連続ドラマ版の貞子
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1999年の連続ドラマ版『リング〜最終章〜』『らせん』に登場する貞子。貞子を含め、周囲の人間関係などの設定がもっとも大きく変更されている。貞子はもちろん人間としての素顔を見せる。 『リング〜最終章〜』では、死亡前に「劇団飛翔」の団員、森山修平との間に男児をもうけており、それが「高山竜司」であると設定されている。また、彼女が死亡する井戸は箱根パシフィックランドや伊豆のペンションではなく、東和泉女子学園の校舎内に存在している。「呪いのビデオ」は松崎ナオのミュージッククリップ「白いよ。」の映像になっており、パソコンで解析することで隠されたメッセージを読み取る仕掛けとなる。期限は1週間(7日)から13日に変更されている。ビデオの内容は原作と映画版を足したものになっている。 文化人類学者の高山竜司の姓が違うのは養子先の高山家の人間であるためで、彼も超能力を持ち、その能力の一部でライバルの金田裕二教授を呪殺する。また、彼の血液が貞子のリングウィルスのワクチンの材料になる伏線がある。高野舞との関係は義理の兄妹となっており、恋愛感情が原作より強くなっている。原作では過去に故人であった伊熊平八郎が記録フィルムという形で自分の体験を残しており、竜司・舞を養育したり舞に催眠暗示をかけたりしている。貞子の母、山村志津子は老婆になるまで伊豆大島で生存しており、間接的な元凶である山村敬一郎に納屋に幽閉されている。伊豆大島を尋ねた浅川和行や吉野明子に貞子のことを伝えた後、敬一郎により殺害され、その死体は三原山で自殺の道連れにされる。 貞子自身の描写は、現代での「劇団飛翔」の女性に憑依したり、過去の事件での犠牲者が増えたりといった変化がある。貞子を殺した元凶である長尾城太郎は前記の森山が入院した際に登場し、現代では浅川の知り合いの宮下理恵子の勤める病院の上司の教授となっている。偶発的に強姦した原作と異なり、森山を人質に貞子に肉体関係を迫る悪人となっている。生き残った原作と違い、浅川らに真相を暴露された後、貞子に呪殺される。また貞子の夫である森山修平は、病院に入院している。浅川と対面した後、貞子宛ての手紙を浅川に託した。その後、長尾と製薬会社の陰謀により医療用チューブが外され死亡する。浅川は最初の犠牲者の1人、岩田秀一の死の現場に居合わせることになる。さらに貞子は半陰陽者(睾丸性女性化症候群)ではない。原作と違い、『らせん』で登場するリングウィルスに対抗するワクチンが開発され、呪いのビデオは根絶されることになる。 『らせん』での大きな変更点は、呪いのビデオに変わり、「RING」(340544)のパスワードで開く「呪いのCD-ROM」と貞子と結託する黒幕である「黎明館医科大学」医学助教授織田恭助こと看守の東健一とヒロイン相原夏美の勤める「科学捜査研究所」総科学部長・陸田博である。細胞だけの状態でも活発に活動する。 貞子は「呪いのCD-ROM」を介して出産した女性の肉体(その際、女性に悪夢を見せ追い詰める)をコピーし、成長後本人を抹殺する。なお、原理は不明だが本人の死体は消滅する。男性の場合、その場で死亡。貞子がコピーしたのは安藤満男の勤める青葉学園女子高校の生徒・西島久美子の姉のOL西島美咲、TVレポーターの高村典子、最終的に前作から事件を追っていた高野舞となる。本人同様、超能力を使えるが、コピーした女性の体質まで受け継いでしまう。美咲の場合、彼女の持つ植物アレルギーで死亡する。出産の際、赤い月が出現する。また、細胞の急激な成長による老化現象を起こしており、当初は自然に自滅するかに思われたが黒幕の東の手により復活する。彼女の遺骨を取り出し復活させた陸田いわく「細胞だけでも生きようとする執念・怨念」。彼女の細胞の一部を移植すると動植物を急成長させる超能力を使えるようになる。ただし、動物や人間は肉体しか成長させることはできない。陸田の協力者、今西聖司はこの能力を利用して狭戸村で暗躍することになる。また、場合によってはその内容を実現させる予言能力を持ち、東健一(織田恭助)はこれで自称ノストラダムス研究家の河合徹の存在を利用する。貞子や東健一(織田恭助)の要求は「呪いのCD-ROM」の内容を日本全国に放送して広めること。半陰陽者ではないため、メカニズムは不明だが、一人で出産する能力を持ち、安藤孝則、安藤満男を出産する。原作と違い、孝則は満男が貞子の要求を退けるため死亡する。満男自身も肉体の寿命で死亡する。高野舞の姿の貞子は最後、自分を殺害しようとした陸田を殺害した後、ビルから転落し死亡して怨念も消滅する。 安藤満男の妻美和子は原作と違い離婚しておらず、孝則を事故で失ったショックで記憶喪失になり精神病院に入院している。後に貞子に事実を告げられ逆上して満男を襲うが正気を取り戻し和解する。 陸田博がかつて少年を集めて行った実験で看守役であった東健一(織田恭助)は、貞子と直接結託しており、囚人役の4人「織本弘明」「有田剛三」「小山恭男」「宮島敬助」の凶悪犯を利用してさらに4人の名前から1文字ずつ取り偽名に使用した。少年期の実験の際は囚人役の坂上順二、井上正和を同じく4人に殺害させる。東は貞子も体良く利用していたつもりだったが、彼女に自分の死の瞬間(事故による爆死)を予言されておりそれで彼もまた逆に利用されていたに過ぎなかった。
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