銀行家と執筆活動とは? わかりやすく解説

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銀行家と執筆活動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 01:05 UTC 版)

吉田満」の記事における「銀行家と執筆活動」の解説

入行した日本銀行では、行員自主運営文芸誌行友』、従業員組合雑誌花の輪』、営業局の『わかあゆ』、日銀退職者ら「旧友会」による『日の友』などが発行されており、吉田新人行員時代ら行内文芸誌『行友』の編集委員務めその後編集長として続けた吉田最初に配属され統計局の上司には、河合栄治郎門下人物アララギ派歌人でもあった外山茂がおり、吉田相談相手となっていた。 吉田勤務地は、1957年昭和32年)から約1年間ニューヨーク駐在経験したほか、大阪支店調査役などを経て1965年昭和40年10月から青森支店長1970年昭和45年10月から仙台支店長、1973年昭和48年10月から国庫局長などを歴任し1975年昭和50年11月には監事にまで昇進したこうした銀行家として職務並行し『戦艦大和ノ最期』列伝的な作品「臼淵大尉場合――進歩への願い」(1973年)や、太田孝少尉実名中谷邦夫)を題材にした「祖国敵国の間」(1974年)を文芸誌季刊藝術』にそれぞれ発表1977年昭和52年2月には文京区千石自宅原因不明火事により全焼してしまうハプニング見舞われたものの、その年の11月には書き下ろしで『提督伊藤整一生涯』を刊行したまた、吉田学徒出陣戦没した学徒兵らの言葉をしばしば引用しながら、彼らの胸の内を同じ世代生き残った人間として痛恨の思いとして受け止め自身随筆発表する活動続けた。 私はいまでも、ときおり奇妙な幻覚とらわれることがある。それは、彼ら戦没学徒亡霊が、戦後二十四年をへた日本の上を、いま繁栄頂点ある日本の街を、さ迷い歩いている光景である。(中略)彼らが身を以て守ろうとした“いじらしい子供たち”は今どのように成人したのか。日本の“清らかさ、高さ、尊さ美しさ”は、戦後世界にどんな花を咲かせたのか。それを見とどけなければ、彼らは死んでも死にきれないはずである。(中略)彼らの亡霊は、いま何を見るか、商店店先で、学校で、家庭で、国会で、また新聞トップ記事に、何を見出すだろうか戦争死んだ時の自分と同じ年頃青年男女見た時、亡霊何を考えだろうか。(中略戦火によごされた自分たちの青春ひきくらべ、今の青年たちが、無限の可能性与えられ、しかもその恵まれた力を、戦争のためではなく社会発展のために、協力のために、建設のために役立てうることをしんから羨み自分たちの分まで頑張ってほしいと精一杯声援を送るであろう。と同時に、もしこの豊かな自由と平和と、それを支え繁栄成長力とが、単に自己の利益中心に快適な生活を守るためだけに費やされるならば、戦後の時代は、ひとかけら人間らしさ与えられなかった戦時下時代よりも、より不毛であり、不幸であると訴えであろう。 — 吉田満戦没学徒遺産」 その他、吉田戦中派キリスト者としての数多く随筆評論発表しながら、戦中戦後の日本問題点非戦への思い訴え晩年には経済団体金融機関招かれ講演活動行ない55歳となった1978年昭和53年7月に、『日本銀行職場百年』の編集委員委託された。キリスト者吉田はその年の4月随筆で以下のような思い綴った。 肉の重荷負った人間は、美し抽象的な「平和」そのものを、生きることできないそれぞれにあたえられ役割果たしながら、「平和」を求めて自分鞭打つことだけが、許されているのである。 — 吉田満青年生と死

※この「銀行家と執筆活動」の解説は、「吉田満」の解説の一部です。
「銀行家と執筆活動」を含む「吉田満」の記事については、「吉田満」の概要を参照ください。

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