アポロ群とは? わかりやすく解説

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アポロ‐ぐん【アポロ群】

読み方:あぽろぐん

地球近傍小惑星の分類の一。火星より内側地球近傍軌道をもち、軌道長半径が1天文単位上で近日点が1.017天文単位以下の小惑星をさす。名称は1932年にこの群で最初に発見1973年再発見)された小惑星アポロにちなむ。地球近傍小惑星のうち、約5割を占め有名な小惑星として、イカルスイトカワファエトンなどがある。アポロ型小惑星


アポロ群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/28 13:18 UTC 版)

アポロ群の軌道(緑色)。地球(青色)の軌道が丸ごと収まるのがわかる

アポロ群(アポロぐん)またはアポロ型小惑星(アポロがたしょうわくせい、Apollo asteroid)とは地球近傍小惑星のグループの一つ。このグループの小惑星としては最初に発見された (1862) アポロにちなんで名づけられた。

これらは地球より大きな軌道長半径を持つ地球横断小惑星である。地球に非常に近づくことがあるため、潜在的脅威ともいえる(軌道長半径が地球のそれに近いほど、軌道を横断するのに必要な離心率は小さくなる)。

なお、離心率が大きいものだと近日点水星より内側にあったり、遠日点海王星の外側にあったりすることもある。

アポロ群の中で最大の小惑星は (1866) シシュフォスであり、10km前後と推定されている。

主なアポロ群の小惑星

名前 発見年 発見者 直径
(推定:km)
注釈
(1566) イカロス 1949年 ウォルター・バーデ 1.0
(1620) ジオグラフォス 1951年 アルバート・ウィルソンルドルフ・ミンコフスキー 5.11 × 1.85
(1685) トロ 1948年 カール・ワータネン 3.4
(1862) アポロ 1932年 カール・ラインムート 1.5 - 1.7
(1866) シシュフォス 1972年 パウル・ヴィルト 8.2 最も大きな地球横断小惑星
(2063) バックス 1977年 チャールズ・トーマス・コワル 2.6 × 1.1 × 1.1
(2101) アドニス 1936年 ウジェーヌ・デルポルト 0.6 - 1.2
(3200) ファエトン 1983年 サイモン・グリーン、ジョン・K・デイヴィース / IRAS 5.1
(107P/ 4015) ウィルソン・ハリントン 1949年 アルバート・ウィルソン、
ロバート・ハリントン
4.0 彗星・小惑星遷移天体
(4179) トータティス 1989年 クリスティアン・ポラス 4.26 × 2.03 × 1.70 自転軸が2つあり、複雑な回転をしている。
(4183) Cuno 1959年 クーノ・ホフマイスター 2.35 × 1.65 × 1.44
(4486) ミスラ 1987年 エリック・エルスト、ヴラディーミル・シュコドロフ
(4581) アスクレピウス 1989年 ヘンリー・ホルト、ノーマン・G・トーマス 0.3
(4660) ネレウス 1982年 エレノア・ヘリン 1.4
(4769) カスタリア 1989年 エレノア・ヘリン 1.4
(6489) ゴレブカ 1991年 エレノア・ヘリン 0.53 ヤルコフスキー効果が初めて確認された小惑星。
(20826) 2000 UV13 2000年 美星スペースガードセンター 5.0-12.0
(25143) イトカワ 1998年 LINEAR 0.33 探査機が着陸した最も小さな天体。
(29075) 1950 DA 1950年 カール・ワータネン 1.1 2880年に0.044%の確率で地球に衝突する可能性がある。
(53319) 1999 JM8 1999年 LINEAR 7.0 ± 1.4
(54509) YORP 2000年 LINEAR 0.1117 – 0.1151 YORP効果が初めて確認された天体。
(69230) ヘルメス 1937年 カール・ラインムート 0.30 - 0.45 発見後、66年間行方不明だった。
(143649) 2003 QQ47 2003年 LINEAR 1.240
(343158) 2009 HC82 2009年 カタリナ・スカイサーベイ 2.16 地球への相対速度が最大81.05km/sという、最も速い小惑星。
(367789) 2011 AG5 2011年 レモン山サーベイ 0.14 発見当初、トリノスケール1とされていた。
1998 KY26 1998年 スペースウォッチ 0.03
1999 XS35 1999年 LONEOS 2.0 遠日点が海王星より外側にあり、ダモクレス族にも分類される。
2004 XP14 2004年 LINEAR 0.41 - 0.92
2005 HC4 2005年 LONEOS   最も近日点が太陽に近い小惑星。
2007 VK184 2007年 カタリナ・スカイサーベイ 0.13 2014年4月までトリノスケール1とされ、その時点で唯一レベル0以上の天体だった。
2008 TC3 2008年 カタリナ・スカイサーベイ 0.0041 初めて地球の大気圏と衝突する前に発見された天体。隕石も回収された。
2010 JL88 2010年 サイディング・スプリングサーベイ 0.03 発見時、最も自転周期が短い小惑星だった。
2011 CQ1 2011年 カタリナ・スカイサーベイ 0.0012 最も地球に接近した小惑星であり、その際に大きく軌道が変化してアテン群になった。
2011 MD 2011年 LINEAR 0.006
2012 DA14 2012年 ラサグラ天文台 0.045 2013年に地球の静止軌道の内側まで入り込んだ小惑星。
2014 AA 2014年 レモン山サーベイ 0.001-0.004 自動検出により発見されたが、その後、地球の大気圏に突入し消滅したと推定されている。
2015 TB145 2015年 パンスターズ 0.6 2015年10月31日に地球に0.00325 AUまで接近した小惑星。

関連項目

外部リンク


アポロ群

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地球近傍小惑星」の記事における「アポロ群」の解説

詳細は「アポロ群」を参照 軌道長半径が1天文単位上で近日点距離1.017天文単位以下の小惑星。1.017天文単位地球遠日点距離である。アポロ群の小惑星軌道はその半分以上地球軌道外側にあり、地球軌道内側一時入りこむ小惑星と言える。 アポロ群に属す小惑星としては、(1566) イカルス、(1862) アポロ、(2101) アドニス、(3200) ファエトン、(4179) トータティス、(25143) イトカワ、(69230) ヘルメスなどがある。

※この「アポロ群」の解説は、「地球近傍小惑星」の解説の一部です。
「アポロ群」を含む「地球近傍小惑星」の記事については、「地球近傍小惑星」の概要を参照ください。

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