日本陸軍のワンタイムパッド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 20:44 UTC 版)
「ワンタイムパッド」の記事における「日本陸軍のワンタイムパッド」の解説
太平洋戦争中に陸軍は、ワンタイムパッドを無限式乱数(または特乱)と称して採用した。開発と採用に、釜賀一夫が貢献している。第一線部隊で全面採用された結果、「第一線部隊の暗号は弱い」との常識を覆した。戦後、GHQ尋問官は、この暗号を理論解読することができなかったことを彼に示唆した。 乱数は前線の暗号兵が袋に入れた乱数カードを引き出すハイハット方式で逐次作成するのを原則としたが、実際には暗号兵が思いついた数字を書き出していく「フリーハンド」方式も併用された。 暗号兵が乱数を作成し、カーボン複写紙で2部作成した。盗写対策として、各ページを黒紙と綴じ糸でマスクした。使用済みのワンタイムパッド(ページ)は、焼却処分した。未使用部分は、敵に捕獲されても問題なしとされ、玉砕時にも処分されなかった。陸軍の通信体系では通信相手が限定されているので、ワンタイムパッドの印刷・配布も実現できた。 ワンタイムパッドを捕獲した米兵からは、俗に「トイレットペーパー」と呼ばれた(価値がなく、一度使用したら捨てることから)。
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