お・る〔をる〕【▽居る】
[動ラ五][文]を・り[ラ変]
1
㋑「いる」の古風な、または尊大な言い方。また、「いる」に比べて方言的な響きを帯びる。「君はそこに―・ったのか」「都会にはセミも―・らんようになった」
2 (「おります」の形で、自分や自分の側の者についていう)「いる」の丁寧な言い方。「五時までは会社に―・ります」
㋐(相手を軽蔑する気持ちを込めて)…やがる。「あんなやつに負け―・って」
4 (「立つ」に対して)すわっている。
「しきたへの床の辺(へ)去らず立てれども―・れどもともに戯(たはぶ)れ」〈万・九〇四〉
5 (補助動詞)動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて用いる。
㋐「…ている」の古風な、または尊大な言い方。「そこに控えて―・れ」
㋑(「…ております」の形で)「…ている」の丁寧な言い方。「ただ今、外出して―・ります」
[補説] (1)助動詞「れる」の付いた「おられる」「…ておられる」の形で尊敬表現に用いられる。(2)もとはラ変活用。室町時代以後、四段活用に変化。
[可能] おれる
いる〔ゐる〕【居る】
[動ア上一][文][ワ上一]《じっと動かないでいる、低い姿勢で静かにしているのをいうのが原義で、「立つ」に対する語》
1 人や動物が、ある場所に存在する。「ペンギンは北極にはいない」「そこにいるのは誰ですか」
3 移動するのをやめて、そこにとどまる。
㋑すわる。しゃがむ。
「立ちてゐて見れどもあやし」〈万・四〇〇三〉
㋒鳥が、とまる。
「後徳大寺の大臣(おとど)の寝殿に、鳶ゐさせじとて」〈徒然・一〇〉
「筑波嶺(つくばね)の嶺ろに霞ゐ過ぎかてに息づく君を率(ゐ)寝て遣らさね」〈万・三三八八〉
「みさごゐる渚(す)にゐる舟の漕ぎ出なばうら恋しけむ後(のち)は相寝(あひぬ)とも」〈万・三二〇三〉
4 草や氷などが生じる。できる。
「つららゐて守る岩間の関なればよをへてかたくなりまさるかな」〈堀河百首〉
5 ある地位につく。
6 (「腹ゐる」の形で)怒りが治まる。「腹立つ」に対する語。
7 (補助動詞)動詞連用形に接続助詞「て」が付いた形に付く。
㋐動作・状態が続いて、現在に至ることを表す。「猫が鳴いている」「花が咲いている」
おる
存在動詞
居る
品詞の分類
- >> 「居る」を含む用語の索引
- 居るのページへのリンク