日野車体工業 概要

日野車体工業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/24 21:28 UTC 版)

概要

1975年(昭和50年)4月、帝国自動車工業(ていこくじどうしゃこうぎょう)と金産自動車工業(きんさんじどうしゃこうぎょう)が合併し、日野車体工業株式会社に商号変更した[1]

帝国自動車工業(帝国自工)の工場を引き継ぎ、神奈川県横浜市鶴見区尻手1丁目1番25号[1][2]に本社を置き、日野車体工業横浜工場としていた[1]

1939年(昭和14年)9月に開設され[1]、63年間続いた歴史ある横浜工場は、ジェイ・バスへの統合に伴い、2002年(平成14年)9月に閉鎖された[1]。工場は解体され、跡地は大規模分譲マンション「ヨコハマオールパークス」[4]として再開発されている。

日野車体工業では、日野自動車のCI変更でロゴマークが「Hino」から大文字の「HINO」へ変更された後も、ジェイ・バスへの統合まで日野の旧ロゴマークを使用していた(Hino Body=筆記体、H,Bのみ大文字)。

バスボデーのほか、トラック荷台やトレーラー車体の製造も行い、トラックボデーやアルミバンは日野製シャーシ以外へも架装していた。トランテックスとなってからもより積極的に日野シャーシ以外に架装している。

本項では、日野車体工業の前身となった帝国自動車工業金澤産業(かなざわさんぎょう、のち金産自動車工業)の2社についても述べる。

日野車体工業以前

帝国自動車工業

いすゞBX91 (1949年式)
江ノ島鎌倉観光(現:江ノ電バス
日野RA900P
国鉄専用型式

日野車体工業発足後も、1983年(昭和58年)までモノコックボデーを並行生産し、国鉄バス向けいすゞシャーシへの架装を続けた(架装はいすゞ・C系まで)。

金産自動車工業

日野BT71 (1965年式)
金産自動車工業に商号変更直後の製造車
信南交通
日産ディーゼル車への架装例
4R94 (1968年式)
東京急行電鉄
  • 1957年(昭和32年):構造体の技術的向学心をもった設計者が、技術提携を繰り返しても得られない答えを求め、1年間休職し大学で研究を開始する。ひずみゲージを用いた実験をまとめあげ、結果を日本機械学会に発表した。それまでの理論値が実測値となって裏付けられたことで貴重なデータとなる。
    • その研究結果は復職後、エアサスペンション、フレームレスモノコックボデーー、リヤエンジン方式を採用した新型モデルへフィードバックされ、この流れは後のトラックリヤボデーへの事業拡大や、バスボデーーのスケルトン化へと繋がってゆく。
  • 1963年(昭和38年):日野RA100PRA120Pほか、日野車率が99%となり最盛期を迎える。
  • 1965年(昭和40年)
  • 5月:金産自動車工業株式会社に商号変更[1]
  • 11月:新工場の松任工場が石川県石川郡松任町(現:白山市徳丸町)に完成(現在のトランテックス本店・本社工場)[1]
    • キンサンコーチ(KINSAN COACH)の名で親しまれる。さらにアルミを主体としたトラックのリヤボデーーやトレーラー、当時「第2の黒船」と騒がれた国際海上コンテナなどを手がけるようになる。
  • 1960年代後半より、自家用車の普及鉄道のスピードアップなどによるバス利用者の移行が顕著となり、大型バスの需要が減りはじめ、小型バスの需要が増えていく。結果、金産と帝国の両社間で日野車の販売競争と競合を招き、1969年から日野の仲介によって両社は業務提携を進め、共通設計でバスを製造するようになった。
  • 1971年:帝国自工と全面的業務提携に調印。以降の受注は99.9%日野車となり、ボデー部品の共通化や共通設計化がさらに徹底されるが、実質的効果が上がらなかった。
  • 1970年代より、主力商品であった国際海上コンテナが高度経済成長末期の円切上げにより国際競争力を失い、極度の経営悪化を招く。金産は帝国との合併へと向かう。

日野車体工業

日野スケルトンRS
国産初の大型スケルトンボデーバス
日野グランビュー ダブルデッカー
シャーシフレームまで角型鋼管構造に挑戦

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 会社沿革”. 株式会社トランテックス. 2020年12月13日閲覧。
  2. ^ a b 日野車体工業健康保険組合 全国保険者情報一覧、2020年9月12日閲覧。
  3. ^ a b c d 会社概要”. 株式会社トランテックス. 2020年12月13日閲覧。
  4. ^ ヨコハマオールパークス ナイス株式会社、2020年9月12日閲覧。


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