新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 08:40 UTC 版)
「菅義偉内閣」の記事における「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策」の解説
2021年1月7日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大をうけて、東京都知事の小池百合子、埼玉県知事の大野元裕、千葉県知事の森田健作、神奈川県知事の黒岩祐治の要請に応じ、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県を対象に翌1月8日から2月7日までの期間で、(安倍前政権以来)緊急事態宣言を再発令することを発表した。 2021年1月18日、菅は規制改革担当大臣の河野太郎にワクチン接種推進担当大臣を兼務するよう指示した。ワクチンの承認審査や交渉を担当する田村厚労相、感染状況や特措法改正の対応などコロナ対策を担当する西村経済再生相、接種の実施主体となる地方自治体を所管する武田総務相、保管用冷凍庫の確保は梶山経産相、輸送は赤羽国交相、医療廃棄物の処理は小泉環境相といったように、総務省や厚労省のほかにも複数の省庁にまたがるため、縦割り行政の弊害を取り払うことで、全体を統括して調整し動かす大臣が必要であるとの理由から、菅は規制改革・行政改革担当である河野を起用した。以後、規制改革・行政改革担当である河野が、ワクチンの運搬や廃棄物の処理なども含め、ワクチン接種全般に関する総合調整を担当する。河野は、任命の翌日に行った記者会見で、自らを補佐する副大臣として厚生労働副大臣山本博司と内閣府副大臣藤井比早之を充てる方針を発表した。 2021年1月19日、2月中旬にワクチンを承認した後に、2月下旬より医療従事者から接種を始め、以降65歳以上の高齢者、高齢者施設などで働く人、持病のある人を優先的に接種した後、5月より一般への接種を始め、7月までに16歳以上の全国民を対象に接種を進めるスケジュールが発表された。 2021年1月23日、モデルナ、アストラゼネカ、ファイザーの3社と供給を受ける契約を結び、4月23日に菅は記者会見で、「7月末を念頭に各自治体が(高齢者への)2回の接種を終えることができるよう、政府を挙げて取り組む」と述べた。 2021年4月27日、菅は東京都と大阪府に自衛隊が運営する1日1万人規模の接種が可能な大規模会場を設置するよう指示した。期間は5月24日から3カ月の方針。場所は東京都は大手町合同庁舎、大阪府は大阪府立国際会議場(大阪市中之島)に決まり、東京・大阪とも5月24日から開設された。 2021年6月1日、政府は接種の加速化を図る目的で、企業や大学などでの職域接種を6月21日から始めると発表し、東京・大阪の自衛隊による大規模会場と同じモデルナ製ワクチンを使用していたが、職域接種の申請が想定を上回るペースで行われたことで、使用されるモデルナ製ワクチンの供給が不足するに至った。職域接種に用いられるモデルナ製ワクチンの1日の配送可能量が上限に達しており、ワクチンが不足する可能性が出てきたため、6月30日に菅はワクチン接種などの進捗に関する関係閣僚会議で職域接種申請の新規申し込みを事実上中止することを表明した。 6月9日に行われた党首討論で、菅はワクチン接種について「10月から11月にかけて必要な国民には全て打ち終えることを実現したい」と表明した。また当初は1日100万回接種を行う体制を目標としていたが、実際は目標を大きく上回り、6月には1日110万回、7月には1日最大150万回の接種を行った。 8月2日、菅はこれまで原則入院としてきた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の療養方針について中等症患者を自宅療養とすることを決めたが、政府の療養方針転換に際し、専門家や世論のほか、与野党からの反発が相次いだことを受けて、8月4日に「(対象は)首都圏などの爆発的感染拡大が生じている地域で、全国一律ではない。中等症でも重症化リスクのある方は入院していただく。自宅患者もこまめに連絡を取れる態勢を作り、悪化したらすぐに入院ができる」と理解を求めたうえで、「今回の措置は必要な医療を受けられるようにするためで、理解してもらいたい」と撤回しない方針を表明した。9月15日に、菅は入院患者などに使用が限定されている抗体カクテル療法について、自宅療養患者にも使用可能とするよう厚生労働大臣田村憲久に指示した。 9月3日、新型コロナウイルス感染症対策分科会は、11月ごろにワクチンが希望者に行き渡った段階で、接種証明書などの活用を条件とした上で、県境を越える出張や旅行、全国から人が集まる大規模イベント、冠婚葬祭や入学式・卒業式後の宴会などを可能とする「ワクチン・検査パッケージ」を提言した。社会経済活動の再開を目指す首相官邸の強い意向を踏まえて、提言案が取りまとめられた。 9月9日、政府は3日に行われた分科会による「ワクチン・検査パッケージ」の提言を受けて、ワクチン接種が進展する11月ごろをめどに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として現在実施している個人の行動や社会経済活動の制限を段階的に緩和する基本方針を決定した。これにより、ワクチン接種などを条件に飲食店での酒類提供や都道府県境を越える移動、大規模イベントの開催などが可能となる。 9月13日には、2回目接種を終えた人が全人口の50%を超えた。
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