1907年のバーゼルSBB駅
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「バーゼルSBB駅」の記事における「1907年のバーゼルSBB駅」の解説
1902年にスイス中央鉄道は新しく設立されたスイス連邦鉄道(SBB: Schweizerische Bundesbahnen、スイス国鉄)に移行した。これに伴い新しい駅はバーゼルSBB駅と呼ばれるようになり、スイス国鉄最初の大きな建築工事となった。 E.ファエシュとE.ラロッシュが設計した新しいバーゼルSBB駅は、1907年6月24日に営業を開始した。 駅の建物は、国際乗換旅客のために税関設備を併設したバーゼルSNCF駅が西側に建っているため、非常に長いのが特徴である。 非対称な駅舎の外観は当時の連邦建築の代表的なものである。内部は広く天井は高く造られている。建物は中央駅前広場に向けて建てられ、2つの時計塔の間に巨大なテューダー朝様式の窓を備えている。他でもなくバーゼルのターミナル駅であると誰でも容易に認識できる特徴がある。時計塔にある入口を入ると鉄骨製のアーチを備え木を敷き詰めた床のあるメインホールに出る。壁画は1920年代のスイスへの旅行者向けの広告を使っている。宿泊案内所と両替所が壁側にある。かつては手荷物託送や手荷物預かりの窓口がこのあたりにあったが、現在では地下へのエスカレーターや階段の途中付近に移っている。東側では現在の旅行センターで手荷物関連の扱いが行われている。北西側の棟では1等/2等客向けのレストラン(現在はミグロス(スイスのスーパー)になっている)と3等客向けのレストラン(現在は売店になっている)があった。駅はバーの存在で有名であった。しかしながらこうしたサービスは1990年代に次第に取りやめられていった。一部のレストランが残っている他は、こうした空間は綺麗に飾られて様々な商業用途に転用されている。駅前広場から西へ中央駅通り (Centralbahnstrasse) を行ったところに別な入口があり、アルザスへの列車が発着するバーゼルSNCF駅となっている。 プラットホームは方面別に分けて使われており、当初は私鉄時代と同じ配置であった。駅には14の番線があり、頭端式の1~3番線は当初はローカル輸送用であった。4~10番線は屋根で覆われていた。この屋根は1905年にバーゼルのブス社(Buss AG)が提供したもので、幅は93メートル、長さは120メートル(1・2番線)、230メートル(3・4番線)、200メートル(5~10番線)あった。4番線はフランス側の駅に通じておりその先は30番線となっている。フランスの電化方式である交流25000ボルト50ヘルツとスイスの電化方式である交流15000ボルト16.7ヘルツを切り替えることができるようになっている。駅の南側に複線の半地下線がありバーゼル操車場となっている。ムテンツ (Muttenz) とフランスの路線を結び、貨物列車の直通運行を行っている。 半地下に駅全体を掘り下げているため、駅の番線をこれ以上拡張することは難しいものとなっている。しかし、グンデルディンゲン地区への歩行者地下道を延長して南側に11番線と12番線を増設し、さらに2003年にはショッピングモールと14番線、15番線の建設を行っている。これにより1982年のタクトファールプラン(Taktfahrplan)導入とその後のバーン2000計画導入に備えて線路容量を増強している。さらに16番線と17番線を増設する計画が進められており、既に準備は整っている状況である。 2003年には、プラットホームホールの西側の端からメインホールまで線路の上を覆いグンデルディンゲン地区とプラットホームを相互に結びつける新しいペデストリアンデッキが完成している。このショッピングゾーンを備えたペデストリアンデッキは長さ185メートル、幅30メートルで、かつての暗く小さな地下道を置き換えている。地下道は現在では鉄道の運営管理の目的に用いられている。このペデストリアンデッキはスイス国鉄の新しい商業施策"RailCity"の一環である。 ペデストリアンデッキ建設に伴って、鉄道営業案内はメインホールからかつての手荷物扱い所の場所へ移転している。メインホールの旅客サービスカウンターも1987年に撤去されており、これによりメインホールはその広さをより強く印象付けられるようになった。 1998年から1999年にかけてスイス国鉄の発注で新しい信号扱所が建設された。この目立つ建物はヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)の設計によるものである。
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