方法と概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 17:42 UTC 版)
基本的には音韻体系、言語形態、統語論、語彙など、さまざまな要素を複数の言語間で比較分析する。言語はつねに変化していくもので、とりわけ語彙は各時代の造語や流行の変化によって大きく変わることがある。しかし、音韻体系や統語論など、言語の構造に関する次元は変化しにくく、変化がある場合も法則を見出すことが可能である。そのため、方法論的には、音声学に基づいた音韻対応分析が有意な手続きとして用いられる。 比較方法とは、同系関係にある言語の間で維持された「同源語(cognate word)」を引き合わせそこになんらかの対応関係の規則を見出し、それに基づいて「祖語形(proto-form)」を再構する手続きのことである。 比較言語学の手法は、同系性が前提とされる限り、どのような言語にも適応できる。たとえば、文献資料のないオーストロネシア語族にも使われ、数多くの成果をあげている。 印欧比較言語学の伝統に依拠するあまり、音韻対応が見出せない言語間の研究は認められない傾向がある。だが、音韻対応以外にも、言語比較が可能な方法論の構築は必須である。 一般に普及している言語の分類一覧も、比較言語学の成果をまとめたものである。 なお、語族と人種は必ずしも一致しないが、Y染色体ハプログループ遺伝子との間にはある程度相関が認められる。
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