方法と段階とは? わかりやすく解説

方法と段階

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:01 UTC 版)

脱植民地化」の記事における「方法と段階」の解説

脱植民地化政治的な過程であるが、しばしば暴力的闘争を伴う。状況極度に緊迫すれば、革命続いて独立戦争生じ場合もあるが、より一般的に大きな流れとして、交渉決裂し小規模な騒乱起こり、これが警察や軍によって鎮圧され、更に過激な反乱へと拡大し交渉に次ぐ交渉重ねられ最終的に独立保証されるという展開をとる。例えフランス領インドシナでは独立戦争発生したが、フランス領西アフリカの(マグリブ諸国を除く)一部の国では暴動交渉繰り返しによって脱植民地化図られた。また稀な場合ではあるが、インドの例などでは、現地民側は非暴力立場をとり、暴力占領側から抑圧や、独立によって不利益を被ると感じ少数派現地民の政治的反抗の手段として用いられている。脱植民地化過程は、新たに独立する国の「事実上」の政権が、国際社会より「法的」な主権国家として認められてはじめ完遂される独立外部勢力からの刺激実際的援助なしに達成することは困難ではあるが、このような援助を行う動機はさまざまである民族宗教一にする国家からの被抑圧民への同情起因する場合もあれば、強力な国家が、覇権争った敵対したりしている国家勢力弱めたり自身勢力範囲拡大するための戦略的行為として植民地解体試み場合もある(アメリカによる西半球全体への戦略であるモンロー主義など)。 第一次世界大戦以後国際世論植民地解放賛成傾き国際連盟による植民地解放への制度的な集団的取り組みが行われ、国際連盟規約第22条に基づき多く委任統治領がおかれた。これは名目上はこれらの地域における自治政府設立準備目的としていたが、実際ドイツとオスマン帝国主とする敗戦国旧植民地支配権再配分に過ぎなかった。この再配分制度国際連合にも引き継がれており、日本を含む第二次世界大戦敗戦国旧植民地委任統治領支配調整を行うために信託統治制度がおかれた。 ジブラルタルフォークランド諸島など一部植民地では、植民地状態を継続することを住民投票により選択している。また、一部では、旧宗主国が、自身支配体制弱体化した後に、植民地における経済軍事などの負担削減するために積極的に脱植民地化進めた事例もある。 帝国の拡大縮小歴史の常であるが、近現代脱植民地化という現象はいくつかの点から史上まれにみる結果生み出したといえる。すなわち現代においては、ある国家植民地事実上支配法的な支配権放棄した場合には、通常はその旧植民地別の覇権国家吸収されるということはない。更に、旧宗主国は、多く場合単に国家として存続し続けているだけではなく旧植民地との間に強い政治的文化的連係保ち大国としての地位維持し続けているのであるこのような連係通して皮肉なことに旧宗主国帝国のかつての権益主要部分保持し続け、しかもそのためのコスト削減することに成功している。脱植民地化要求に対して往々にして宗主国側の抵抗があるものの、結局のところ脱植民地化結果旧宗主国権益を守るものとなっているのである脱植民地化一回歴史的事件によって達成されることは稀であり、通常宗主国から与えられたり、闘争によって獲得される段階的な解放積み重ねによって進行していく。その段階には例えば、諮問投票による代表選出制や、ある程度自治制度の導入がある。脱植民地化最終段階は、形式上外交及び安全保障責任移譲と、新独立国法的承認要請といえるであろうしかしながら独立承認以後でも、旧宗主国旧植民地二国間条約により一定の植民地関係が継続することがあり、そのことは特に軍事訓練相互保障条約駐屯部隊軍事基地設置などの面で継続することが多い。

※この「方法と段階」の解説は、「脱植民地化」の解説の一部です。
「方法と段階」を含む「脱植民地化」の記事については、「脱植民地化」の概要を参照ください。

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