演繹とは? わかりやすく解説

えん‐えき【演×繹】

読み方:えんえき

[名](スル)

一つ事柄から他の事柄押しひろめて述べること。「身近な事象からすべてを—する」

与えられ命題から、論理的形式頼って推論重ね結論導き出すこと。一般的な理論によって、特殊なもの推論し説明すること。「三角形定理から—する」⇔帰納


演繹

読み方:エンエキen’eki)

ある命題から論理規則にしたがって結論を導くこと


演繹

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/12 22:47 UTC 版)

推論 > 論理的推論 > 演繹

演繹(えんえき、: deduction)は、一般的・普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を得る論理的推論の方法である。

帰納で得る結論は「蓋然性」に留まるのに対し、演繹である結論は、前提が正しければ必ず正しい(前提は結論を必ず含意する)。したがって、前提に誤りがあれば、結論も誤ることになる。近代では、演繹法とは記号論理学によって記述できる論法の事を指す。

具体例

例えば、物体が落下するとき、重いものほど速く落ちるというのがかつての常識であった。これに対してガリレオ・ガリレイは、詳しい実験から物体の落下時間が質量比例するものではないことを示した。これは帰納的な判断である。また、ここから彼は物体の落下速度は質量にかかわらず一定だろうと判断した。これはアブダクション(仮説形成)である。

その後、様々な実験や研究から物体がそれに従うべき法則として万有引力の法則運動の法則が設定された。これが認められた後は、物体を落下させる実験を行わなくても、その落下時間は計算できるし、全く異なる条件下、たとえば金星で同じ実験を行った場合の結果についても値を得られることになる。これが演繹的な判断である。仮に実験結果が異なった値を取れば、実験の失敗を疑うか、そこに差を与える他の要素を探求することになろう。なぜならば、その実験の範囲では、前提とする法則が正しいものと判断できた上での結果だからである。

応用

以上のことを一般化した演繹の代表例として三段論法がある。 「は必ず死ぬ」という大前提、「ソクラテスは人である」という小前提から「ソクラテスは必ず死ぬ」という結論を導き出す。この例のように二つの前提から結論を導き出す演繹を三段論法という。演繹においては前提が真であれば、結論も真となる。

ここで、「ソクラテス」の代わりに「」を入れても正しい演繹となる。演繹による必然性とは前提には依存しておらず、前提を仮に認めるとすれば、必然的に結論が導かれるという形になってあらわれる。

アリストテレスが演繹の体系を構築し、フレーゲの登場までそれが長らく西洋論理学の中心となっていた。

イマヌエル・カントは、通常の意味とは異なった形で演繹 (Deduktion) という語を用いている。カントにおいて演繹とは概念の正当性の証明を意味する。最も代表的な例は『純粋理性批判』におけるカテゴリー(範疇)の超越論的演繹である。演繹のこのような用法は当時の法学用語に由来するといわれ、カントのいたるところにみられる。

関連項目


演繹

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/26 09:55 UTC 版)

論理的推論」の記事における「演繹」の解説

演繹は「結論」を規定することを意味する。この推論は「規則」と「前提条件」を用いて結論」を導くことである。例えば、「がふると芝生は湿る。ふっている。したがって芝生湿っている。」数学者通常、この種の推論かかわっている。

※この「演繹」の解説は、「論理的推論」の解説の一部です。
「演繹」を含む「論理的推論」の記事については、「論理的推論」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「演繹」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

演繹

出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 12:42 UTC 版)

名詞

演 繹えんえき

  1. 一般的原理から具体的なものを推論すること。

発音(?)

え↗んえき

対義語

動詞

活用

サ行変格活用
演繹-する

翻訳


「演繹」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「演繹」の関連用語

演繹のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



演繹のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの演繹 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの論理的推論 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの演繹 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS