福島県庁の調査・誘致活動とは? わかりやすく解説

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福島県庁の調査・誘致活動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 07:31 UTC 版)

福島第一原子力発電所」の記事における「福島県庁の調査・誘致活動」の解説

この間福島県庁東京電力とは別に独自に原子力発電事業可能性について調査実施していた。松坂清作によると、福島県庁調査研究始めたのは1958年である。これに先んじて1952年には、当時福島県であった天野光晴浜通り長塚(双葉町)出身)が、福島県庁建て替え寄付為に当時東京電力常務であった木川田一隆中通り梁川出身)を訪問した。これにより、天野木川田が親密になり、東京電力の原子力発電所が長塚誘致される要因になった1958年当時福島県知事佐藤善一郎中通り福島市出身)であり、天野光晴福島県議から国会議員転身し、後に福島県知事転身する木村守江浜通りの四倉出身)は当時国会議員であったが、浜通り夜ノ森周辺自治体より産業誘致相談を受け、東京電力社長木川田に話してみたところ、「原子力発電所好いではないか」との回答得た。しかし、木村誘致姿勢を示すと木川田は曖昧な態度取り1961年になって木川田の側から用地について取りまとめ依頼してきたという。当時双葉町であった田中清太郎によれば当時放射能対すアレルギー浜通り無かったものの、発電所建設下見のため木村佐藤善一郎木村守江前任知事)が視察にやってきた際は目立つハイヤーではなくジープ用意してきた。当時大熊町長・志賀秀正によれば、県の企画開発課から人が来た際にも、風体山師のように装っていたという。 『福島県第18巻』によると外房沿岸砂丘地帯連なり強固な地盤無かったこのため立地適地関東沿岸北上し、「東海村近く」の「茨城県北部より宮城県南部の当福島県海岸は、非常に好適地」と見なしている。県庁実施した調査結果からは、県内海岸地帯が(1)小名浜周辺波立海岸周辺松川浦周辺除いて単調、(2)人口希薄(3)30m程度断崖になっていた、の3点から適地であると判断し、旧標葉郡の3か所を選定した大熊町双葉町跨がる地点 双葉町 浪江町 この調査結果1959年某日東電常務会でも田中直治郎より報告され木川田は買収前提お忍び現地視察命じた。また『福島県第18巻』によると、浜通り送電線建設コストでも北東北適地よりは有利であったまた、福島県庁当初東北電力にも打診したが、当時は奥只見水力発電所開発終了したばかりで供給力過剰気味であったため、乗り気ではなかったという。県庁提示した調査結果はいくつか不足の点があったため、東京電力追加調査を県に依頼した。これを受け1961年発足したばかりの県開発公社では工業用水調査航空撮影調査地質調査などを実施した1963年には大熊町原子力発電所建設する意向内定した。 これと併行して、福島県庁1960年5月日本原子力産業会議加盟した知事佐藤企画開発部動員して綿密な科学的調査実施させた。企画開発部にて調査研究担当したのは技師に就いていた酒井信夫(後福島公害防止センター長)だった。当時酒井次のような方針立てて調査実施した人間知識防止できるものは、最高水準知識を使う。 人間考えられる異常な現象をも組み入れ設計すること。 当時酒井関心誕生したばかりのBWR安全性確保出来かどうか向けられており、調査焦点もそこに絞り込まれた。原子力産業会議に県が参加したのは調査のための情報収集目的としており、同会議通じて各国レポート政府当局電力各社動向などをモニターし、1961年には国際原子力会議にも出席して資料収集続けた。 なお、県側の情報収集については酒井個人役割強調するコメントもあり当時担当した職員一人は「酒井主査原子力産業に関する情報独力でかき集めていました。(中略)庁議にもかけ県首脳部了解得て地域開発一環として東京電力に話を持ち込んだのです。東京電力話し合いしましたところ、あそこに水が出るなら、考えてもいいということになったんです。それで開発公社資金利用して酒井君に地下を掘らせたんです」と述べている。 福島県庁より正式に誘致申入れたのは1960年5月であったという。その後佐藤病死により公示され選挙戦勝利した木村守江佐藤方針踏襲し福島県1961年9月より東京電力交渉始めた9月30日には双葉町議会10月22日には大熊町議会誘致議決した発電所誘致には両町議会全員賛成であった。もっとも、恩田勝亘によれば町議達には東電からの猛烈な接待攻勢かけられたとしている。

※この「福島県庁の調査・誘致活動」の解説は、「福島第一原子力発電所」の解説の一部です。
「福島県庁の調査・誘致活動」を含む「福島第一原子力発電所」の記事については、「福島第一原子力発電所」の概要を参照ください。

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