探偵小説専門誌としてとは? わかりやすく解説

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探偵小説専門誌として

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 06:47 UTC 版)

新趣味」の記事における「探偵小説専門誌として」の解説

同年4月号では、編集後記で「全誌面徹頭徹尾外国探偵小説を主とし、奇想怪奇滑稽人情科学通俗映画小説等を以って独占せしむることに致しました」と述べ7月号からは表紙に「探偵小説」と記載し翻訳探偵小説専門誌として刊行された。当時同じ博文館の『新青年』誌も、専門誌ではないが多く翻訳探偵小説掲載していたが、ウィルキー・コリンズ月長石連載森下雨村ら『新青年』の訳者多く起用されていた。また8月号で紺谷青花愛の悪魔」、9月号で松川緑水男爵行方」と、日本人作家探偵小説掲載されるうになる主な翻訳作品では下記がある。 アレクサンドル・デュマ俠勇画家福永渙エドガー・アラン・ポー長方形の箱」小川水村訳、他 エドワード・オッペンハイムブラウン氏の秘密筑紫三郎オー・ヘンリー「ハアグレエヴスの二役」和気二郎アーサー・モリスンの家の惨劇坂井黒潮オースティン・フリーマン社会改造の敵」大島白濤訳、他 モーリス・ルブラン海岸小屋妹尾韶夫ジョンストン・マッカレーサム良心坂本義雄訳、他 L.J.ビーストン興奮の酒」妹尾韶夫ラファエル・サバチニ「恋か仇か」波野白跳訳、「西洋天一坊八木春泥訳、他 アルフレッド・ド・ヴィニー「セン・マール」八木春泥訳 ヘルマン・ランドン「呪の手錠」坂井黒潮訳、他 アルフレッド・マシャール「鎖の輪」阿部誠太郎バロネス・オルツィ市街鉄道怪事件牧夫訳、他 ジャック・ボイル「大盗賊電報山田枯柳訳 また日本作家小説としては、石川大策「ベル怪異」を始めとする黒田探偵シリーズ1922年10月から1年間連載された。1923年3月から連載され国枝史郎砂漠古都」は、連載時はイー・ドニ・ムニエ著、国枝史郎訳として掲載されたが、単行本化される時に国枝創作だったと判明した1922年8月号からは懸賞小説募集開始枚数原稿用紙1020賞金1等20円、2等10円10月号から1923年10月号まで13回、当選作として掲載された。 当選作: 第1回 1922年10月1等:松下正昌「第三者は?」、2等:藤田操十二時一分前」 第2回 1922年11月1等:呑海翁血染バット」、2等:角田喜久雄毛皮外套着た男」、選外佳作:本多緒生「呪はれた真珠第3回 1922年12月1等:山下利三郎誘拐者」、2等:あわぢ生本多緒生)「美の誘惑第4回 1923年1月1等:小倉真美田舎者財布」、2等:黙山人夜半銃声」、選外佳作:呑海翁トランク死体第5回 1923年2月1等:呑海翁返され宝石」、2等:山下利三郎詩人の愛」 第6回 1923年3月1等:岡村一雄「破獄囚の秘密」、2等:呑海翁見えざる魔の手第7回 1923年4月1等:沖田不二雄「国宝盗難事件」、2等:貞岡五郎「謎の化学方程式第8回 1923年5月1等:山下利三郎君子の眼」、2等:雨宮二郎の祟」 第9回 1923年6月1等:篠原幹太郎鼠小僧次郎吉」、2等:伊藤渓水少年行衛第10回 1923年7月1等:貞岡二郎伯爵苦悶」、2等:山下利三郎「夜の呪」 第11回 1923年8月1等:甲賀三郎真珠塔の秘密」、2等:呑海翁三つ足跡第12回 1923年9月1等:葛山二郎「噂と真相」、2等:小野霊月「重罪犯人第13回 1923年10月1等:蜘蛛手緑「国貞夫婦鷺娘」、2等:葛山二郎利己主義1923年9月関東大震災で、博文社小石川久堅町の印刷所焼けた機に採算取れない雑誌統廃合することになり、『新趣味』は11月号で終刊し、『新青年』に吸収されることになった編集主任鈴木徳太郎11月号の最終ページで「今後本誌代わりて『新青年』が探偵小説方面大飛躍をなすことになりました。」と記している。懸賞小説入選者の角田喜久雄本多緒生山下利三郎甲賀三郎らは、その後新青年』で活躍する。また入選時に16歳だった角田喜久雄その後キング』『サンデー毎日』の懸賞でも入選し伝奇小説などでも知られるうになる鈴木徳太郎は、博文社小型通俗娯楽雑誌ポケット』で1924年2月から編集長となり、『新趣味』で翻訳頼んでいた大佛次郎髷物書いてみないかと勧めたのが、『鞍馬天狗』をはじめとする時代小説家となるきっかけになった

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