1998 KY26
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| 1998 KY26 | |
|---|---|
| 分類 | 地球近傍小惑星[1][2] |
| 軌道の種類 | アポロ群[1][2] |
| 発見 | |
| 発見日 | 1998年5月28日(初観測日)[2] |
| 発見者 | |
| 軌道要素と性質 元期:TDB 2,461,000.5(2025年11月21日)[1] |
|
| 軌道長半径 (a) | 1.229 au[1] |
| 近日点距離 (q) | 0.983 au[1] |
| 遠日点距離 (Q) | 1.475 au[1] |
| 離心率 (e) | 0.200[1] |
| 公転周期 (P) | 497.573 日[1](1.37 年[1]) |
| 軌道傾斜角 (i) | 1.491°[1] |
| 近日点引数 (ω) | 210.004°[1] |
| 昇交点黄経 (Ω) | 84.182°[1] |
| 平均近点角 (M) | 0.983°[1] |
| 前回近日点通過 | TDB 2,460,501.568 (2024年7月10日) |
| 次回近日点通過 | TDB 2,460,999.141[1] (2025年11月19日) |
| 物理的性質 | |
| 直径 | 11 ± 2 m[4] |
| 自転周期 | 5.3516 ± 0.0001 分[4] |
| スペクトル分類 | X[5] |
| 絶対等級 (H) | 26.13 ± 0.16[4] |
| アルベド(反射能) | 0.52 ± 0.08[4] |
| 色指数 (B-R) | 0.083 ± 0.070[6] |
| 色指数 (V-R) | 0.058 ± 0.055[6] |
| 色指数 (R-I) | 0.088 ± 0.053[6] |
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1998 KY26 はアポロ群に分類される地球近傍小惑星である。キットピーク国立天文台で観測を行っていたスペースウォッチプロジェクトによって1998年5月28日に初めて観測され、日本の宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ2」の(162173) リュウグウに次ぐ探査目標に選定されている[7][8][9]。
軌道
1998 KY26 の軌道長半径は約 1.229 au で、約500日かけて太陽の周りを公転している。地球との最小交差距離 (Earth MOID) は約 0.0025 au(約 37.4万 km)しかなく、月軌道(約 38万 km)よりもやや内側にまで達することになる[1]。発見直後の1998年6月7日には、地球から月までの距離の約2倍である約 0.0054 au(約 80万 km)のところを通過している[1]。
1998 KY26 は太陽系の中でも地球から比較的到達しやすい軌道を持つ天体の一つであり、地球から火星への物資の輸送に最適な軌道にきわめて近い軌道となっている。水が豊富に含まれているとされていることから、将来の探査計画で使用できる潜在的な水源になりうる[10]。
物理的特性
1998 KY26の物理的特性の解析はジェット推進研究所の天文学者スティーヴン・オストロ (Steven J. Ostro) を中心とした国際研究チームによって行われた[6]。研究チームは、アメリカ合衆国カリフォルニア州にある電波望遠鏡と同国のカリフォルニア州、ハワイ州、アリゾナ州およびチェコの光学望遠鏡を用いて観測を行った。
1998年に行われた光度曲線の測定では、1998 KY26の直径は約 30 m 、自転周期は約10.7分しかないことが判明し、これは当時知られていた太陽系内の天体では最も短い自転周期で、当時、自転周期が判明していた小惑星はいずれも時間単位の自転周期を持っていた[6]。このような高速自転をしており、短い自転周期を持つ小惑星は「高速自転天体」[7]または「高速自転小惑星」[11]と呼ばれる。多くの小型の小惑星は小さな岩石の塊が集まって形成されたラブルパイル天体であると考えられているが、これほどの高速で自転していることが判明したため、1998 KY26はラブルパイル天体ではなく一枚岩のような小惑星である可能性が示されている[6][12][13]。
2025年には、スペインのアリカンテ大学の研究者である Toni Santana-Ros らによる研究チームは、超大型望遠鏡VLTやジェミニ南望遠鏡、カナリア大望遠鏡などを用いた地上からの観測の結果、1998 KY26 が当初考えられていた推定よりもさらに小さく、かつ自転周期が短いという研究結果を公表した[4]。この研究により 1998 KY26 の直径は約 11 m、自転周期は約5.4分しかないと求められ、後述のはやぶさ2による接近探査をさらに困難なものにする可能性が示されている。また、アルベド(反射能)が 0.52 と高く、明るい表面を持つと判明したことから、別の小惑星の破片が起源となっている一枚岩の塊のような天体であることを示唆する結果であるとしているが、ラブルパイル天体である可能性も完全には排除できないとしている[4][14]。
スペクトル分類においてはX型小惑星に分類されており[5]、広義的には炭素質小惑星に分類される可能性もある[7][8]。光学的観測及びレーダー観測の結果からは 1998 KY26 には水が豊富に含まれていることが示されており、さらなる研究および将来における火星への水の潜在的な供給源として魅力的な対象でもあるとされている[10]。
はやぶさ2による近接探査
はやぶさ2 · (162173) リュウグウ · 地球 · 太陽 · (98943) トリフネ · 1998 KY26
宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は、はやぶさの後継機によるC型小惑星のサンプルリターン対象として 1998 KY26 を候補の1つに挙げていた[15]が、結局、小惑星 1999 JU3(後の(162173) リュウグウ)に向かうことが決まったため、サンプルリターンは実現しなかった。
2020年7月、JAXAははやぶさの後継機である小惑星探査機「はやぶさ2」が地球へカプセルを分離した後に行う「拡張ミッション」の目標天体として、はやぶさ2が探査可能な354個の小惑星の中から、工学的観点と理学的観点に基づく評価により、候補を 1998 KY26 と 2001 AV43 の2天体に絞ったことを発表した[11][16]。そして同年9月、JAXAは熱成立性、イオンエンジンの運転条件そしてシナリオ成立性の状況の総合的判断に基づき、拡張ミッションの探査目標となる天体を 1998 KY26 に決定し、2031年7月にランデブーして 1998 KY26 の近接観測を行う計画を発表した[7][8][9][17]。この拡張ミッションが成功すれば、1998 KY26は直径 100 m 以下の天体および高速自転小惑星の中では史上初めて近接探査された天体となる[7][9]。また、1998 KY26 の直径が先述の通り2025年の研究で下方修正されたが、この大きさは2013年にロシア連邦のチェリャビンスク州に落下したチェリャビンスク隕石の元となった小惑星の推定直径よりも小さく、惑星防衛の面においても、はやぶさ2による接近探査が地球へ影響を及ぼしうる小型の小惑星への理解を深めることになると期待されている[18]。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “JPL Small-Body Database Browser: (1998 KY26)”. JPL Small-Body Database. Jet Propulsion Laboratory. 2020年12月6日閲覧。 (2002-02-17 last obs.)
- ^ a b c “1998 KY26”. Minor Planet Center. 2020年12月6日閲覧。
- ^ “Spacewatch discovery of 1998 KY26”. Spacewatch Project (2004年4月7日). 2010年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月6日閲覧。
- ^ a b c d e f Santana-Ros, T.; Bartczak, P.; Muinonen, K. et al. (2025). “Hayabusa2 extended mission target asteroid 1998 KY26 is smaller and rotating faster than previously known”. Nature Communications 16 (8275). doi:10.1038/s41467-025-63697-4.
- ^ a b “LCDB data for 1998 KY26”. Asteroid Lightcurve Database (LCDB). 2020年12月6日閲覧。
- ^ a b c d e f Ostro, Steven J.; Pravec, Petr; Benner, Lance A. M.; Hudson, R. Scott; Sarounová, Lenka (1999). “Radar and Optical Observations of Asteroid 1998 KY26” (PDF). Science 285 (5427): 557–559. Bibcode: 1999Sci...285..557O. doi:10.1126/science.285.5427.557. PMID 10417379.
- ^ a b c d e JAXA はやぶさ2プロジェクト (2020年9月15日). “小惑星探査機「はやぶさ2」 記者説明会” (PDF). 宇宙航空研究開発機構. 2020年12月6日閲覧。
- ^ a b c “地球帰還後の「はやぶさ2」は2031年に小惑星1998 KY26へ”. AstroArts (2020年9月15日). 2020年12月6日閲覧。
- ^ a b c “はやぶさ2、次の探査先決定 高速自転小惑星へ、11年の旅―JAXA”. 時事ドットコム (2020年9月15日). 2020年12月6日閲覧。
- ^ a b “Astronomy Picture of the Day: Asteroid 1998 KY26”. アメリカ航空宇宙局 (NASA) (2002年9月19日). 2020年12月6日閲覧。
- ^ a b “トピックス - 「はやぶさ2」の地球帰還後の拡張ミッション”. 宇宙航空研究開発機構 (2020年7月31日). 2020年12月6日閲覧。
- ^ Hicks, M. D.; Weissman, P. R.; Rabinowitz, D. L.; Chamberlin, A. B.; Buratti, B. J.; Lee, C. O. (1998). “Close Encounters: Observations of the Earth-crossing Asteroids 1998 KY26 and 1998 ML14”. American Astronomical Society 30: 1029. Bibcode: 1998DPS....30.1006H.
- ^ Pravec, P.; Sarounova, L. (1998). “1998 KY26”. IAU Circ. 6941 (6941): 2. Bibcode: 1998IAUC.6941....2P.
- ^ “Press Release | Can Hayabusa2 touchdown? New study reveals space mission’s target asteroid is tinier and faster than thought” (Press release). European Southern Observatory. 18 September 2025. 2025年10月13日閲覧.
- ^ 藤原 顕. “次期小惑星サンプルリターン計画”. ISAS. 2020年9月26日閲覧。
- ^ “「はやぶさ2」、拡張ミッションで小型高速自転小惑星へ”. AstroArts (2020年7月28日). 2020年12月6日閲覧。
- ^ 「はやぶさ2 直径30メートル新目標/JAXA発表/小天体 世界初観測へ」『読売新聞』朝刊 2020年9月16日(社会面)
- ^ ソラノサキ (2025年9月22日). “直径約11m・自転周期約5分 JAXA「はやぶさ2」拡張ミッション探査対象の小惑星は従来予想よりも小さい?”. sorae.info. 2025年10月13日閲覧。
参考書籍
- Tholen, D. J. (September 2003). “Recovery of 1998 KY26: Implications for Detecting the Yarkovsky Effect (abstract only)”. Bulletin of the American Astronomical Society 35 (4).
関連項目
- (162173) リュウグウ
- (98943) トリフネ
- 2010 JL88・2008 HJ:さらに自転周期の短い天体
外部リンク
- MPEC 1998-L02 - ウェイバックマシン(2008年11月14日アーカイブ分)
- Media Relations Office. Sun never sets, for long, on fast-spinning, water-rich asteroid (press release). Pasadena, California: Jet Propulsion Laboratory. July 22, 1999.
「1998 KY26」の例文・使い方・用例・文例
- 1998年6月23日にいなくなるまで彼女はオークランドに住んでいた
- 彼女は1998年までスペインに住んだ
- ベンチャー企業を対象とした第2店頭株市場は1995年に創設され、1998年に廃止された。
- その病気は最近では1998年に大流行した。
- 彼らは 1998 年の冬季オリンピック大会を長野に招致しようと決議した.
- このクレジットカードは 1998 年 3 月いっぱいまで有効です.
- 軍艦は1998年に使用を中止された
- エジプト、アルジェリア、パキスタン、バングラデシュで上部機構をアルカイダと他の武装組織に提供した1998年にウサマ・ビンラディンによって組織されたテロリストグループ
- (表面上セキュリティ理由のために)1998年に首都とされたカザフスタンの人里離れた都市
- 米国の政治家で、ロサンゼルス初の黒人市長に選出された(1917年−1998年)
- アメリカ人の心理学者(イングランド生まれ)で、多変量研究に基づいた人間行動の広い理論を展開した(1905年−1998年)
- 米国の生化学者で、白血病と痛風の治療薬を開発したことで知られる(1905年−1998年)
- 英国の生理学者で、アンドリュー・ハックスレーとともに、神経インパルスの伝達でのカリウムとナトリウム原子の役割を発見した(1914年−1998年)
- 日本の映画製作者で、日本の民間伝承と、西洋のスタイルの演出法を一体化させたことで知られる(1910年−1998年)
- 米国の俳優(1914年−1998年)
- 米国のテニス・プレーヤーで、1920年代と1930年代に女子テニスの中心であった(1905年−1998年)
- 米国の振り付け師で、クラシックバレエに人間らしい感情をもたらし、ブロードウェイ・ミュージカルを現実的に活気付けた(1918年−1998年)
- 宇宙飛行士で、1961年に初めて米国の準軌道飛行用ロケットで飛行をした(1923年−1998年)
- 米国の歌手で映画俳優(1915年−1998年)
- 米国の小児科医で、保育に関する多くの本が世界の周りの子供のしつけに影響を及ぼした(1903年−1998年)
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