神叉関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/28 06:09 UTC 版)
渡辺満 かつての「神叉」総会長。通称ナベさん。元々は一兵隊だったが、実力で頭を倒しトップを簒奪した。その圧倒的な実力とカリスマ、そして狂気染みた暴力性で「神叉」を関東屈指の暴走族に伸し上げた。また、親に虐待され続けていた冬木の心の支えになったなど、温和な面もある。しかし、自身が起こす暴走族同士の戦争が仲間を傷つけているだけだと何時しか気付き、和を大事にする夏目に後事を託して表舞台から去る。だが、寄り添って共に生きてきた実弟の武が死んでからは豹変。武の死が事故にも関わらず、殺害されたと思い込み狂気に取り付かれる。そこへ五十嵐から「夏目が花神で力を蓄えて革命を企んでいる」とそそのかされ、夏目へのリンチを指示するも、鉄の策によって鉄との殺し合いに移行するが、夏目を殺害してしまう。弟のように想っていた夏目を図らずも自らの手で殺してしまったという罪の意識から、逮捕・出所後の彼は腑抜けた人物と化していた。だが、これらの武勇伝やカリスマ性から「家族」内でも密かに恐れられ、どこか違和感のあった状態であり、それが同時に周平の憧れの対象として見られていた。緒方の自害後、一時は「家族」に身を寄せるが、酒が入った際にはかつての狂気染みた性格が表に出てしまい、自らが夏目に伝え、鉄が作り上げた「家族」を自分が壊してしまうことを危惧して自ら離れていった。だが、かつての恋人・美也と再会し、「五十嵐の家族」に身を寄せるようになる。そこでもかつての性格が出たものの鬼と化した五十嵐に敵わず、「五十嵐の家族」における上下関係の確立と、お飾りとしての存在として扱われるようになる。「家族」同士の最終抗争と同時期、美也から自身の子れんの存在を打ち明けられ、自分自身に向き合い、五十嵐・青木に殺意を抱いて立ち向かう。 若林美也 若林れんの実母。かつての渡辺満の恋人。渡辺が逮捕後、れんを産み、挫折の繰り返しで絶望の淵に居た青木新を支えながら暮らしていた。一時は青木と籍を入れていたが離婚。「家族」から離れた渡辺と再会し、腑抜けた彼を這い上がらせることを誓う。「五十嵐の家族」に迎えられるが、実際は青木から「れんを殺す」と脅しかけられており、渡辺を「五十嵐の家族」に引き込んだのもこのため。 粒谷 元「神叉」メンバー。17歳の頃に親から捨てられて、保田という男性に面倒を見てもらっていたが、彼の工場を勝手に辞めてサラリーマンになった模様。主任にまで昇進したらしいが、「家族」を抜ける際に恩人である保田のことを「うんざり」「これ以上おやっさんのために人生を犠牲にするのはまっぴら」と言い捨て、鉄達から制裁された。家庭も持っていたのだがそれが原因で崩壊、ギャンブルに溺れて借金を抱えた挙句、会社での居場所もなくなる。そのことを五十嵐に利用されてナオミを犯し、激昂したあつしに殺害された。 祖我 元「神叉」メンバー。鉄がトップの頃の下っ端で現在は覚醒剤に溺れたジャンキー。梅とは元々親友だったのだが、花神町に引っ越してからはヤンキーの世界で輝く鉄達に憧れて「神叉」入りした。しかし梅の舎弟が鉄達幹部が極秘で遊んでいたところを襲撃し、全て祖我に擦り付けられて「神叉」での居場所がなくなってしまう。その後、キリやナオミと同学年の真由美と恋人関係になり、学校も辞めて家庭を築き上げる。が、最初の子が死産してしまい、そこから下り坂の人生になってしまう。真由美が二度目の妊娠で男子(信ノ助)を出産に成功するも、母子共にそのまま蒸発してしまい、鬼になる決意をする。真由美を殺害して信ノ助を奪うも、良心の呵責から義母の下に置き、以降生きた死体と化す。そんな中、「家族」を作り上げた鉄達を見かけ、復讐を梅の元舎弟(鉄達を襲撃して祖我に擦り付けた張本人。後に真相に気づいていた祖我に殺害される)と共に計画。親友である梅に匿われているという立場を利用してアケミと周平を拉致し。アケミをレイプするが、激怒した周平が鉄の息子であることに気付き殺害しようとする。鉄が連れ出してきた信ノ助を目の当たりにして自身の行動が逆恨みであることを気付き、鉄からも諭されて戦意喪失し、そのまま逮捕される。 冬木忍 暴走族「玉華連」の元トップ。現在は苧環町の養護施設で働いている。傷跡のある顔ながら、施設の子供達から慕われている。両親から虐待されて育ち、11歳の頃に渡辺満と出会い彼を慕って、同じ高みである関東トップの暴走族を目指そうとする。そのため取り付かれたように暴れまわり、「神叉」すら圧倒していた。鉄達がキリ達の妊娠を機に「神叉」を解散し、自然と関東一の暴走族の座を手にした。だがそこに憧れであった渡辺の姿はなく、幼少より培われてきた彼の両親に対する殺意が剥き出しになる。殺害実行の直前、偶然遭遇した鉄に半ば強引に引っ張られる形で周平の出産に立会わされる。それにより自身の心の闇から解放され、殺意を放棄する。しかし、日を重ねることに再び両親への殺意が大きくなっていき、ついに両親の殺害を慣行してしまう。その後は罪の意識から悔やみ続け、渡辺の実子である非常に自分と似た境遇であるれんを自分自身と重ねて育てていた。れんには煙たがられているが、れんに友人(周平)が出来たことを自分のことのように喜んだり、本当の家族のように愛情を注いでいる。また、成長した周平を見て思わず感激していた。れんが自身と同じように、道を踏み外させないために自ら青木の殺害を決意している。 渡辺武 渡辺満の実弟で五十嵐の親友でもあった。故人。兄から溺愛されていたが、兄の威光を傘に来た小者であり、この立場を利用してナオミをレイプしたが、これによりキレたあつしに五十嵐共々殴り倒された挙句、逃げ出そうとしたところをタクシーに刎ねられ事故死した。この事件が「神叉」の歯車を狂わせてしまう。 夏目裕二 かつての「神叉」十九代目頭。幼少の頃、酒浸りの父と男狂いの母親に嫌気が刺し、非行に走ろうとしたところをドンばーに見つかり、それが切っ掛けでドンばーのアパートに入り浸ることになる。そこで鉄と知り合い、初めて「家族」と言うものを知った。鉄とは相当悪さを繰り返していたとのこと。そのため、自分で世の中のカタチと関係のない「家族」を作ることを夢見ており、和を大事にしていたのもそのため。渡辺満のカリスマに惹かれると同時に恐怖も抱いており、武の死後豹変した渡辺を正すべく、自らの手で渡辺を倒すつもりだった。しかしそれを五十嵐に逆手に取られ、五十嵐一派からのリンチを受ける。鉄が夏目を救うべく「武殺し」の名乗りを上げて、夏目のリンチから鉄と渡辺の殺し合いに移行するが、形勢不利に陥った鉄を庇い首を切られ、死亡。享年18。彼の生き様は鉄達に多大な影響を与えた。
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