ブイディーティー‐しょうこうぐん〔‐シヤウコウグン〕【VDT症候群】
VDT症候群
VDT症候群
【英】VDT syndrome
VDT症候群とは、VDT(visual display terminal)、すなわちパソコンなどで作業をし、ディスプレイを見続けることが起因なって生じるとされる諸種の健康障害の総称である。
VDT症候群の代表的な症状として、眼精疲労・視力の低下・ドライアイ、肩の凝り、腰痛、あるいは心的ストレスなどを挙げることができる。VDT症候群の原因としては、長時間にわたって同じ姿勢や同じ視線を保つという身体的要因によるもの、単調な入力作業や高度な作業の連続、課せられたノルマに対する脅迫心などによる心的要因(テクノストレス)、あるいは、用いるVDTの明るさが強すぎたり、照明が暗かったり、椅子が体に合わなかったりといった外的要因なども指摘されている。ディスプレイの光に含まれるブルーライトが網膜に負担をかけているという指摘もある。
一般的には、VDTの解消策としてはグレア対策を始めとする利用環境の整備や、あるいは各人が適宜休憩を取るなどの健康面における管理などが効果的であるとされる。なお、VDT作業者の健康管理のあり方について、厚生労働省から「VDT作業のための労働衛生上の指針について」という指針が提示されている。
参照リンク
新しい「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」の策定について - (厚生労働省)
VDT症候群
モニターやキーボードを長時間使うことにより輝度、電磁波、放射線などによる眼精疲労や、長時間作業による腿鞘炎などがデザイナーやオペレーターに起こる現象。
VDT症候群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/01 22:58 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動VDT症候群(ブイ・ディー・ティーしょうこうぐん、英語:Visual Display Terminal Syndrome)とは、コンピュータのディスプレイなど表示機器(総称して Visual Display Terminal、VDT と呼ばれる)を使用した作業(VDT作業ともいう)を長時間続けたことにより、目や体、心に生じる症状。別名はテクノストレス眼症、IT眼症[1]。
主な症状
- 目の症状 - ドライアイ、充血、視力低下、眼精疲労など。
- 体の症状 - 頸肩腕症候群(キーパンチャー病)。首、腰、肩のこり、だるさ、痛み、慢性化すると背中の痛み、手指のしびれなど。
- 心の症状 - 食欲減退、イライラ、不安感、抑うつ症状など。
近くを見る、視線の動きが多いことによって眼精疲労が生じ、上向きになったり、瞬きが減ることでドライアイが生じる[1]。
眼精疲労は作業に対して、疲労回復が少なかったため、回復しにくくなった状態である[1]。読書と比べて、正面や上方を見ることによって目の表面の露出面積が増え、涙の蒸発量が増加する[1]。まばたきを増やす、モニタを低くしたり、室内の乾燥を防止するといった対策が立てられる[1]。2005年の調査では回復可能な目の疲れについて、60%の文献やホームページで「眼精疲労」と言及し、医学的な明確な区別があるこれらの用語が混同されていた[2]。
1980年代の調査では、身体の症状では、目の疲れや、肩がこる、腰や背中の痛みが多い[3]。
予防法
日本の厚生労働省はVDT作業のためのガイドラインを策定している。照明や椅子の工夫、ユーザインタフェースの設計のみならず、入力ミスを修正しやすいソフトウェア設計による緊張感の軽減などと、多岐にわたっている。
長時間の作業を行う際には1時間に10分程度の適度な休息を取り、軽い体操をして体をほぐしたり、遠くの景色を見て眼の疲れを取るなどするとよい。作業環境も非常に重要で、ディスプレイの位置を目の高さよりも低くセッティングしたり、また反射光を抑えるフィルターを装着することも有効である。暗い室内と明るいディスプレイとの極端な差は不快グレアと呼ばれる刺激を長時間もたらすため、著しい明暗の差がないよう室内の照明環境のバランスを保つといった対策が説明されている。
ガイドラインでは、具体的にディスプレイ・入力機器・いす・机等の物理的な環境整備のほか、「一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けること」などを求めている。
1979年にはスウェーデンにて、1980年ドイツ、1981年アメリカ、1983年イギリス、1985年日本でVDT作業に対する安全規定が勧告された[3]。
出典
- ^ a b c d e 四宮加容「パソコン等使用による健康障害(IT眼症) (特集:環境と日常生活)」『四国医学雑誌』第62巻第3号、2006年8月25日、 120-122頁、 NAID 40015157297。
- ^ 山室栄三、三浦正悦、横田等、山崎了司、中野義彦「H101 VDT関連用語の適切な使用 : 「眼精疲労」と「テクノストレス」 : VDT健康影響関連情報の公開(1)」『産業衛生学雑誌』第47巻0、2005年、 421頁、 doi:10.1539/sangyoeisei.KJ00003804055、 NAID 110003839407。
- ^ a b 下田博次「高度情報化社会[第8回]:高度情報化とテクノストレス」『情報管理』第31巻第8号、1988年、 715-723頁、 doi:10.1241/johokanri.31.715、 NAID 130001857868。
関連項目
- 頸肩腕症候群
- Gunnar Optiks - VDT症候群保護用眼鏡の会社
外部リンク
- 「VDT作業における労働衛生環境管理のためのガイドライン」(厚生労働省、2002年4月)
- 田淵昭雄「子どものIT眼症」日本眼科医会
「VDT 症候群」の例文・使い方・用例・文例
- 慢性疲労症候群
- 月経前症候群
- HAP、遺伝性多発神経炎性失調は、別名をレフサム症候群という。
- 吸収不良症候群の理由の1つは、肝臓や膵臓の病気である。
- 彼は溶血性尿毒症症候群として知られる生命を脅かす腎臓の合併症にかかった。
- 過敏性腸症候群の症状によって七人が病院に回された。
- アスペルガー症候群についてあなたに話してもいいですか?
- 私は過呼吸症候群です。
- 月経前緊張 [症候群].
- 後天性免疫不全症候群(エイズ)を引き起こすウイルス
- 「慢性疲労症候群」は「主婦症候群」という軽蔑的な名前で知られていた
- 手根管症候群
- ダウン症候群の、ダウン症候群に関する、または、ダウン症候群にかかっている
- 精神異常とトゥーレット症候群を治療するために使用された精神安定剤(商標名ハルドール)
- 重度の肉離れとパーキンソン症候群を治療するのに用いられる骨格筋弛緩薬(商標名ノルフレックス)
- パーキンソン症候群で震えを軽減するのに用いられる薬(商標名Kemadrin)
- クラインフェルター症候群を引き起こす男性の性ホルモンの異常な補足
- まれではあるが、深刻な子供の症候群で、引きこもり、社会的な反応や他人への興味の不足、重大な言語障害という特徴がある
- ダウン症候群の発生の全体的な確率は、800の出産に対して1である
- 米国の神経科医で、脳と脳下垂体腺の研究で知られ、クッシング症候群を特定した(1869年−1939年)
VDT症候群と同じ種類の言葉
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