長屋王政権とは? わかりやすく解説

長屋王政権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 14:03 UTC 版)

長屋王」の記事における「長屋王政権」の解説

養老4年720年8月藤原不比等薨去すると、翌養老5年721年正月長屋王従二位右大臣叙任され政界主導者となる。なお、不比等の子である藤原四兄弟武智麻呂房前、宇合、麻呂)はまだ若く議政官中納言としてようやく議政官列したばかりの武智麻呂参議房前のみであったため、長屋王知太政官事舎人親王とともに皇親勢力藤原氏圧倒した長屋王政権を握ると、和銅年間から顕著になってきてい公民貧窮化や徭役忌避への対策通じて社会安定化律令制維持を図るという、不比等政治路線踏襲する施策打ち出す養老5年721年3月水害干魃起因する貧窮対策として、平城京および畿内公民に対して1年間の調を免除し、他の七道諸国公民に対して同様に夫役免除する養老5年721年6月前年度発生した隼人蝦夷反乱鎮圧のための兵役負荷軽減対策として、陸奥筑紫公民に対して1年間調・庸免除する戦場死亡した者は、その父子ともに1年間租税免除する養老6年722年2月諸衛府の衛士役務期間が長すぎて逃亡相次いでいたことから、勤務年限3年とし必ず交替させる養老6年722年)閏4月陸奥按察使管内公民調・庸徐々に免除して農耕養蚕勧奨して、馬と弓を習得させる辺境助けるための租税として麻布徴収することとし蝦夷与える禄に充当する陸奥国出身朝廷仕えている者(衛士資人采女など)は全員本国帰国させてそれぞれの地位に戻す。 養老7年723年4月日向・大隅・薩摩各国兵役負荷重く兵役の後に飢饉疫病発生していることから、3年租税免除するまた、長屋王政権における重要な民政策として開田策がある。 養老6年722年)閏4月:秋の収穫後に10日限度として人民賦役させ、官粮や官の調度活用して諸司裁量のもとで良田100万町歩開墾進めこととし故意開墾進めない場合官職解任する百万町歩開墾計画)。 養老7年723年4月人口の増加に伴う口分田の不足に対応するために、田地開墾奨励することとし新たに田地開墾した場合三代目まで、田地手入れして耕作できるようにした場合本人の代のみ、それぞれ田地所有認める(三世一身法)。 この頃律令制支配浸透によって蝦夷隼人では反乱頻発していたが、長屋王朝廷最高責任者として機敏な対処行い速やかな反乱の鎮圧実現している。 養老4年720年9月蝦夷反乱により陸奥按察使上毛野広人殺害されると、連絡受けた翌日には鎮圧向けて遠征させるために持節征夷将軍多治比県守持節鎮狄将軍阿倍駿河らに節刀授けた神亀元年724年3月海道蝦夷反乱により陸奥大掾佐伯児屋麻呂殺害されると、1ヶ月ほどの間に征討軍として藤原宇合持節大将軍高橋安麻呂副将軍任じ、さらに坂東九ヶ国の兵士3万人軍事訓練行った。 長屋王政権における政策特色として、上述のような律令制維持目的とした公民対す撫育救恤策のほかに、官人対す統制強化綱紀粛正策も実施されている。 神亀4年727年2月諸司長官に対して、各官司主典上の官人について、勤務状況良い者と悪い者(最上、次上、中等下等4段階)を選び、その名前を奏上することを命じる。同年3月報告が行われ、最上・次上と判定され官人に対して絁が与えられ下等判定された者は官職解かれた。なおこの際長屋王自身二位最上で絁100疋と、次に多い正三位大伴旅人藤原武智麻呂ら)の最上である40疋の倍以上が与えられと見られる神亀5年728年3月これまで外位対象外であった中央官人に対しても外五位叙位を行うこととし、その位禄蔭位位階について定めた同年5月中央官人に対して実際に五位叙位実施した

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