變性とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 学問 > 学術 > 医学 > 變性の意味・解説 

へん‐せい【変性】

読み方:へんせい

[名](スル)

性質などが変わること。また、その変わった性質

倫理の情は度々の経験積んで—せる私利心なり」〈田口日本開化小史

たんぱく質アミノ酸配列そのままで、立体構造変化すること。熱などの物理的あるいは化学的刺激によって起こり、ふつう生物的な活性低下するまた、核酸二本鎖の水素結合が切れ、一本鎖になること。

細胞代謝障害によって、異常物質産生されたり形態的変化したりすること。


変質、変性

【仮名】へんしつ
原文alteration

元の状態と異なる何かに変化すること。

変性(へんせい)

性質異常に変ること。蛋白質の変性。

変性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/28 05:22 UTC 版)

変性(へんせい、英語: denaturation)とは、性質が変化すること。特に異常に変化する場合を指すことがある。また、その変化した性質そのものを指す。

変性(生体高分子)

生体高分子の変性とは、ポリマーの二次構造が破壊されることを言い、核酸タンパク質などの生体高分子は高次構造を失い変化することである。核酸やタンパク質の三次構造が壊れた状態はランダムコイルに近いが、このような、生体高分子の変性の結果である状態を変性した状態と呼ぶ。原因としては(高温、極度の低温や凍結)、アルカリ界面活性剤、有機溶媒や、変性剤と呼ばれる化学物質、あるいは圧力超音波や攪拌などがある。

タンパク質水素結合疎水結合イオン結合などにより高次構造(二次~四次構造)を保っているが、これらが破壊され特徴的な折りたたみ構造を失うと変性する。タンパク質変性剤には、水素結合を破壊する尿素やグアニジン塩、疎水結合を破壊するドデシル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤がある。酵素は変性すると触媒作用を失い、その他のタンパク質も機能を失う。かつてはタンパク質の変性は不可逆と考えられていたが、多くのタンパク質では変性剤を徐々に取り除くなどの方法で正しい構造を取り戻すこと(再生)が可能である他、生体内にはシャペロンと呼ばれる折りたたみを助けるタンパク質が報告されている。(「タンパク質の熱力学的安定性」の項を参照)

タンパク質の変性は食品の加工にもよく用いられる。例えば肉や卵の加熱調理、豆腐やヨーグルトの凝固、ゼラチンの製造(コラーゲンを熱変性させて作る)などである。

核酸は、核酸塩基の間の水素結合により二次構造(DNAの二重らせん構造やRNAの特徴的な折りたたみ構造)を保っている。この水素結合が破壊されると変性が起き、DNAでは二重らせんが2本の一本鎖に分離する(DNAの巻き戻しを参照)。

変性は熱力学的に相転移の性質を示すことがある。特に核酸の熱による変性は、一定の温度(配列によって異なる)で急激に起きるため融解とも呼ばれ、逆に融解した核酸の温度を徐々に下げて復元させることを再生または再結合あるいはアニーリング(英語:annealing 金属加工の焼きなましの意)もしくは再アニーリングと呼ぶ。

変性(アルコール)

アルコールの変性とは、エタノールに飲用防止のためメタノールなどを混入する意味である。


変性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/08 15:22 UTC 版)

核酸」の記事における「変性」の解説

核酸蛋白質などの巨大分子に起こる現象一つで、一般的に二次上の構造関係している非共有結合交互作用破壊指し核酸場合では二本鎖から一本鎖変換意味し慣用的融解といわれる。変性の化学的外因紫外線、熱、加圧攪拌酸・塩基溶媒イオンなどである。これらのような刺激与え続ければ核酸螺旋構造(以下、単に螺旋構造といえば二重螺旋二次構造指し螺旋分子といえばその構造持った核酸分子意味する)は解けてゆき、最終的に平行していた鎖が完全に解離し一本鎖となるだろう。この遷移所要時間をその螺旋構造安定性といえる。鎖の解離対向塩基間の水素結合切断によって進行するが、G/C塩基対3本結合より、A/T塩基対の2本の塩基対破壊が容易であることは明らかである。スタッキング相互作用安定性関わるが、それは − Δ G 37 ∘ {\displaystyle -\Delta G_{37}^{\circ }} の項で詳述するまた、溶液イオン強度にも影響を受ける。螺旋分子主鎖には負電荷を持つリン酸基があり、2本の鎖上のこれらの負電荷互いに近くにあるので、遮蔽されていなければ同士反発させようとし、分離促すイオン濃度が高いと、陽イオンによって負電荷遮断し螺旋安定化される。 G/C含量増えるたびに、また溶液イオン強度強くなるたびに、変性にかかる時間増加する溶液イオン濃度(他に温度pHなども)を一定保てばこの時間塩基組成依存するので、測定により、その螺旋構造安定性定量化することができる。安定性指標として主に、温度pH塩基組成からの計算などがあり、それぞれTmpHm、 − Δ G 37 ∘ {\displaystyle -\Delta G_{37}^{\circ }} と表す。以下にそれぞれの詳細記述する

※この「変性」の解説は、「核酸」の解説の一部です。
「変性」を含む「核酸」の記事については、「核酸」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「變性」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「変性」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



變性と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「變性」の関連用語

變性のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



變性のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
がん情報サイトがん情報サイト
Copyright ©2004-2025 Translational Research Informatics Center. All Rights Reserved.
財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター
日本酒日本酒
(c)Copyright 1999-2025 Japan Sake Brewers Association
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの変性 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの核酸 (改訂履歴)、神経病理学 (改訂履歴)、小脳 (改訂履歴)、変性 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS