へいこう‐ゆにゅう〔ヘイカウユニフ〕【並行輸入】
並行輸入
並行輸入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 20:24 UTC 版)
海外商品を輸入する際、商品製造会社の子会社や正規の契約を結んだ代理店が輸入・販売するのではなく、他の業者が輸入すること。個人輸入代行も並行輸入に含まれる。輸入ルートが2つ並行することから、並行輸入(Parallel import)と呼ばれる。非正規ルート。なお、製造元や正規代理店が並行輸入業者に対し圧力をかけるなど販売を妨害する行為は、独占禁止法に抵触する可能性がある。 物価や為替が安い別の国で商品を購入し、正規の価格より低い価格で販売することがある。また小売なり在庫品処分なりの商品を他業者や他人が一度購入して輸入するため、一種の中古品でもある。正規の販売ルートと比べて商品管理や品質保証などがされない場合がある。また商品管理がされなかったり輸入に時間がかかったりすることがあるため、型落ちや前シーズンなど現行品より古いものが流通することがある。また低価格であれば良しとしたり、正規の流通で制限している、反社会的勢力などの集団にも商品が流通することがある。 日本においては正規代理店が商標を専有して使用できるとして並行輸入業者に対して輸入の差し止めを行うことができたが、1971年からは合法となった(パーカー万年筆事件:大阪地判 昭和45年2月27日 無体裁集2巻1号71頁)。フレッドペリー事件においては、最高裁も同じロジックで違法とした(最一小 平成15年2月27日 判タ1117号216頁)。 また正規代理店が並行輸入品をメンテナンス拒否など差別的に取り扱う場合、その態様、効果によっては独占禁止法上違法な行為となる。ただし正規代理店が自社顧客の優先などの対応を採ることは、直ちに独占禁止法上問題となるものではない。非正規代理店が修理等を自ら行うことが著しく困難な状況、かつ正規代理店に他社のメンテナンスを行う余裕があると認められた場合のみである。かつては輸入車正規ディーラーで並行輸入車のメンテナンスや部品手配は受け付けられなかったが、現在では前述の理由等により問題なく行われる場合もある(輸入車も参照)。かつて自動車用ホイールメーカーであるドイツのBBSにて輸入しようとする商品が生産国と日本で特許を有しており、日本におけるその並行輸入品の流通は特許権の侵害にあたるとして正規輸入元が並行輸入業者を訴えた事件があった(BBS事件)。 本来は正規品(真正品)を正規代理店とは別のルートで輸入・販売することだが、近年は並行輸入と偽り偽造品を販売しようとすることがある。販売国によっては正規代理店そのものが存在しない場合もある。大手の輸入代行サイトでも多数の偽造品が販売されており、それを輸入した非正規代理店が多く存在するため注意が必要である。
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