接尾詞型かつ代名詞型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 17:05 UTC 版)
各位(かくい) 複数の人の各々に対する敬称。相手が複数である場合に、相手の後ろに付けて用いる(例:道府県警察本部長各位(この場合は警視総監だけが別扱いで「殿」がつく)、広報担当者各位、報道関係者各位)。文脈によっては対象者を省略し単に「各位」のみで使う場合も多い。 あくまでも複数の人の各々に対する敬称なので、使用には注意が必要である。個人を特定可能な場合には列記したり、各々ではなく団体宛ての場合には「御中」を利用するなどの考慮も必要である。 「各位殿」「各位様」という表現は、二重敬称にあたるため用いない。 主上(しゅじょう)・聖上(せいじょう) 皇帝・天子に対して呼びかける語。またはそれ自体が独立した呼称として用いられる。 主上(おかみ)・聖上(おかみ) 天皇に対して呼びかける語。またはそれ自体が独立した呼称として用いられる。使われていたのは昭和天皇在位中まで。21世紀初頭の現在では宮内庁、それも内廷関係者以外ではあまり用いられない。一般人が天皇のことを「主上」「聖上」といった場合は「みかど」や「お内裏様」等と同じで、格別失礼にあたるわけではない。 令息(れいそく)・令嬢(れいじょう) 貴人の息子・娘。他人の子を敬っていう語。 同志(どうし) 思想を同じくする人に対し使う。英語ではComrade。 主に共産党などの左翼の政党や政治団体の活動家、またソ連のコムソモール団員の間で(ロシア語ではタヴァーリッシ(товарищ))。 ドイツ語の表現としては、一般的にはカメラート(Kamerad。主にナチスで用いられた)、左翼系ではゲノッセ(Genosse)がある。前者は僚友や戦友、後者は利害を共にする仲間というニュアンスを持つ。 かつての社会主義国家、改革開放前の中国では「同志」は一般的な呼びかけとしても機能していた(現在でも、政府の公文書等において用いられることがある)。 北朝鮮では目上の人に対してのみこのように呼び(동지 トンジと発音)、同格または目下の人には同務(トンム 동무)と使い分ける。 会話では接尾辞として使われることが通例だが、特に文章上は「同志○○」などとする場合がある。 貴下(きか) 同輩以下の者(主に男性)に対する敬称。通常は書き言葉の書面上(手紙など)で用いる。 先生(せんせい) / 大先生(だいせんせい) 幼稚園や小・中・高等学校等の教諭、保育所の保育士、大学の教授などの教育者、医師、弁護士、公認会計士などの専門職、牧師などの宗教的教職者、その他、議員、作家、芸術家、漫画家、将棋棋士、囲碁棋士、キャリアの長い大物芸能人、講演会の講師に対しての呼びかけ語である一方、氏名の後ろにつける場合もある。これらの職業に該当する者は、年齢に関係なく先生と呼び合う。また、時代劇では用心棒に対しても使われる。なお、医師への手紙では「先生」の後に「侍史(じし)」や「机下(きか)」をつけ「○○先生侍史(机下)」とすることが多い。「侍史」「机下」に「御」を冠するのは誤り。 現代中国語では「先生」は日本語の「さん」に近く、かなりニュアンスが違うので注意が必要である。 先輩(せんぱい) 組織において主に先に入った人、又は何らかの活動において自分より経験の長い人を指す言葉だが、学生や若者は敬称として用いる場合もある。韓国では日本と同じく「先輩」、中国や台湾では「学長」或いは「前輩」、北朝鮮は「同志」を用いる。
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