国外逃亡犯と死刑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 16:55 UTC 版)
「日本における死刑」の記事における「国外逃亡犯と死刑」の解説
日本で犯罪を犯した外国人が死刑廃止国へ逃亡した場合、「日本が死刑存置国である」ことを理由に、犯罪者の引渡しが拒否される場合もある。 東京で日本人女性を殺害し国外逃亡したイラン人が死刑廃止国のスウェーデンで拘束された事例 では、両国間で犯罪人引渡し条約がないため、スウェーデンの国内法を根拠に日本側が任意の引渡しを要請した。しかし1994年にスウェーデン政府は「死刑にしない保証をしない限り応じない」とされた。この事件は判例に準拠すれば死刑になる可能性が少ないケースであったが、裁判を行う前に死刑にならないことを100%確実に保証することは日本政府として不可能であったため、結局引き渡されず、スウェーデンにおいて代理処罰され、1995年に禁錮10年の判決を受けたという。 日本人の殺人犯が犯罪人引渡し条約を締結していない南アフリカ共和国に逃亡した事例では、死刑制度を理由に引き渡しが拒否されること見越し、日本の検察が死刑を求刑しないという確約をすることで引き渡しを進めようとしたが、南アフリカ側が裁判官の誓約書が必要と回答し一時頓挫した。 死刑存置国によって死刑の適用について差異があることも少なくないが、福岡一家4人殺害事件(2003年)では犯人の中国人3人のうち2人が母国の中国に逃亡し1人が日本で逮捕され、日本では1審で死刑を宣告され控訴棄却後、上告したが、2011年10月20日に最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は上告を棄却して死刑判決を言い渡した。中国で拘束された2人については死刑と無期懲役に別れ、死刑は執行されている。
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