現代神道学とは? わかりやすく解説

現代神道学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 20:03 UTC 版)

神社非宗教論」の記事における「現代神道学」の解説

現代神道学においては元史料を元にして議論進められており、以下のような学説落ち着いている。 葦津珍彦によれば島地黙雷によって建白された「教導職治教、宗教混同改正ニツキ」の中にある、以下の文言によって生じたとする。当時仏教者の主張によれば戒律によらず、自らの説を主張する神道者宗教とは言えないという事表している。つまり、戒律先にあって、その戒律の中で育まれたものが宗教であるという主張である。 そしてその説は、仏教であった日蓮の以下の言葉でも裏付けられる。減劫御書にある「智者とは世間の法よリ外に仏法行ず」と一致している。 原文神道ノ事ニ於テハ、臣未タ之ヲ悉クスル能ハスト云へドモ、決シテ所謂宗教タル者ニ非ザルヲ知ル。(中略朝廷百般制度法令、皆悉ク惟神の道ニ非ルハナシ。(中略)決シテ宗教ノ事ニ非サルヘシ。然ルニ神道者流之ヲ曲解シ、自家ノ説ヲ主張他説圧伏セントス。 現代語訳 仰せ神道の事については、人びと未だに万能であると言えども決しいわゆるところの宗教者ではないことを知っている。(中略)朝廷における様々な制度法令全て惟神の道ではない。(中略)決し宗教の事ではない。よって、神道者流儀をもってこれを曲解し、自らの説を主張し他の説圧迫しようとしている。 原文は、島地黙雷全集1巻所蔵の「建言 教導職ノ治教宗混同改正ニツキ」である。 1898年2月22日発出された内務省社寺局通達による「教宗派の教師神社に於て布教するを得ざる件」の中における下線部以前行為禁じた事によるもの具体的には、神社布教禁止令である。 原文 教宗派ニ属スル教師ニシテ神社ニ於テ布教ヲ為ス者往々有之哉ニ相聞ヘ候処、右ハ神社ヲ以テ宗教混同スルノ嫌アリ神社管理上甚タ不都合ニ候間以後神社ニ於テ右等ノ所業無之様取締方特ニ注意有之度命ニ依リ此段申進候 現代語訳 教宗派に属す教師にして神社において布教為す者は往々にして居る、そしてこれを聴き及んでいる所である、右は神社を以て宗教混同する嫌いがある神社管理はなはだしく不都合である。以降神社において右に示したような所業が無いようにこれを取締る方法、特に注意有り都合上この度命令によりこれを申しつたえる。 原文は、「法令全書 明治三十年」内に収蔵されている。及び、その成立に関する資料は「東京大学法学部研究室図書室」に所蔵されている「内務省神社局資料」などを参照されたい。 1882年内務省発出した「自今神官教導職兼補ヲ廃シ葬儀ニ関係セサルモノトス此旨相達候事」(内務省第一号)により、神職教導職からはずし、葬儀への関与禁止することにした。神主には「神明奉仕」に専念させ、祭祀儀礼のみを行わせることにしたのである三条の教則によって神道国民教化図ってきたこれまでの方針からすれば、本来教導職の最も中心部隊であるべきはずなのだが、その神職には「国民教化させない」という一八〇度の方針転換をした。神社葬式関与しないのは、「神は汚れを嫌うからである」と、神道太古からの慣習あるかのように述べられることがあるが、実際に幕末神道への改宗者獲得していく上で神葬祭を行うことが大きなになってきたものであり、現在でも教派神道葬儀執行するし、皇室神道においても神葬祭が行われている。この通達は、神主は「説教」をせず、日本人にとって宗教そのものである「葬儀」にも関与しないから、「神社宗教ではない」という偽装理論構築するための措置であった神社非宗教論国家神道支え基本的論理であるから、この通達国家神道体制出発点であると考えられている。とする。 原文は、「法令全書 明治十四年」内に収蔵されている。 中島三千男によれば、非宗教国家祭祀道徳というたてまえの下に「改変させられ神社神道=国家神道 一 上伊勢神宮から下は郷村社に至るまで、その活動宗教ではなく国家祭祀として位置づけそのことによって国家神社との結合合法化し、その上でこの神社体系国家主義的天皇主義的イデオロギー国民への注入媒体装置として活用することを意図したもの

※この「現代神道学」の解説は、「神社非宗教論」の解説の一部です。
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