ヒステリシスロス(タイヤ)
ゴムなどの粘弾性体は力を加えて変形させると、粘性の働きによって変形は力より遅れて生じる。このとき消費されるエネルギーを、ヒステリシスロス(履歴損失)と呼ぶ。タイヤは走行中、接地部でタイヤ全体がたわみ変形することや、路面の小さな凹凸により常に変形、回復を繰り返している。それによってヒステリシスロスが生じ、タイヤと路面の間の摩擦力になるとともに熱に変わる。また、転がり抵抗はヒステリシスロスに比例する。したがって、粘性の大きいゴム、すなわちヒステリシスロスの大きいゴムを用いたタイヤは、グリップがよい反面、転がり抵抗が大きくなる。ヒステリシスロスは、ゴムの粘性の大きさを表すtanδ(タンデルタ)に比例するので、tanδを使って表すこともある。
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