開発と技術的特徴とは? わかりやすく解説

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開発と技術的特徴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 07:17 UTC 版)

KV-1」の記事における「開発と技術的特徴」の解説

1937年にT-35多砲塔重戦車後継車両開発が、ともにレニングラードにあるキーロフスキー工場第100工場)およびボルシェビク工場第174工場)の2つ設計局命じられた。その結果SMK(キーロフスキー工場)、T-100ボルシェビク工場)と呼ばれる砲塔重戦車競合試作されたが、車体巨大大重量になり過ぎたことにより装甲強化制約をうけたり機動・戦操作困難さ生じるなど、当時すでに多砲塔戦車欠点明らかになりつつあった。 図面モックアップ段階では砲塔が3~5つあった両戦車は、多砲塔戦車懐疑的であったスターリン不興もあって試作段階では2砲塔式に改められた。またキーロフスキー工場では、さらに独自の代替案として、コーチン主任技師麾下にあるドゥホフ技師設計チーム単一砲塔重戦車並行開発着手させた。 SMKT-100、そしてコーチン技師義理の父親で、国防相でもあるクリメント・ヴォロシーロフの名を冠しKV」と名付けられ単一砲塔型の3種は共に試作検討されることになった3種試作車1939年夏までに完成、クビンカの試験場審査が行われたが、機動性でも操作面でもKV優れている報告された。さらにその年の冬フィンランドへの侵攻が始まると、この3種戦車実戦試験のために前線投入されたが、そこでますます単一砲塔KV優位性確認され1939年12月制式採用決定したKV-1その後1942年まで3000両以上が生産され続いて軽量型KV-1Sが翌1943年春まで生産された。 KV並行開発されSMKとは各部デザイン部品共通しており、SMK縮小・単砲塔化型と見ることができる。KV砲塔試作型)はSMK主砲塔とよく似ていて、当初は76.2mm砲と45mm砲を並列装備していたがこれはすぐに76.2mm砲のみに改められた。足回りにはSMK同様スウェーデンのランズベルク軽戦車倣ったトーションバー・サスペンションが採用されていたが、これはもともと冶金工場であったキーロフスキー工場だからこそ導入できた新技術であった転輪および履帯当初SMKと同じものが使われていたが、車体小型化に伴いSMKでは片側8個だった転輪KVでは6個に減らされていた。この初期型転輪は他の普通の戦車違いリム部は鋼製緩衝ゴムリムハブの間に挟み込んで内蔵するという独特の構成であった砲塔上のハッチ一枚だけで、しかも戦車長は装填手を兼ねるため前方移動するので、ここから外部視察不可能だった戦闘中ハッチ下に居るのは補助操縦手整備手で、砲塔後部機銃担当した。後にKV-1Sでは戦車長用キューポラ設置され乗員出入りハッチ位置変更されている。またドイツ軍鹵獲した物の中にはドイツ製のキューポラ設置して視界改善したものもある。 装甲初期の型で砲塔前面90mm、側面で75mm、後期の型では砲塔全周120mm分厚く、特に開戦時にはドイツ軍戦車砲対戦車砲に対してはほぼ無敵誇った。しかし、SMK比べ小型・軽量化されたとはいえ40トン越え車重クラッチトランスミッション過大な負荷を強い、故障損失のほうが戦闘損失より多いこともしばしばだった。さらに行軍時に道路損傷与え、他の戦闘車両通行阻害することも問題視された。後期生産型になるほど装甲強化されたため重量過大による信頼性の欠如深刻化するばかりで、1942年にはついに新型トランスミッション搭載するとともに車体・砲塔ともに設計リファインし、KV基本設計範囲内でできる限り軽量化図ったKV-1S開発され生産移された。 また、76.2mmの主砲当初30.5口径L-11その後31.5口径のF-32、さらに41.6口径ZIS-5生産が進むにつれて漸次強化されていったが、それでも中戦車であるT-34同等重戦車としての存在意義を常に問われることになった主砲改良型KV-1Sでも変わらず、そのためドイツ軍新型重戦車ティーガー登場契機に、より強力な新型重戦車としてKV発展型であるISが開発されることになる。

※この「開発と技術的特徴」の解説は、「KV-1」の解説の一部です。
「開発と技術的特徴」を含む「KV-1」の記事については、「KV-1」の概要を参照ください。

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