居るとは?

お・る〔をる〕【居る】

[動ラ五][文]を・りラ変

㋐人が存在する。そこにいる。「海外何年—・られましたか」

㋑「いる」の古風な、または尊大言い方また、「いる」に比べ方言的な響き帯びる。「君はそこに—・ったのか」「都会にはセミも—・らんようになった」

(「おります」の形で、自分自分の側の者についていう)「いる」の丁寧な言い方。「五時までは会社に—・ります」

動詞連用形に付いて用いる。

㋐(相手軽蔑する気持ち込めて)…やがる。「あんなやつに負け—・って」

自分卑下する気持ちを表す。

「私も隣の京屋にゐ—・ります」〈伎・夕霧七年忌

(「立つ」に対して)すわっている

しきたへの床の辺(へ)去らず立てれども—・れどもともに戯(たはぶ)れ」〈・九〇四〉

補助動詞動詞連用形接続助詞「て」を添えた形に付いて用いる。

㋐「…ている」の古風な、または尊大言い方。「そこに控えて—・れ」

㋑(「…ております」の形で)「…ている」の丁寧な言い方。「ただ今外出して—・ります」

[補説] (1)助動詞「れる」の付いた「おられる」「…ておられる」の形で尊敬表現用いられる。(2)もとはラ変活用室町時代以後四段活用変化

[可能] おれる


いる〔ゐる〕【居る】

[動ア上一][文][ワ上一]《じっと動かないでいる、低い姿勢静かにしているのをいうのが原義で、「立つ」に対する語》

人や動物が、ある場所に存在する。「ペンギン北極にはない」「そこにいるのは誰ですか」

住む。滞在する。「ロンドンいる兄からの便り

移動するのをやめて、そこにとどまる。

静止している。「動かないで、そこにいるんですよ」

㋑すわる。しゃがむ。

「立ちてて見れどもあやし」〈・四〇〇三〉

鳥が、とまる。

「後徳大寺大臣(おとど)の寝殿に、させじとて」〈徒然・一〇〉

などがかかり、じっととどまる。

筑波嶺(つくばね)の嶺ろ過ぎかてに息づく君を率(ゐ)寝て遣らさね」〈三三八八

㋔船が浅瀬につかえて動かないでいる。

「みさごゐる渚(す)にゐる舟の漕ぎ出なばうら恋しけむ後(のち)は相寝(あひぬ)とも」〈・三二〇三〉

や氷などが生じる。できる。

「池などある所も水草(みくさ)」〈・一七八

「つららて守る岩間の関なればよをへてかたくなりまさるかな」〈堀河百首

ある地位につく。

春宮(とうぐう)には若宮給ひにけり」〈宇津保・国譲下〉

(「腹ゐる」の形で)怒り治まる。「腹立つ」に対する語。

「妻(め)の腹にければ、重方がいはく」〈今昔二八・一〉

補助動詞動詞連用形接続助詞「て」が付いた形に付く。

動作・状態が続いて、現在に至ることを表す。「が鳴いている」「花が咲いている

動作作用結果が、続いて現在もあることを表す。「枯れいる」「窓があいている

現在の状態を表す。「彼の気持ちはもう変わっている


いる ゐる 【居】

〔自ア上一(ワ上一)〕 動く物がある所にとどまって存在する。また、低い状態になる。

[一] 人や動物場合

① ある場所に存在する。

書紀720武烈即位前・歌謡「琴がみに 来(き)謂屡(ヰル)影媛(かげひめ) 玉ならば 吾(あ)が欲(ほ)る玉の 白珠(あはびしらたま)」

天草本平家(1592)二「ミヤコ ニ y(イ) マラスル ナラバマタ ウキメ ヲモ ミョウズレバ」

② 低い姿勢をとる。腰をおろす。すわる。⇔立つ。

万葉(8C後)一七・四〇〇三「立ちて為(ヰ)て 見れどもあやし」

*竹取(9C末‐10C初)「立つもはしたゐるもはしたにてゐ給へり」

③ (など飛ぶものが)ある物にじっとつかまる。とまる。

古事記(712)中・歌謡「かぐはし 花橘上枝(ほつえ)は 韋(ヰ)枯らし 下枝(しづえ)は 人取り枯らし

徒然草1331頃)一〇「(とび)ゐさせじとて縄をはられたりけるを」

④ ある地位につく。

落窪(10C後)四「御女(むすめ)の女御、后にゐ給ひぬ」

(5) ある場所に居を定める。住む。また、外出しないで家にとどまる。在宅する。

源氏100114頃)蜻蛉「京になんあやしき所にこのころ来てゐたりける」

(6) ある種類の人間が、抽象的な意味で存在する。ある。

寒山拾得(1916)〈森鴎外〉「別に道に親密な人がゐるやうに思って、それを尊敬する人がある」

(7) ある人にとって、親族上司部下などの社会的関係のもとで、ある人が存在する。

茶話(1915‐30)〈薄田泣菫十三年目「自分に子供が居(ヰ)無いので」

[二] 植物無生物場合

① (かすみ、、ちりなど動くことのあるものが)動かないである。ある物の上にとまって存在する。⇔立つ。

万葉(8C後)一二・三一二六「纏向(まきむく)の病足(あなし)の山に雲居(ゐ)つつは降れどもぬれつつそ来し」

② (舟などが)砂について動かないである。停泊する。泊まる

万葉(8C後)一二・三二〇三「みさご居る渚(す)に居(ゐる)舟の漕ぎ出なばうら恋しけむ後は会ひぬとも」

③ (水草、氷などが)平らに生じる。

(10C終)一七八「池などある所も水草(みくさ)ゐ」

千載(1187)冬・四四二「つららゐてみがける影の見ゆる哉まことにいまや玉川崇徳院〉」

④ (ふくらみのあったものが)平らになる。

土左(935頃)承平五年一月五日たてばたつゐればまたゐる吹く風と波と思ふどちにやあるらん」

(5) (「腹が居る」の形で) 怒りがおさまる。しずまる。→癒(い)る。

平家13C前)九「梶原この詞に腹がゐて」

浄瑠璃菅原伝授手習鑑(1746)二「苦痛させねば腹がゐぬ」

(6) (「腹を居る」の形で他動詞のように用い怒りをしずめる。

咄本醒睡笑(1628)一「兵庫で足を黒犬にくらはれたる、無念の腹を居んとて蹴た」

[三] 補助動詞として用いられる。

(イ) (動詞連用形、または、それに助詞「て」を添えた形に付いて) 動作作用、状態の継続進行表わす

平家13C前)一二和泉国八木郷といふ所に逗留してこそゐたりけれ」

徒然草1331頃)三二「物のかくれよりしばし見ゐたるに」

(ロ) (「…ずにいる」「…んでいる」「…ないでいる」の形で) ある動作作用が行なわれない状態の継続表わす

洒落本中洲の花美1789小通登楼「丹次ばかり馬道に残って何ンにもせずにいるのさ」

[語誌](1)上代には、「ゐる」に当たる終止形に「う」があったと考えられる。→「う(坐)」の語誌。
(2)近世には、次のように「をり(をる)」と同じような活用をさせた例がある。「もししったきゃくがゐらば、をしうりせんと」〔洒落本傾城買四十八手見ぬかれた手〕
(3)補助動詞場合近世上方語では主語有情物の場合は「ている」、非情物の場合は「てある」が付く傾向が強い。一方近世後期以降江戸語では主語有情・非情かかわらず「ている」が付き、「てある」はもっぱら他動詞に付けられるようになり、現在に至っている。


お・る をる 【居】

〔自ラ五(四)〕 [文]を・り 〔自ラ変

[一] ある場所を占めている状態をいう。

① そこにある。場所を占め存在する。

(イ) 人の場合自己卑下したり、他人をさげすんだりする気持含まれることが多い。

古事記(712)中・歌謡「忍坂(おさか)の 大室屋に 人さはに 来入り袁理(ヲリ) 人さはに 入り袁理(ヲリ)とも」

(10C終)二五「つとめてになりて、ひまなくをりつる者ども、ひとりふたりすべりいでて往(い)ぬ」

(ロ) 動物場合

万葉(8C後)八・一四三一「百済野(くだらの)の古枝春待つと居(をり)しうぐひす鳴きにけむかも」

(ハ) 無生物場合

万葉(8C後)一九・四二〇九「谷近く 家は乎礼(ヲレ)ども 木高くて 里はあれども ほととぎす 未だ来鳴かず」

腰をおろす。すわる。

万葉(8C後)五・九〇四「白玉の 吾が子古日は 明星(あかぼし)の あくる朝(あした)は しきたへの 床の辺去らず 立てれども 居礼(をレ)ども 共に戯れ

そのままの状態でいる。そこにとどまっている。居を定める。

万葉(8C後)一一・二六六七「真袖もち床打ち払ひ君待つと居(をり)し間に月傾きぬ

[二] 補助動詞として用いられる。動作作用、状態の継続進行表わす

(イ) 動詞連用形に付く。多く自分言動卑下したり、他人言動をさげすんだり、または、軽視きるもの作用、状態について表現したりするときに用いられる。

万葉(8C後)一五・三七四二「会はむ日をその日知らず常闇(とこやみ)にいづれの日まで吾(あれ)恋ひ乎良(ヲラ)む」

歌舞伎夕霧七年忌(1684)「私も隣の京屋に居(ゐ)をります」

(ロ) 動詞連用形に付く。

(イ) より進んで動作主いやしめののしる気持強く含めて用いられる。…やがる。

*虎清本狂言鏡男室町末‐近世初)「はらをたておって、わらはにかぶりつくやうにしおるはなふ」

(ハ) 動詞連用形に、助詞「て(で)」を添えた形に付く。

*成簣堂本論語抄(1475頃)信「二人たがやしてをるところをとをる」

(ニ) ((二)(ハ)の形の下にさらに「ます」「まする」「まらする」を付けて) 相手あらたまって言う場合用いる。

*虎明本狂言花子室町末‐近世初)「命にはかへられずかやうに致ておりまらする

[語誌](1)「ゐる」と「あり」との結合したもの。本来、「ゐる」はある場所にすわること、「あり」は継続存在することを意味する。平安時代に入ると、「ゐたり」「ゐたまへり」等の形式現われ九五年頃から後の和文資料では「をり」の、特に終止法の例が見られなくなる。
(2)自己については卑下他人については軽視気分含み(二)(ロ)の用法はそれが文法的形式化したものと見られる
(3)近代では、「をる」は「ゐる」に代わって、オラン、オッタカ、知ッテオル、ソコニオレなどのように話者尊大気分を示すようになり、同時に「をります」が「ゐます」をいっそう丁寧にしたものとして用いられる。
(4)(二)(ハ)と形式的には同じ用法が既に中古見られるが、まだはっきりとは補助動詞化していない考えられる


おる

・る【居る】[動ラ五] (人が)いる。〈高〉

おる【居る】

品詞動詞
標準語》いる、存在する、場を占め
用例》「橋の上に、がおる」(橋の上に、がいる)。
参照動詞活用表(おる)

お・る【居る】

方言味・解
お・る【居る】自動五)いる。

存在動詞

(居る から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 04:19 UTC 版)

存在動詞(そんざいどうし)とは、基本的には存在表現する動詞のことをいう。 また言語によって異なるものの、名詞形容詞などの補語を伴って主語の状態を表現したり(これを繋辞またはコピュラという)、助動詞として進行形受動態を表したりすることもある。英語に代表させて他の印欧語族の語の同じ性格の動詞を包括的に be 動詞と呼ぶこともある[1]


  1. ^ 例えばドイツ語においては,seinの活用形の総称を,その原形を用いて「sein動詞」と呼ぶことがある。これと同様に,一般に「be動詞」といった場合,英語のbeの活用形の総称を指すことが多い点に注意されたい。


「存在動詞」の続きの解説一覧

居る

出典:『Wiktionary』 (2018/07/05 16:17 UTC 版)

動詞

  1. いる
  2. おる



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