妹尾韶夫とは? わかりやすく解説

妹尾韶夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/31 17:18 UTC 版)

1955年

(せのお あきお、1892年3月4日1962年4月19日)は、日本翻訳家探偵小説作家。創作では妹尾アキ夫名義での活動が多い[1]

略歴

岡山県津山市生まれ[1]早稲田大学英文科卒業後、1922年(大正11年)頃から雑誌新青年』等で英米中心の探偵小説の翻訳を手がける。ステイシー・オーモニア英語版L.J.ビーストンR.A.フリーマン、ハリス・バーランド、ブリットン・オースティン、アガサ・クリスティーの短編が特に多かった[2]。1925年(大正14年)以降はアキ夫名義で創作も手がけ、30作から40作ほどの短編を発表している。

また、『新青年』で月評を担当していた胡鉄梅、『宝石』で月評を担当していた小原俊一は、共に妹尾の変名だといわれている。

1962年(昭和37年)、脳溢血のため神奈川県川崎市で死去[1]。70歳。

代表作(創作)

  • 「人肉の腸詰」 (『新青年』1927年9月号)
  • 「凍るアラベスク」 (『新青年』1928年1月号)
  • 「恋人を食ふ 」(『新青年』1928年5月号)
  • 「本牧のヴィナス」 (『新青年』1929年2月号)
  • 「深夜の音楽葬」 (『新青年』1936年7月号)

翻訳

  • 『青色ダイア 怪奇探偵』(オースティン・フリーマン博文館、探偵傑作叢書) 1923年
  • 『暗い廊下』(ステエシ・オウモニヤ、聚英閣、探偵名作叢書) 1926年
  • 赤色館の秘密』(アラン・アレグザンダー・ミルン、柳香書院、世界探偵名作全集) 1935
  • 『世界の終り』(コーナン・ドイル、春秋社) 1937年
  • 『灰色の幻』(ハーマン・ランドン、博文館文庫) 1940年
  • 『青春の氷河』(ミュラー、訳編、朋文堂) 1942年
  • 『ちべつと紀行』(マクガヴァン、西東社) 1943年
  • 『アマゾンと古代インカ』(ウィリアム・マクガヴァン、博文館) 1943年
  • 『リュブルック東遊記』(リュブルック, カルピニ、文松堂書店) 1944年7月
  • 『第四の郵便屋』(クレーグ・ライス、新樹社、ぶらっく選書) 1950年
  • 災厄の町』(エラリー・クイーン、新樹社、ぶらっく選書) 1950年
  • 曲つた蝶番』(ジョン・ディクスン・カー雄鶏社、おんどり・みすてりい) 1951年
  • 『矢の家』(E・A・メースン、早川書房) 1953年
  • 『蝋人形館の殺人』(ディクスン・カー、早川書房、世界探偵小説全集) 1954年
  • 『ビッグ・ボウの殺人』(イスラエル・ザングイル、早川書房、世界探偵小説全集) 1954年
  • ホロー館の殺人』(アガサ・クリスティー、早川書房、世界探偵小説全集) 1954年
  • ヘルクレスの冒険』(アガサ・クリスティー、早川書房、世界探偵小説全集) 1955年
  • 『死への旅』(アガサ・クリスティー、早川書房、、世界探偵小説全集) 1955年
  • 『睡眠口座』(コーネル・ウールリッチ、早川書房、世界探偵小説全集) 1956年
  • 『レスター・リースの冒険』(E・S・ガードナー、早川書房、世界探偵小説全集) 1956年
  • 『なげやりな人魚』(E・S・ガードナー、早川書房、世界探偵小説全集) 1956年
  • Yの悲劇』(バーナビー・ロス東京創元社、世界推理小説全集) 1956年
  • フォックス家の殺人』(エラリイ・クイーン、早川書房、世界探偵小説全集) 1957年
  • 『用心ぶかい浮気女』(E・S・ガードナー、早川書房、世界探偵小説全集) 1957年
  • 『製材所の秘密』(フリーマン・W・クロフツ、六興・出版部、名作推理小説選) 1957年
  • 『運のいい敗北者』(E・S・ガードナー、早川書房、世界探偵小説全集) 1957年
  • ソーンダイク博士』(オースチン・フリーマン、東京創元社、世界推理小説全集) 1957年
  • 『暗い階段』(M・G・エバハート、六興出版部、六興推理小説選書) 1958年
  • 剣の八』(ジョン・ディクスン・カー、早川書房、世界探偵小説全集) 1958年
  • 『ザイルの三人 海外山岳小説短篇集』(朋文堂) 1959年
  • 「撓ゆまぬ母」(ステーシー・オーモニア、立風書房、『新青年傑作選 4 - 翻訳編』) 1970年

参考文献

脚注

  1. ^ a b c 鮎川哲也『怪奇探偵小説集』1(双葉ポケット文庫、1983年)p.54、「恋人を食う」著者紹介。
  2. ^ 中島河太郎『探偵小説辞典』講談社文庫、1998年、234p頁。 

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