孤発性とは? わかりやすく解説

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こはつ‐せい【孤発性】

読み方:こはつせい

ある病気発症する人が、散発的に現れること。環境など遺伝以外の要因があると考えられる散発性。突発性。「—神経疾患」→家族性


孤発性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 16:45 UTC 版)

脊髄小脳変性症」の記事における「孤発性」の解説

遺伝性(孤発性)脊髄小脳変性症大きく多系統萎縮症MSA)と孤発皮質小脳変性症CCA)およびその他の症候性小脳変性症分類される多系統萎縮症かつてはオリーブ橋小脳萎縮症OPCA)、線条体黒質変性症SND)、シャイ・ドレーガー症候群SDS)と呼ばれていたものであるが、患者グリア細胞内にGCIという嗜銀性封入体共通して認められたため疾患概念統一された。 孤発性皮質小脳変性症皮質小脳萎縮CCA皮質小脳萎縮症(cortical cerebellar atrophyCCA)は成人発症、孤発性脊髄小脳変性症の一病型であり純粋小脳失調症をしめす。単一疾患としては未確立であり病因的にはheterogeneous症候群である。1922年にMarrieらの報告CCAはじまりである。病理像はほぼ小脳皮質限局する萎縮全般性のプルキンエ細胞変性脱落グリオーシス主徴とする。これに下オリーブ核変性分子層顆粒層変性が加わることもある。当初病理学的確立し対極位置したのがオリーブ小脳変性症であり多系統萎縮症であった。特にMSA-C初期CCA鑑別困難な場合もある。CCAは孤発性であるが非遺伝性とは限らずCCA症例SCA6SCA31といった遺伝性脊髄小脳変性症遺伝子変異見出されることがある今後CCAから新たな遺伝子変異見出される可能性がある。CCA除外診断で行うのが原則である。まずは詳細な病歴生活歴家族歴聴取を行う。画像診断では腫瘍性疾患加え先天性奇形などの構造的疾患除外する中毒性代謝性疾患傍腫瘍性神経症候群や抗GAD抗体による免疫介在性小脳症候群を除外する、そしてMSA除外するとい流れになる。発症から4年以内小脳症状示さない場合MSA可能性は低いと考えられる症候性皮質小脳変性症 症候性の小脳変性症原因としては、アルコール性、薬剤性(フェニトインなど抗てんかん薬リチウム抗うつ薬、5-FUなど)、中毒性有機水銀、鉛、農薬溶剤など)、内分泌性(甲状腺機能低下症)、傍腫瘍性小脳変性症感染症後遺症急性小脳炎)、ビタミン欠乏症ビタミンEB12)、免疫介在性(抗GAD抗体セリアック病)などが知られている。 多系統萎縮症MSA詳細は「多系統萎縮症」を参照 多系統萎縮症オリーブ橋小脳萎縮症線条体黒質変性症シャイ・ドレーガー症候群包括する概念として1969年GrahamOppenheimerらによって提唱された。1989年米国PappらがMSAでは臨床病型に関係なく100%の例でオリゴデンドログリアに嗜銀性封入体出現することを報告し疾患概念として確立した。この封入体グリア細胞質内封入体GCI)と呼ばれMSA特異的な封入体である。1998年にはGCIα-シヌクレイン陽性となることが報告されMSAパーキンソン病レビー小体病とともにαシヌクレノパチーという新たな疾患概念形成することになった2008年第二回コンセンサス会議が行われ診断基準改定された。Gilmanらによって提唱され診断基準では臨床病型小脳失調の強いMSA-Cパーキンソン症候群が強いMSA-P分かれるが、これは患者評価時点での主症状を示すだけある。また発症パーキンソン症状または小脳運動障害、あるいは疑い例の基準定義され自律神経症状自覚した時とされている。MSA-CMSA-P相対的頻度地域人種違いによって異な可能性がある。ヨーロッパでMSA-Pが多いが日本ではMSA-Cが多い。 神経病理学ではMSA-Cでは下オリーブ核小脳皮質プルキンエ細胞)にMSA-Pでは被殻の背外側部と黒質に高度の神経細胞脱落グリオーシス認められる。さらに自律神経系視床下部迷走神経背側脊髄中間外側脊髄オヌフ)にも神経脱落認められる突然死責任病巣としては延髄のセロトニンニューロンの脱落指摘されている。しかし、これらの系統単独障害される例が存在せず実際にオリーブ小脳系、線条体黒質系、自律神経系3系統様々な程度組み合わせ障害される。どの系統が最も早期から障害されるかによって臨床的病型決定される運動ニューロン系(大脳運動野錐体路脊髄前角)もMSA病変部位となる。また前頭葉側頭葉萎縮大脳白質広範変性などが認められる場合もある。グリア細胞封入体GCI)はオリゴデンドログリア認められMSA病理診断では必須である。GCIはHE染色では淡いピンク色であり見落としやすいがガリアス染色またはαシヌクレイン免疫染色用いると明瞭に検出できるGCIは異常フィラメント集簇した構造物である。GCI中枢神経系広範に分布し、特に神経細胞脱落呈する神経核ならびにその投射線維に多い。GCI多く認められる部位としては線条体とその周囲白質底部とそれに連続する白質大脳運動野とその皮質下白質などである。MSAではオリーブ小脳系でも線条体黒質でも線条体黒質系でもGCI出現数神経脱落程度相関している。MSAにおけるもっとも早期変化オリゴデンドログリアにおけるαシヌクレイン蓄積凝集でありその後ミエリン軸索変性経て神経細胞死と向かうと考えられている。GCIは脳広範に出現し広範にオリゴデンドログリア障害されることでMSA多系統障害説明されるGCIを含むオリゴデンドログリアでは内にも点状ないし線状封入体GNI認められることもある、また神経細胞質内封入体であるNCI神経細胞封入体NNI神経突起内にneuropil threadsなど知られている。GCIGNINCINNI、neuropil threadsという5種類構造物知られている。GCI増加広がりに伴いNCI増加しやがて神経細胞脱落認められるパーキンソン病MSAでは蓄積するαシヌクレイン化学的構造同一考えられている。パーキンソン病ではレビー小体形成過程観察されるMSAGCI形成過程観察されないパーキンソン病ではグリア蓄積はあるが蓄積認められないMSAではGNIなど蓄積がある。αシヌクレイン遺伝子の異常はパーキンソン病起こすMSA起こさないといった違い認められる日本から家族性の発症報告もある。

※この「孤発性」の解説は、「脊髄小脳変性症」の解説の一部です。
「孤発性」を含む「脊髄小脳変性症」の記事については、「脊髄小脳変性症」の概要を参照ください。

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