統合、統制、供給
また、データを管理するためのシステムをデータ管理システムと呼ぶ。
背景
従来、メインフレームの時代は、データが一元管理できていたが、
- 分散環境により、今やデータがあらゆるところで生まれ、組織内の様々な場所で蓄積されていること
- 関係データベース管理システム(RDBMS)で管理されるような構造化データに加え、非構造化データが増えてきたこと
- 人工知能やIoT、ビッグデータの普及により、データを経営資源として管理、活用し、従来の勘と経験に基づいた経営から、データから価値を創出するデータ駆動(ドリブン)経営へと脱却を図る動きが加速していること
- データを利活用することで、意思決定の高度化、業務効率化、売上増大などの期待ができること
これらのことから、データマネジメントに注目が集まっている。
課題
非構造化データの管理
非構造化を構造化データと同じように扱える文書・コンテンツ管理ソリューションを用いた基盤の整備が進んでいる[3]。
CAO・CDO・DMOの設置
CAO(Chief Analytics Officer:最高分析責任者)の役割は、企業が持つデータを分析し、ビジネス上の戦略に活かすこと。
CDO(Chief Data Officer:最高データ責任者)の役割は、データを質の高い状態で維持し、利用を促すこと。
DMO(Data Management Officer : データ管理者)の役割は、データ収集と品質管理を行い、データを利用できるように処理・提供すること。
欧米の企業の経営者に比べ、日本の企業の経営者はデータへの関心が薄いと報告されている[4]。
関連項目
脚注
- ^ “リアライズ「データマネジメントとは」”. 2019年7月22日閲覧。
- ^ “デロイトトーマツ「第4回解決策(3):データマネジメントの体制整備」”. 2019年7月22日閲覧。
- ^ “情報ガバナンス研究室「非構造化データを効率的に管理する文書・コンテンツ管理ソリューションの選定ポイント」”. 2019年7月22日閲覧。
- ^ “デロイト トーマツ合同会社「日本企業に求められる企業情報マネジメントという高い壁」”. 2019年7月22日閲覧。
データ管理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 09:06 UTC 版)
「ケプラー (探査機)」の記事における「データ管理」の解説
LASPでミッション運用中に収集された科学データテレメトリーは、処理のために、ボルチモアのジョンズ・ホプキンズ大学のキャンパスにある宇宙望遠鏡科学研究所にあるKepler Data Management Center(DMC)に送信される。科学データテレメトリーは、DMCによってデコードされ、未校正のFITS形式の科学データに処理される。DMCは、NASAのエイムズ研究センター(ARC)のSOCに渡され、校正と最終処理が行われる。ARCのSOCは、ケプラーScience Office(SO)が使用する科学データを処理するために必要なツールを開発および運用している。したがって、SOCは、SOとSOCが共同で開発した科学的アルゴリズムに基づいてパイプラインデータ処理ソフトウェアを開発している。運用中のSOC: DMCから未校正のピクセルデータを受信する。 分析アルゴリズムを適用して、各恒星の校正されたピクセルと光度曲線を生成する。 太陽系外惑星を検出するためのトランジット観測を実行する(しきい値超過イベント、またはTCE)。 誤検出を排除する方法として、様々なデータの一貫性を評価することにより、候補惑星のデータ検証を実行する。 SOCはまた、継続的に測光性能を評価し、SOおよびミッション管理のオフィスに性能指標を提供する。最後に、SOCは、カタログや処理済みデータなど、プロジェクトの科学データベースを開発および保守する。SOCは最終的に、校正されたデータと科学的結果をDMCに返し、長期アーカイブを行い、STScI(MAST)のMultimission Archiveを通じて世界中の天文学者に配布する。
※この「データ管理」の解説は、「ケプラー (探査機)」の解説の一部です。
「データ管理」を含む「ケプラー (探査機)」の記事については、「ケプラー (探査機)」の概要を参照ください。
「データ管理」の例文・使い方・用例・文例
データ管理と同じ種類の言葉
- データ管理のページへのリンク