部隊概要
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国際消防救助隊は各消防本部の特別救助隊や特別高度救助隊などから選抜された隊員により編成され、隊員の多くは特別な訓練を受け、電磁波人命探査装置など高度救助資機材にも精通している。東京消防庁の消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)を中心に編成される場合が多く、他の消防本部が当番制であるのに対し、東京消防庁のみは常時派遣可能な体制をとっている。 同部隊は海外で大規模災害発生時に被災国の要請を受けた政府が国際協力機構(JICA)の調整の下に編成される国際緊急援助隊の救助チームの一員として被災国に派遣され捜索救助にあたる。なお、救助チームとして直接救援活動に従事するほかにも、国際緊急援助隊専門家チームとして被災地の情報収集や防災関係者への救助技術の指導等にあたる場合もある。 同隊のシンボルは、緑色の地球儀を背景に略称である「JF IRT」、下方に”握手する二つの手”の描かれたワッペンである。略称のIRTから「愛ある手」とも呼ばれている。しかし、国際緊急援助隊の派遣に関する法律の施行に伴い、現在は国際消防救助隊も国際緊急援助隊救助チームの一員として消防・警察・海保の混成チームで活動する事や派遣に対して国際協力機構から活動服が支給されるために実際に現地で活動する際はIRTのワッペンではなく国際緊急援助隊の青色を背景に日本国旗と「Japan Disaster Relief Team JDR」と書かれているのがワッペンを付けている。 なお、国際緊急援助隊救助チームは2010年に国連人道問題調整事務所が主催する国際都市型捜索救助チームの能力評価において、最高レベルの救助能力評価である「ヘビー級チーム」の認定を受けた。
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部隊概要
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大規模災害のみに出動するわけではなく通常は他の救助隊と同様に一般災害に出場して救出救助活動を行っている。 都内の救助活動に加えて、国内で大規模災害が発生した際には緊急消防援助隊、海外で大規模災害が発生した際には国際緊急援助隊救助チームの国際消防救助隊(IRT)として派遣する体制を常にとっており、東京消防庁派遣隊員は同部隊中心の人選になる事が多い。 国際消防救助隊(IRT)については当番の消防本部から派遣されるが同部隊のみは常に派遣する体制である。 隊員は特殊な状況下での救出を想定し、技能講習を修了してホイールローダーやパワーショベルなどの大型重機 や、ダイヤモンドカッター、災害現場で行方不明者を探査するファイバースコープ、電磁波人命探査装置「シリウス」、画像探査装置(ボーカメ)など、様々な高度救助資機材を使用する。 救助に支障をきたす障害物があればコンクリート破砕器作業主任者の有資格者によるコンクリート破砕器を使った爆破まで行う事も可能。 隊員は任務によって機動救助隊、機動救急救援隊、機動特科隊、機動科学隊に分けられている。 第八消防方面本部消防救助機動部隊は、立川広域防災基地内に配置されており、航空救助連携隊として同じく所在する東京消防庁航空隊のヘリコプターと連携した救助・救急活動にも対応している。そのために山岳救助に出場する機会も多い。なお、第八本部以外の消防救助機動部隊も全部隊が航空連携降下指定隊及び機動航空連携隊として航空隊のヘリコプターと連携した救助・救急活動にも対応している。2016年には航空隊に空からの救助を専門に行う航空消防救助機動部隊(エアハイパーレスキュー)を創設し、高層建物火災や孤立地域での救助活動に対応する。 第三消防方面本部と第九消防方面本部はNBC災害対応部隊であり隊員のほとんどが化学災害などの資格者であり、第六消防方面本部においては水難救助隊資格者を配置し都市型の大規模水害やスイフトウォーターレスキュー(急流救助)など水面上の水難救助活動も担当している。山岳地域を管轄する第九消防方面本部もスイフトウォーターレスキューを担当している。 各隊にJPTECを受講し、特定行為の訓練を受けた救急救命士 を配置することで、医療機関に搬送する以前に可能な限り救急処置を行い、傷病者が早期に社会復帰できるよう考慮している。大規模災害時には膨張テントを建てて応急救護所を設置する。 上記のように救助に支障がある障害物に対して重機などによる除去や開拓から、応急救護所を設置して多数の負傷者に応急処置を施すまで一連の流れをすべて行える自己完結型の部隊である。 2004年に発生した新潟県中越地震では、緊急消防援助隊として派遣され、崩落現場において埋没車両から地震発生から92時間後に、生存者(当時2歳の幼児)を救出した。この活躍によりハイパーレスキューは一躍有名になった。 総務省消防庁は、新潟県中越地震やJR福知山線脱線事故などの教訓や、新潟県中越地震での消防救助機動部隊の活躍から、消防救助機動部隊と同様な高度な救出救助能力と装備を持つ部隊が全国的に必要と考え、2006年4月1日に全国の中核市消防本部等に「高度救助隊」を、特別区(東京都が該当)及び政令指定都市消防本部等に「特別高度救助隊」を整備する事を決定した(東京都も設置基準のために消防救助機動部隊は特別高度救助隊の位置付けとなる)。全国版ハイパーレスキュー隊と言える。 各消防局は消防救助機動部隊を参考としたためにこれらの部隊には「スーパーレスキュー」や、「ハイパーレスキュー隊」などの通称名が付けられている。名古屋市消防局特別消防隊(名古屋市の特別高度救助隊)、北九州市・広島市・浜松市・岡山市消防局の特別高度救助隊の通称名は消防救助機動部隊と同じ「ハイパーレスキュー」である。 2011年に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東日本大震災では被害が甚大であった宮城県気仙沼市や岩手県陸前高田市などで消火・捜索・救助活動を行ったほか、地元消防本部からの要請で千葉県市原市のコンビナート火災、政府からの要請で福島第一原子力発電所事故で冷却機能が失われた使用済み核燃料プールへの放水活動を行った(ともに最終的に緊急消防援助隊として活動)。派遣撤退後も福島原発に屈折放水塔車や特殊災害対応車、スーパーポンパーなどの車両を東電に寄付している。 東京消防庁の特別救助隊(レスキュー隊)はオレンジ色(橙色)の活動服(救助服)の左肩と救助車にホースと筒先で囲まれたスイスで救助犬として活躍したセントバーナード犬のバリー号が描かれた青色の紋章を付けているのに対して、消防救助機動部隊はオレンジ色の(救助服)と救助車には重機を意味するフック付きワイヤーで囲まれたセントバーナードが描かれたゴールドの紋章が付けられている。 ただしNBC災害に対応する第三方面及び第九方面本部消防救助機動部隊の場合はオレンジ色の活動服左肩のセントバーナードの紋章は他の消防救助機動部隊と同じであるが車両の紋章は化学防護衣にセントバーナードが描かれた紋章となる。これにより特別救助隊と消防救助機動部隊の見分けがつく。 消防救助機動部隊はベテラン隊員が中心に選抜されているために平均年齢が30代半ばと特別救助隊と比べて高い。 航空消防救助機動部隊(エアハイパーレスキュー)の詳細については航空消防救助機動部隊を参照。
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