山階宮測候所から気象庁の測候所へとは? わかりやすく解説

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山階宮測候所から気象庁の測候所へ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 03:14 UTC 版)

筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所」の記事における「山階宮測候所から気象庁の測候所へ」の解説

幕末から明治初期にかけて、日本では近代的な気象観測設備整えられたが、当時欧米ではさらに進んで高層山岳)や海洋での気象観測行っており、欧米諸国追い付くためにも早期高層における気象観測開始求められていた。筑波山では気象庁前身中央気象台により、1893年明治26年)冬に気象観測初め実施された。その後ドイツ気象学学んだ旧皇族山階宮菊麿王は、帰国後も中央気象台訪れるなど熱心に気象研究続け日本山岳気象研究遅れていることを憂い1901年明治34年4月より自己資金測候所庁舎建設着手同年12月完成、翌1902年明治35年1月1日から「山階宮筑波山測候所」として通年観測始めた。これは日本初山岳測候所となった雲量気圧気温降水量地震湿度蒸発量地下温度日照時間風向・風速などを計測できる機器保有し午前1回午後3回2・610時)の測定行ったこの年気象観測結果は"Ergebnisse der Meteorologischen Beobachtungen auf dem Tsukubasan im Jahre 1902"(ドイツ語筑波山上氣観測明治三十五年成蹟報告)にまとめられた。同書観測所概要記した叙説」、観測結果綴った氣象表」、「附錄からなり附錄には東京筑波重力加速度測定結果記載されていた。なお、この年9月28日には足尾台風襲来し設置時には杞憂思われ風速100m上の風力台が威力発揮し正確なデータ測定することができた。長塚節は、知人宛てた書簡に「此山頂在りては百米以上の風速力に遭遇せるなり、其観測苦辛思ふべし」と記し測候所職員苦労推し量っている。 1908年明治41年)に山階宮逝去し、翌1909年明治42年)に山階宮家が国に寄贈したことで「中央気象台附属筑波山測候所となった1928年昭和3年12月山頂観測所改築し鉄筋コンクリートの現建物完成、翌1929年昭和4年1月当時中央気象台長・岡武松視察訪れたこの頃測候所業務気象観測のほか、地震観測地域気象地質動植物の関係を探る博物調査であった測候所一角には、調査による採集品や気象関係の資料集めた陳列室」が設けられ戦前一般公開されていた。観測1日6回に増やされた。第二次世界大戦中も休むことなく、およそ30人職員常駐して大日本帝国陸軍のために気象情報収集行った戦後中継局設置が相次ぎ1957年昭和32年)に水利水害対策用の無線1967年昭和42年)に東京国際空港羽田)との気象レーダーマイクロ回線1974年昭和49年)に東京都清瀬市気象衛星センターとの間に気象衛星資料中継局置かれた。1966年昭和41年)に鉄塔2基が完成する1969年昭和44年)になると広域自動観測ができるようになったことから、夜間無人化され、1976年昭和51年4月アメダス切り替えられ完全無人化された。さらにリモートセンシング用いた観測技術向上により、2001年平成13年12月気象庁は「筑波山地域気象観測所」を閉鎖した2002年平成14年)から筑波大学引き継ぐまでの4年間は観測が行われず、建物だけが現地残されるとなっていた。

※この「山階宮測候所から気象庁の測候所へ」の解説は、「筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所」の解説の一部です。
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