訴訟一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 08:05 UTC 版)
ドンキーコング裁判(ユニバーサル・シティ・スタジオ対任天堂裁判) 1982年、ユニバーサル・スタジオは任天堂の『ドンキーコング』が『キングコング』の商標権と著作権を侵害しているとして訴訟を起こした。1975年、ユニバーサル・スタジオとRKOとの訴訟で『キングコング』のプロットはパブリックドメイン にあると判示されていることから、ユニバーサル・スタジオは商標権と著作権を持っていないことが判明。1984年、消費者が『ドンキーコング』と『キングコング』を混同することもないとして、アメリカ連邦控訴裁判所は任天堂勝訴の判決を下した。また、任天堂からユニバーサル・スタジオに対する反訴となる損害賠償請求訴訟についても、1986年にアメリカ連邦控訴裁判所が任天堂勝訴の判決を下している。 アタリ・テンゲン裁判(英語版) Nintendo Entertainment Systemには、任天堂のライセンスを受けていないソフトウェアの動作を防ぐロックアウト機構が搭載されていたが、1988年に著作権局からソースコードを得たアタリはロックアウト機構のリバースエンジニアリングを行って、ライセンス外のソフトウェアの動作を可能にしている。任天堂はアタリの著作権侵害を主張してアタリはフェアユース を主張して訴訟を行った。1992年、任天堂の主張が認められてアメリカ連邦控訴裁判所は任天堂勝訴の判決を下した。 競争法抵触 1983年、任天堂は日本における1980年から1982年頃の電子玩具の販売活動 について私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)違反として公正取引委員会の排除勧告審決を受けた。2002年、ヨーロッパで任天堂と現地の卸売業7社がゲーム機とゲームソフトの並行輸入を妨害したとして、欧州委員会が任天堂らに対して合計1億6,780万ユーロの課徴金の支払いを命じた。首謀者と認定された任天堂は、このうち1億4,912万8,000ユーロの支払いが課せられた。 ゲームジニー裁判(英語版) 1990年、Nintendo of Americaは「Nintendo Entertainment System」用のチート機である「ゲームジニー」が任天堂の著作権を侵害しているとして、製造元であるLewis Galoob Toys, Inc.に販売差し止めを求める訴訟を起こした。アメリカ連邦地裁は仮差し止めを認めたが、1991年にゲームジニーは著作権を侵害していないとして仮差し止め命令を破棄。連邦控訴裁判所も地裁を支持して任天堂の訴えを退けた。また、仮差し止めによる損失の賠償としてLewis Galoob Toys, Inc.に対する1,500万ドルの支払いを命じられた任天堂は、この金額についても争ったが、連邦控訴裁判所は再び退けた。 マジコンによる著作権侵害被害 ニンテンドーDSで不正にプログラムを動作させる「マジコン」と呼ばれる装置について、任天堂およびソフトメーカー49社は販売業者に対して各地で著作権被害を訴えて訴訟を起こした。被害総額は全世界で4兆円近くとも試算されている。2013年7月、東京地裁で任天堂の勝訴が下された。2016年1月、最高裁で上告が棄却されて任天堂の勝訴が確定。 株式会社マリカー訴訟 2017年2月24日、任天堂は公道カートのレンタルサービスを行う株式会社マリカー(現商号:株式会社MARIモビリティ開発)に対して賠償を求める訴訟を東京地裁に提起した。任天堂は株式会社マリカーがマリオカートの略称として知られる「マリカー」の標章を会社名に用いていることに加えて、マリオなどの衣装の貸与やその衣装の宣伝、営業利用などを任天堂に無断で行っていることが不正競争行為及び著作権侵害行為にあたると主張している。2018年9月27日、地裁判決で被告会社に対して衣装の貸与の禁止など不正競争行為の差止と損害賠償金の支払いなどが命じられた。2020年1月29日、知的財産高等裁判所において5,000万円の損害賠償金の支払いと不正競争行為の差止などを被告会社に命じて終局判決が下された。その後、控訴審判決に対して被告らから上告受理の申し立てがなされたが、2020年12月24日に最高裁判所第一小法廷において本件を上告審として受理しないとする決定が下された。これにより、知的財産高等裁判所において被告会社に対する不正競争行為の差止等および被告らに対する5,000万円の損害賠償金の支払いを命じた控訴審判決が確定。 コロプラ訴訟 2018年1月10日、任天堂はスマートフォンアプリ『白猫プロジェクト』を開発、運営しているコロプラに対して「タッチパネル上でジョイスティック操作を行う際に使用される特許技術」などの、合計5件の特許侵害があるとして『白猫プロジェクト』のサービス停止と44億円の賠償を求める訴訟を東京地裁に提起した。2016年10月、任天堂は特許侵害を指摘し、交渉していたが決裂したという。時間経過を理由に請求額は5.5億円増額され49.5億円となっていたが、コロプラは2021年4月21日に任天堂が時間経過を理由にさらに請求金額が96.99億円に引き上げられたと発表。その後、2021年8月4日にコロプラが今後のライセンス使用も含めた和解金33億円を支払ったことを発表し、本件の和解が成立した。 違法ROM配布サイト訴訟 2018年7月19日、任天堂およびNintendo of Americaは海外のゲーム用ROM配布サイト「LoveROMS.com」と、「LoveRETRO.co」の運営者に対する訴訟をアメリカのアリゾナ州にある合衆国地方裁判所に提起した。当該サイトでは歴代の任天堂ハード用ROMやハードのBIOSを無断で配布しており、任天堂は著作権侵害、商標権侵害、不正競争を提訴の理由に挙げている。侵害されたゲームごとに15万ドル、各商標の侵害にあたり最高200万ドルの賠償金を求めており、損害賠償金は1億ドル規模になるとみられている。 派遣労働者からの正規雇用をめぐる訴訟 2018年から任天堂に紹介予定派遣として派遣され、総務部で保健師として勤務していた女性2人が、上司にあたる産業医からのパワーハラスメントで関係が悪化したのを理由として正規雇用されなかったとして、2020年9月8日に任天堂を相手取り地位確認や損害賠償などを求めて京都地方裁判所に提訴した。紹介予定派遣における雇用拒否をめぐる訴訟は日本国内では初のこととなる。
※この「訴訟一覧」の解説は、「任天堂」の解説の一部です。
「訴訟一覧」を含む「任天堂」の記事については、「任天堂」の概要を参照ください。
- 訴訟一覧のページへのリンク