日本陸軍の乾パンとは? わかりやすく解説

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日本陸軍の乾パン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 03:32 UTC 版)

乾パン」の記事における「日本陸軍の乾パン」の解説

1877年西南戦争発生した。この時、海軍戦闘用糧食であったハードビスケット」、略称ハービスを参考とし、乾麺麭が非常糧食として採用された。分類非常用予備食料で、携行量は一食分を2枚とし、計6であった1890年6月24日-6月30日まで肉入乾麺麭試験された。試験機関第三師団軍医部であり、名古屋営戍(えいじゅ病院にて看護学修得19名、2班により実施された。試験内容前記日程において肉入乾麺麭および湯茶のみを飲食するのである1班定時飲食し、もう1班不定期に飲食した。肉入乾麺麭1枚100g、牛肉混入され焼き上げられており、2枚一食分である。この乾パン極めて硬く、1食に30-40分を要しまた、食べるためには一日平均1,707ccの湯茶を必要とした。また、これは日本人味覚合わず連続して飲食し得るものではなかった。 1895年日清戦争において乾パン改良施された。これは西南戦争中に使用され大型乾麺麭小型化採用したのである経緯として主戦場となる中国大陸では乏しく食べにあたり水の必要な糒(ほしい)に代る食料必要だったことが上げられる日本陸軍凮月堂小型ビスケット製造指示与えた。しかし、凮月堂のみでは生産が間に合わず地方各社また、一般菓子屋動員された。この乾パンの名称は戦時ビスケットである。この製品は後に重焼麺麭へと改良された。 1904年6月から7月にかけ携帯口糧試験が行われた。既存携帯口糧は糒・牛缶・食塩使用され、うち、糒が主軸となっていた。これを改めビスケット用いるよう希望されていた。そこで大ビスケットと小ビスケット、糒(ほしい)が試験された。試験目標以下の通りである。 栄養が完全であること。体力維持する要素を含むこと。 重量容積ともに可能な限り小さくまた、携行に便利であること。 経時劣化せず、また、直に食べた際に手数要しないこと。 佳味、または佳味の食となること。しかし、佳味過ぎるのは浪費されるために適さない補給し易く、かつ価格可能な限り低廉であること。 西洋陸軍では乾パン同時にスープ提供されたが、日本軍では汁類の配給が行われず、完全なビスケット食には移行しなかった。結局日露戦争中は糒と重焼麺麭両方とも用いられた。 日露戦争後、重焼麺麭乾麺麭に名称変更された。理由は重焼が重傷通ずるとして嫌われたためである。また、戦争後に、乾麺麭は以下のような欠点指摘された。 連続して食べるには単味過ぎる。 食べる際に飲料が必要である。 携帯中に容易に壊れる。また、水分があると容易に溶解する品質改良官民協力して行った麺麭小麦粉粘度低く焼き上げた後に衝撃加えると容易に壊れた。そこでヨーロッパ産の小麦粉使用しまた、国産小麦粉にも粘度の高い品種使用した。ほか、品質配合製造工程防湿などに改良加えられた。新型乾麺麭戦闘用いられたのは青島要塞攻略戦である。 大正期に入ると『戦用糧食製造法大要』がまとめられた。大正5年には携帯糧食内容整った。これらの製造陸軍糧秣本廠、また、指定民間会社担当した民間製品陸軍糧秣本廠が検査行い合格したものを買い上げた。この時点での乾麺麭規格次のようなものである原料 小麦粉米粉胡麻砂糖食塩馬鈴薯ホップ 規格 2個で1食となる。60個を箱に収容する。箱は木製で、内部ブリキ内張施している。ちなみに1梱包が24.75kg、うち正味内容量が13.5kg。箱の寸度は縦67cm、横38cm、高さ42cmである。 1931年乾麺麭従来大型のものからドイツ軍糧食ハードビスケット参考小型化され、1食は225g、金平糖同封された。これらは袋に包装され日中戦争以降軍用食料の国民への普及意図された。そこで陸軍糧秣本廠の外郭団体として糧友会が組織され携帯口糧一般販売開始した1934年当時乾麺麭市価は1食分15銭である。 1938年、『陸軍戦時給与規則細則改正』により乾麺麭は以下のように規定された。 小麦粉主体として製造包装乾麺麭220g、金平糖10gを木綿袋に収容する。口を四つ折りにし、糸で閉じた。寸度は幅145mm、深さ225mmである。梱包はまずブリキ箱に66食を収容密閉の後、木箱収める

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「日本陸軍の乾パン」を含む「乾パン」の記事については、「乾パン」の概要を参照ください。

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