福岡一家4人殺害事件 福岡一家4人殺害事件の概要

福岡一家4人殺害事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/30 16:19 UTC 版)

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福岡一家4人殺害事件
場所

日本福岡県福岡市東区

  • 福岡市東区馬出四丁目(被害者宅・3人殺害現場)[1]
  • 福岡市東区箱崎ふ頭(博多港・遺体遺棄現場)[2]
標的 衣料品販売業者男性A(当時41歳)一家[3]
日付 2003年平成15年)6月20日
未明
0時15分ごろ(A宅にて妻Bを殺害)[4] – 4時過ぎごろ(一家4人を海中に遺棄・Aを殺害)[4] (UTC+9日本標準時))
概要 金に困っていた中国人留学生3人が強盗目的で衣料品販売業者男性宅に侵入し、口封じ目的で一家4人を殺害して遺体を博多湾に沈めた[3]
攻撃手段
  • 首を絞めながら顔を浴槽の湯に押し付け溺死させる(男性Aの妻B)[4]
  • 首を絞め窒息死させる(A・B夫妻の長男Cおよび長女D)[4]
  • 重りを付けて海に沈める(一家4人全員、男性Aはこの時に溺死)[4]
攻撃側人数 3人
武器
  • ネクタイ(長女Dを絞殺した凶器)[4]
  • 箱型鉄製重り・ダンベル・手錠(死体遺棄・および男性Aの殺害に使用)[4]
死亡者 4人[4]
損害 現金37,000円およびキャッシュカード数枚・預貯金通帳約17冊[4]
犯人 中国人留学生3人
動機
  • 「被害者一家が金持ちだと思ったから」(強盗目的)[1]
  • 犯行発覚を恐れての口封じ(殺害目的)[3]
対処
  • 事件後に帰国したX・Yは中国公安当局が逮捕・起訴[5]
  • 事件後も日本に滞在していたZは福岡県警が逮捕[3]・福岡地検が起訴[6]
  • 謝罪
  • 被告人Zは被告人質問で被害者遺族に謝罪[7]
  • 被告人X・Yも意見陳述で被害者遺族への謝罪・反省の言葉を述べる(ただし互いに「自分が主犯である」旨は否定)[8]
  • 刑事訴訟
  • Xは中国で死刑(執行済み)・Yは無期懲役[9]
  • Zは日本で死刑(上告棄却により確定・執行済み)[10]
  • 影響 日中両国が捜査共助を進めたり、日本の入管当局が留学生の資格審査を厳格化したりした[11]
    管轄
    テンプレートを表示
    最高裁判所判例
    事件名 傷害詐欺住居侵入強盗,建造物侵入,窃盗強盗殺人死体遺棄被告事件
    事件番号 平成19年(あ)第836号
    2011年(平成23年)10月20日
    判例集 刑集第65巻7号999頁
    裁判要旨
    国際捜査共助の要請によって中華人民共和国内で作成された共犯者の供述調書が、取調べに際して、黙秘権の実質的告知がなされ、肉体的・精神的な強制がなされていなかったことを理由として、刑事訴訟法321条1項3号の書面に当たるとされた。
    第一小法廷
    裁判長 白木勇
    陪席裁判官 宮川光治桜井龍子金築誠志横田尤孝
    意見
    多数意見 全員一致
    意見 なし
    反対意見 なし
    参照法条
    刑訴法321条1項3号
    テンプレートを表示

    中華人民共和国(中国)から日本へ留学してきた留学生3人が家族4人を殺害して現金を強奪し、4人の遺体を海中に投棄した[4]。本事件は閑静な住宅街で深夜に小学生の子供2人を含む一家4人全員が惨殺され、博多港にて変わり果てた姿で発見された凶悪・重大な事件としてその結果の重大性・犯行の残忍さから世間の耳目を集め、一般社会に強い衝撃を与えた[13]




    注釈

    1. ^ ZがYと出会ったインターネットカフェは当時、中国人留学生らのたまり場になっていた[16]
    2. ^ 冒頭陳述では「Xがアルバイト先へ通う途中」[17]、Z逮捕直後の報道では「Xの通学路途中」となっている[1]。Xは被害者A一家とは面識こそなかったが子供2人(C・D)を含めた家族構成を把握していた[1]
    3. ^ この時、Yの姿が店の防犯カメラに映っていた[17]
    4. ^ 同事件で加害者Zら3人は強盗致傷罪で逮捕されたが、福岡地検は被害者の怪我が極めて軽微だったことから強盗罪を適用している[20]
    5. ^ 逮捕直後の報道では約40,000円だが[3]、刑事裁判の事実認定では約37,000円となっている[2]
    6. ^ 加害者Zに逃走費用を渡したなどとして犯人隠避入管難民法違反の罪で起訴されたこの中国人女性は2004年7月14日に福岡地裁(國井恒志裁判官)にて懲役2年・執行猶予3年・罰金20万円(求刑:懲役2年・罰金20万円)の有罪判決を受け[27]、第一審で確定した[28]
    7. ^ 中国の国内法では判決から5日以内であれば被害者側が検察に控訴を促すことができる[38]
    8. ^ 同公判では調書9通が証拠提出されたが、事件に至るまでの経緯について供述した2通は却下された[28]。なおこれらの調書は同年4月、犯人隠避罪などに問われた被告人Zの元交際相手の公判でも参考人調書として採用されている[28]
    9. ^ 第一審判決は記事中で原告を匿名としていたことなどを理由に損害額を低く見積もったが、控訴審判決は「『記事で指されている人物=原告』であることは面識のある人ならば容易にわかる」との理由から賠償額を増額した[60]
    10. ^ 1,100万円は一般市民の名誉毀損事件における損害賠償額としては異例の高額だった[60]
    11. ^ 原告は判決の結論を『週刊文春』誌上に掲載することも求めていたが、東京高裁は「真犯人が有罪判決を受けたことで原告の嫌疑は払拭されている」ことなどを理由に退けている[64]

    出典

    1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 緊急特集 東区一家4人殺害事件 > 焦点・FOCUS=福岡市東区一家殺害 残忍犯行「計画通り」 高級車に狙い定める 「娘助けて」哀願無視 処分困り車は放置 遺体発見早く焦り 金への執着で暴走」『西日本新聞西日本新聞社、2004年1月9日、朝刊。2019年12月27日閲覧。オリジナルの2007年10月17日時点におけるアーカイブ。
    2. ^ a b c d 西日本新聞』2005年5月20日朝刊第19版1面1頁「東区一家殺害事件 Z被告に死刑 福岡地裁判決 『身勝手かつ冷酷』 共謀、『従属』と認めず」
    3. ^ a b c d e f g h 緊急特集 東区一家4人殺害事件 > 3中国人犯行と断定 Z被告 強殺容疑で再逮捕 東区一家殺害「金目的、口封じ」 福岡県警」『西日本新聞』西日本新聞社、2004年1月9日、朝刊。2019年12月27日閲覧。オリジナルの2007年10月17日時点におけるアーカイブ。
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    5. ^ a b c d e 『西日本新聞』2005年5月20日朝刊第19版第二社会面(事件・人・話題)30頁「福岡市東区一家殺害の経過」
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    8. ^ a b 『西日本新聞』2004年10月20日朝刊第19版第一社会面(事件・人・話題)31頁「東区一家殺害 中国側初公判 Y被告らが謝罪 涙流し『すみません』 傍聴席、遺族は怒り新た」【遼陽(中国遼寧省)19日 伊藤完司】
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    11. ^ 『読売新聞』2005年5月18日西部朝刊第一社会面35頁「福岡の一家殺害 死刑求刑のZ被告、あす判決 3人殺害実行どう判断」(読売新聞西部本社)
    12. ^ a b c d e f 緊急特集 東区一家4人殺害事件 > 博多港に親子4人他殺体 ロープ巻かれ手錠 首絞められたあと 自宅には血痕」『西日本新聞西日本新聞社、2003年6月21日、朝刊。2019年12月28日閲覧。オリジナルの2007年10月17日時点におけるアーカイブ。
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    15. ^ 福岡地裁 (2005, 被告人)
    16. ^ a b 相本康一「夢の国で暗転、拭えぬ「なぜ」 Z死刑囚、多くを語らず」『西日本新聞』西日本新聞社、2019年12月27日、朝刊社会面。2019年12月28日閲覧。オリジナルの2019年12月28日時点におけるアーカイブ。
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    19. ^ a b c d e f g h 福岡地裁 (2005, 被告人の経歴および共犯者らとの関係等)
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    24. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag 福岡地裁 (2005, 本件強盗殺人の犯行状況)
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    32. ^ a b 『西日本新聞』2005年5月20日朝刊第19版国際面(国際・アジア)5頁「福岡一家殺害 X被告近く二審判決か 中国側、対日動向踏まえ判断へ」
    33. ^ 『西日本新聞』2004年10月19日夕刊第10版第二社会面8頁「中国当局 対日重視、異例の公開 嫌中感情拡大を憂慮」【遼陽(中国遼寧省)19日 井上裕之】
    34. ^ 『西日本新聞』2004年10月20日朝刊第19版1面1頁「東区一家殺害 2被告に厳罰求刑 中国側の公判結審 法廷で遺族に土下座」【遼陽(中国遼寧省)19日 井上裕之】
    35. ^ 『西日本新聞』2004年10月19日夕刊第10版1面1頁「東区一家殺害 Y被告ら極刑の公算 初公判で結審へ 中国遼陽市 X被告が計画主導」【遼陽(中国遼寧省)19日 井上裕之】
    36. ^ a b c 井上裕之「緊急特集 東区一家4人殺害事件 > X被告に死刑 Y被告無期 東区一家殺害 残虐な犯行明白 中国法院判決 Y被告の自首認定 X被告控訴の意向」『西日本新聞』西日本新聞社、2005年1月24日、朝刊。2019年12月27日閲覧。オリジナルの2007年10月17日時点におけるアーカイブ。
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    40. ^ 緊急特集 東区一家4人殺害事件 > Z被告 罪状大筋認める 東区一家殺害 初公判 困窮、焦り犯行 福岡地裁 検察、冒陳で指摘」『西日本新聞』西日本新聞社、2004年3月23日、夕刊。2019年12月27日閲覧。オリジナルの2006年12月31日時点におけるアーカイブ。
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    42. ^ 『読売新聞』2005年3月17日西部朝刊第一社会面39頁「福岡の一家殺害最終弁論 弁護側、Z被告の無期への減軽求める」(読売新聞西部本社)
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    57. ^ a b 『読売新聞』2005年7月28日東京朝刊第二社会面34頁「福岡一家殺害記事 講談社に880万円賠償命令 被害者の兄犯人扱い/東京地裁」(読売新聞東京本社
    58. ^ 『読売新聞』2005年12月1日東京朝刊第二社会面38頁「福岡一家殺害巡る報道 名誉棄損賠償額、高裁が減額命令」
    59. ^ a b 『読売新聞』2005年8月29日西部夕刊第一社会面11頁「福岡一家殺害、犯人扱い 新潮社側にも賠償命令/東京地裁」
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    61. ^ 『読売新聞』2006年3月1日西部朝刊第二社会面34頁「福岡一家殺害巡る週刊新潮の名誉棄損 賠償額770万円に増額/東京高裁」
    62. ^ 『朝日新聞』2006年8月31日西部朝刊第三社会面29頁「福岡一家4人殺害、新潮社の賠償確定 最高裁」(朝日新聞西部本社)
    63. ^ a b 『読売新聞』2006年9月29日東京朝刊第三社会面37頁「記事で犯人扱い、文春に賠償命令 福岡一家4人殺害巡り/東京地裁」
    64. ^ a b 『読売新聞』2007年8月7日西部朝刊第二社会面30頁「福岡一家殺害報道で文春に再び賠償命令/東京高裁」





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