ヒステリシスとは? わかりやすく解説

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hysteresis

別表記:ヒステリシス

「hysteresis」の意味・「hysteresis」とは

「hysteresis」とは、物理学工学領域使用される専門用語である。一般的には、ある系が外部からの影響に対して遅れて反応しその影響取り除かれた後も元の状態に戻らない現象を指す。例えば、磁石磁場をかけたとき、磁場取り除かれても磁石磁性が残る現象などがこれに該当する

「hysteresis」の発音・読み方

「hysteresis」の発音は、IPA表記では/hɪstəˈriːsɪs/となる。IPAカタカナ読みでは「ヒスタリーシス」となる。日本人発音するカタカナ英語では「ヒステリシス」と読むのが一般的である。

「hysteresis」の定義を英語で解説

「Hysteresis」 is a phenomenon in physical systems that occurs when the value of a physical property lags behind changes in the effect causing it. For example, when a magnetic field is applied to a ferromagnetic material such as iron, the material retains some magnetism after the field is removed. This is a typical example of hysteresis.

「hysteresis」の類語

「Hysteresis」の類語としては、「lag」や「delay」がある。これらの単語も、ある現象が他の現象に対して遅れて反応することを表すが、「hysteresis」は特に物理的な現象に対して使われることが多い。

「hysteresis」に関連する用語・表現

「Hysteresis」に関連する用語としては、「magnetic hysteresis」や「elastic hysteresis」がある。「Magnetic hysteresis」は磁性体磁場に対して示すヒステリシス現象を、「elastic hysteresis」は弾性体が力に対して示すヒステリシス現象を指す。

「hysteresis」の例文

1. The hysteresis of the material was measured using a specialized device.(その物質のヒステリシスは専用装置用いて測定された。) 2. Hysteresis can be observed in many physical systems.(多く物理系ヒステリシス現象観察される。) 3. The concept of hysteresis is important in the field of control engineering.(ヒステリシスの概念制御工学分野で重要である。) 4. Magnetic hysteresis is a key factor in the design of electric motors.(磁気ヒステリシス電動機設計における重要な要素である。) 5. The hysteresis loop gives information about the magnetic properties of a material.(ヒステリシスループは物質磁気的性質についての情報与える。) 6. The hysteresis effect can cause energy loss in certain systems.(ヒステリシス効果特定のシステムエネルギー損失引き起こす可能性がある。) 7. The phenomenon of hysteresis is also observed in economic systems.(ヒステリシス現象経済システムでも観察される。) 8. The hysteresis was reduced by optimizing the material properties.(物質特性最適化することでヒステリシスは減少した。) 9. The hysteresis characteristics of the sensor were investigated.(センサーヒステリシス特性調査された。) 10. The hysteresis behavior can be modeled mathematically.(ヒステリシス行動数学的にモデル化することができる。)

ヒステリシス【hysteresis】

読み方:ひすてりしす

物質の状態が、現在の条件だけでなく、過去経路影響を受ける現象。特に磁気ヒステリシスをさすが、固体弾性変形などについてもいう。履歴現象

1から転じて過去の出来事影響が、経済構造などの変動後も残ること。ある事象影響景気悪化した後、他の要因により状況改善し回復の可能性出てもなお、不況が長引くことなど。履歴現象履歴効果


ヒステリシス(リニア)


ヒステリシス(履歴現象)

【英】:hysteresis

系の状態がそれまで系がたどってきた経過依存し物理的効果がその原因に対して遅れて現れる現象電子顕微鏡ユーザー感知するのはレンズ系のヒステリシスである。対物投影レンズは殆ど固定で使うのでヒステリシスは問題にならない照射系はプローブサイズを頻繁に変えるので可変したときの位置再現性操作性よしあし関係する中間レンズのヒステリシスによる倍率誤差使用モードによって異なるが5〜10%である。

ヒステリシス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/24 14:59 UTC 版)

ヒステリシス(Hysteresis)とは、あるの状態が、現在加えられている力だけでなく、過去に加わった力に依存して変化すること。履歴現象、履歴効果とも呼ぶ。

概要

ヒステリシスとは、「加える力を最初の状態のときと同じに戻しても、状態が完全には戻らないこと」とも言える。例えば、「弾性変形の限界を超えて伸縮したために塑性変形が加わったばね」のような事例である。

ヒステリシスを持つ系では、系の状態を見ることにより過去に加えられた力をある程度推定することができる。このため、ヒステリシスは「記憶」と考えることができる。実際、下記の磁力によるヒステリシスを利用した記憶装置は、テープレコーダーをはじめとして極めて多い。

Hysteresis の語は古典ギリシア語で 「不足・不備」を意味する ὑστέρησις hysterēsis から生まれた。この現象はジェームズ・ユーイングによって、1890年に定義・命名された。本来は Hysteresis の語のみで「ヒステリシスという現象」を意味するが、日本語では「ヒステリシス現象」と表記することも多い。また、「履歴現象」と表記する場合もある。

電磁石交流電流を流したときの磁気ヒステリシス誘電体交流電圧を加えたときの誘導ヒステリシスなどが知られている。ヒステリシスによる損失をヒステリシス損と呼び、電気エネルギーが熱として失われる。その他に弾性ヒステリシスなどもある。

磁力のヒステリシス

ヒステリシス曲線:外部磁場(横)と磁化(縦)のグラフ。
(1) 原点(磁場0、磁化0)から、(2) 磁場をかけると磁化が飽和する。(3) 磁場を 0 にしても磁化が残留する。
(4) ある程度の逆向き磁場をかけると磁化0になり、(5) さらに磁場を強めると磁化は反対方向に飽和する。

磁性体磁界の中に置かれるとそれ自身が磁石になる。これを「磁化」と呼ぶ。磁界を強くしていくとどこまでも磁化されるわけではなく、ある一定値で飽和する。この値を「飽和磁化」と呼ぶ。その飽和している時点から、逆に磁界を弱くしていくと、磁化はなかなか弱くならず、逆方向の磁界のある値のところで磁化が0になる。この時の磁界の大きさを「保磁力」と呼ぶ。このように磁性体の磁化は、磁界を強くするときと弱くするときとでは別のルートを辿り、特徴的なループを描く曲線になる。この、磁場を逆方向も含め交互にかけた時の磁化曲線を「磁気ヒステリシス曲線」と呼ぶ。縦軸は磁束密度 B = I + μH であり、横軸は H磁場の強さ)である。透磁率μは B = μH で定義されるので、ヒステリシス曲線の勾配が透磁率になる。

このヒステリシス・ループを一回描くごとに、そのループで閉じられた面積に相当する分だけのエネルギーが外部の磁界から磁性体に供給される。その磁気エネルギーはエネルギーに変換される。なお、この飽和磁化は温度が高くなると徐々に低下し、磁性体の元素組成に応じた一定温度で磁性体でなくなる。この温度をキュリー温度と呼ぶ。

関連項目


ヒステリシス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/13 15:03 UTC 版)

ストナー-ヴォールファールト模型」の記事における「ヒステリシス」の解説

ストナーとヴォールファールトは同一磁性粒子ランダムな方向性持って寄り集まった等方的な系のヒステリシス主曲線計算した(図4)。0.5 < |h| < 1の範囲では不可逆変化(一方向矢印)が起こりその他の場所では可逆変化(双方向の矢印)がおこる。規格化され飽和残留磁化mrs保磁力hc も図に示されている。図中央の曲線は初磁化曲線呼ばれるもので、磁場をかける前に系が消磁されていた場合振る舞い表している。ただし消磁それぞれの磁性粒子容易化軸に平行な2つ方向どちらかを同じ確率で向くように行われた仮定した。そのためこの曲線主曲線の上側の分枝下側分枝平均をとったような振る舞いをする。

※この「ヒステリシス」の解説は、「ストナー-ヴォールファールト模型」の解説の一部です。
「ヒステリシス」を含む「ストナー-ヴォールファールト模型」の記事については、「ストナー-ヴォールファールト模型」の概要を参照ください。

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