松竹蒲田時代とは? わかりやすく解説

松竹蒲田時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 08:34 UTC 版)

清水宏 (映画監督)」の記事における「松竹蒲田時代」の解説

1922年11月頃、父の在米時代知人有島武郎玄関番つとめていた関係から、小山内薫紹介され栗島すみ子口利き松竹蒲田撮影所入社池田義信監督助手として付くが、先輩助監督成瀬巳喜男がいた。翌1923年小津安二郎松竹入社し清水小津終生親友となる。関東大震災のため、蒲田スタッフは、1923年下半期京都に移る。 1924年6月見丈夫とともに監督昇進7月入社して2年経たずにまだ21歳若さで『峠の彼方』で監督デビューを果たす。当時においても異例若さであり、新人時代は、山村田舎田園風景背景にして若者たち失恋と恋の衝動多く描いてセンチメンタルな作風だったと言われている。山の話ばかり撮るため、「山監」と呼ばれたこともあった。 1924年9月、前蒲田撮影所長の野村芳亭京都行きに従って柳さく子大久保忠素らと下加茂撮影所移った下加茂入社したばかりだった田中絹代が、清水監督した牧場』(1924年)で主演デビュー果たしその後田中絹代恋に落ちて結婚しようとする。スター女優なりかけていた田中絹代公に結婚という訳にいかず、城戸四郎撮影所長から「試験結婚」を勧められ1927年同棲するが、喧嘩絶えず、1929年破局した。1930年清水伊豆下田名妓結婚するが、子どもはなく養女迎えている。 仕事面においては1925年7月蒲田復帰し若きメロドラマ作者として将来嘱望された。作品歴においてはメロドラマのほか、流行した新聞小説映画化旅芸人放浪者など旅する人々描いた小さな物語ペーソスのあるコメディなど多様な作品量産して精力的に働いた松竹一の早撮り多作家となり、デビュー10年目にして既に100作品近く映画監督した撮影所入社以来多忙をきわめ、当時、「急がされると良いものができる」とまで言われた。 元号昭和となった頃、親友小津安二郎とともに1930年代ソフィスティケートされた松竹蒲田モダニズム担った清水小津年齢が同じで、二人ともやんちゃモダンボーイだった。この時期清水のスマートで都会的なモダニズム代表作に、北村小松脚本岡田時彦及川道子主演した恋愛第一課』(1930年)などがある。 1930年代初め流行新聞小説映画化したメロドラマ商業的に成功したため、若手監督として撮影所長の城戸四郎からフレッシュさ認められ手際のいい商業映画監督として重宝がられた。 特に、『大学若旦那』(1933年)に始まる「大学若旦那シリーズ」で明るく朗らかな笑い提供し清水は、このシリーズ成功によって松竹現代劇娯楽映画代表する監督となった主演には、清水と体型が似た慶応ラグビー出身藤井貢あたったが、このシリーズは、清水オリジナルアイデアであり、スポーツ花形選手でもある下町老舗若旦那が、恋とスポーツ活躍する朗らかでスマートなコメディである。シリーズ全般通して坂本武吉川満子武田春郎三井秀男松竹脇役俳優たちが、朗らかで暖かい笑いをみせて、非常に面白映画として当時観客喜ばせたと言われている。 都会若者たち商業映画を撮る一方で清水は、早くから伊豆など自然のロケーション好んで山村港町舞台旅人たちへ共感感傷現世倦怠感無常叙情的に描くオリジナル小品作っていった。特に、主人公は、モダン粋な感じ流れ者の女が多く、その流転する人生はかなさ見守るように描いた

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