突然の放送終了
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 18:45 UTC 版)
「ダウンタウンのごっつええ感じ」の記事における「突然の放送終了」の解説
改編期でもない1997年11月2日、番組は最終回を迎えた。発端は9月28日、番組は2時間枠で「お母様もぜひお子様にオススメしてあげてくださいスペシャル」を放送する予定だったが、その前日にプロ野球・ヤクルトが優勝までのマジックナンバー「1」となったことから、フジテレビ側は急遽、セ・リーグ優勝決定試合の中継放送に差し替え、『ごっつ~』スペシャルの放送を翌週に変更することを決行した。しかし、放送予定日の3日目に番組の人気キャラクター「エキセントリック少年ボウイ」のCD発売を行ない、それに合わせたライブイベントの模様など、CD発売と連動した番組内容であったこのスペシャルは、松本にとって「その日に放送しなければ意味がないもの」だった。また、その差し替えがフジテレビや吉本から事前の連絡なしに行われたこともあり松本は激怒、それ以前からスタッフの怠慢によるトラブルが度重なっていた側面も加わり松本の不満が爆発、以降HEY!HEY!HEY!以外のすべてのフジテレビ系列の番組出演を次々ボイコットし、松本とフジテレビとの関係が悪化していった。この手打ちとして、番組の打ち切りが決定したのであった。 なお、延期された「お母様もぜひお子様にオススメしてあげてくださいスペシャル」は翌々週放送し、その後、急遽ダウンタウンが不在のまま制作された2週にわたるコントの傑作選を最後に、番組は約6年の歴史に終止符を打った。このとき、スポーツ紙などではダウンタウンや松本が出演するフジテレビの全番組が終了すると報じられたが、松本はフジテレビ自体には恨みがないため、他番組の変動は全く無かった。 打ち切り決定後、最終回までの2回でコント傑作選の編集を担当したディレクターの小松純也も、番組がいつか復活することを願い、最終回エンディングの映像を放送第一回のオープニング「恋のマジックポーション」とした。オープニング映像の最初と最後の間に歴代レギュラーの名場面を挟み込み、最後に再び第1回のオープニング映像に戻るという構成で本番組のレギュラー放送は幕を閉じた。ちなみに歴代レギュラー名場面の順番は以下の通りである。 今田耕司(コント『西日本番長地図』) 板尾創路(『シンガーソングライダー板尾創路』(1)) 蔵野孝洋(コント『トカゲのおっさん第二部・修行篇』(2)) 東野幸治(『キャリー東野のアイドル虎の穴』・対T-BACKS戦) YOU(『ご存知!ハマダ芸能社物語・アイドルスカウト騒動!の巻』) 篠原涼子(コント『電撃パフォーマンスドール』) 西端弥生(『熱血AD宣言!ウエストサイドストーリー・スポンサー接待はツライ!の巻』) 山田花子(コント『親方』) 吉田ヒロ(コント『たまにはヒロくん』) 伊藤美奈子(『ブリッジ・女子高生編』) 松雪泰子(コント『ラッキー!』) ダウンタウン(『SEPPUN DOJO』(1)) 浜田は1998年11月19日放送分のNHKBS2『新・真夜中の王国』にて「やめるって決めたんは2人で決めた事やから」「松本のワガママでやめたわけでもなんでもない」と語り、「松本の身勝手で番組が打ち切りになった」とする新聞や雑誌の報道により松本ばかりが槍玉に挙げられてしまっていたことに対して、松本への同情とメディアへの怒りを示し、浜田もまたスタッフへの数年間にわたる不信を持っていたことも語った。対決コーナーでスタッフが安全確認を怠ったことがあり、一度目は松本が激怒、二度目は浜田が(松本が怒ってどうしようもなくなると判断し)怒りながら鉄扉を蹴ったために足を骨折し、以降しばらく浜田はギプスと松葉杖姿で各レギュラー番組の出演を続けていた。 こういった同情のコメントをしている浜田だが、2021年6月25日放送の『人志松本の酒のツマミになる話』での松本の回想では、1995年下半期以降『H Jungle With T』等含めた個人活動が増えたこともあり、放送枠が当時裏番組であり視聴率合戦で終了に追い込んだ『元気が出るテレビ』と被っていた事やH Jungleを当番組のコントで酷評されるなど、不満が溜まり「コントをやりたくない」と発言。それを引き摺る様にガキの使いのフリートークを放送時間の半分の15分で帰るなど身勝手な行動が見受けられ、松本は浜田の負担の掛からないコントを考え、いくつものパターンでの誘導も考えていたが最終的に浜田が固辞し、事前連絡無しの野球中継差し替え事件の際フジテレビ上層部との話し合い時には松本が苛立ちが増し当番組の終了の決意を固めた際浜田は他人事の様に『まあまあ…』と雑なフォローをしていた手打ちとしてダウンタウン自身の関係が数10年以上悪化していった。 本番組の構成作家であり、ダウンタウンの友人である高須光聖も、放送室での松本との回想トーク、小松との対談で打ち切り事件発生前後の制作現場の状況を語っている。松本が番組を辞めると言い出した時、高須は辞めたら駄目だと説得。「『ごっつ』を辞めれば、吉本的にもえらいことになるし、多分俺らが思ってる以上にこれは大きなことで、それは松本自身の怒りを使っての駆け引きをするとか交渉ができるとか、そんなレベルの事じゃないと。なにより、俺はもうこれ以上週刊誌とかにあること無いことダウンタウンが叩かれるための要因を作りたくなかったのよ」と語っている。しかし松本は「その場の感情だけで言うてるんちゃうから」、「俺がお笑いに対して、どれだけ強い想いを持って毎週『ごっつ』を作っていたか。それを、今辞めることで伝えられるはず」と固辞。「きっと何年後かには、この事件が過去のものになって、『あぁ、あの時、だからこんな決断をしたんだ』って、思ってもらえるようになる日が必ず来る。だから、今辞めることは、必要やねん。これから何年かはどうなるか分からんけど、でも、今、必要悪やと思うから」と高須に語ったという。 本放送終了後、DVDは発売されているものの番組の再放送や配信は行われていない。理由として上述の打ち切り騒動や、前述の通り過激化した描写から現在の放送コードに抵触するためとされる。横浜市の放送ライブラリーにはレギュラー放送の第1回放送分が収蔵されており、こちらは無料で視聴可能である。 フジテレビにおける日曜20時台の放送枠では、2004年1月から浜田司会の『ジャンクSPORTS』が枠移動のかたちで放送開始され、2010年3月まで続いた。そして、特別番組として3回放送したダウンタウン司会の『爆笑 大日本アカン警察』が、2011年春改編より日曜日20時台でレギュラー放送されることになり、浜田にとっては1年ぶりに、松本及びコンビとしてはおよそ13年半ぶりに同枠へ復帰することになった。2011年7月9日に放送された『テレビを輝かせた100人』において本番組の映像が放送され、「エキセントリック少年ボウイ」、「キャシィ塚本」、「放課後電磁波クラブ」などが紹介された。 2022年5月5日放送の「ダウンタウンDX」(読売テレビ制作・日本テレビ系)でダウンタウン・今田耕司・東野幸治・130Rが集結し、当時のエピソードが披露された。
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