天照院奈落
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 03:29 UTC 版)
天導衆配下の暗殺組織で、全員が御徒衆の装束をしている。古くから時の権力者によって利用され、国の采配に関わってきた。徳川定々は天人襲来の折に御庭番衆を廃して彼らと繋がり、その謀略に利用していた。攘夷戦争にも幕府勢として参加し、銀時らとも一戦交えている。メンバーは体に八咫烏の入墨がある。 メンバーは幼少期より拾われて暗殺者としての教育を受ける。初登場時点の首領格である朧、今井信女こと骸、それに柩の3人は奈落の中でも屈指の実力者に数え上げられ「奈落三羽烏」の異名を持つ。 一国傾城篇では、定々の命を受けて江戸城に侵入した万事屋たちと交戦した。将軍暗殺篇では、将軍派と鬼兵隊・第七師団の激闘により両者疲弊し切ったところに現れ、両陣営をまとめて潰そうとした。さらば真撰組篇では、黒縄島にて見廻組とともに真撰組と桂一派の面々らの襲撃を待ち受け、さらに離反した見廻組をもまとめて始末しようと試み、佐々木異三郎を落命させるなど甚大な被害を与えた。また同篇における異三郎の回想より、真撰組創設のきっかけとなった天導衆に抗する一橋派の徳川斉々の暗殺計画、およびそれを阻害した異三郎への報復を目的とした彼の妻子の暗殺にも関わっていたことが明かされた。 烙陽決戦篇では、鬼兵隊らを葬ろうとするが、復活した高杉の参戦により劣勢に陥り、朧も高杉との互い信念を賭けた一騎討ちの末に死亡した。銀ノ魂篇では、朧に替わる新たな首領格の柩をはじめとするメンバーは、朧同様に虚の不死の血を少量ながら分け与えられた不完全な不死者と化しており、虚の命の下執拗に抵抗勢力を阻害する。 2年後では、星芒教の幹部となった天導衆の元で銀時が持つ虚の心臓を狙っており、ターミナルでの最終決戦にも参加した。その後、復活した虚が倒され消滅したことにより、虚の血を受けた彼らも死亡したと見られる。 朧(おぼろ) 声 - 井上和彦、悠木碧(幼少期) 天照院奈落の首領格の男。天導衆からは「八咫烏」と呼ばれている。人体の経絡を熟知した戦闘の達人で、経絡を的確に毒針ないし気功で突くことで相手に致命傷を与え、また自身の経絡を移動させることで致命傷を避けることもできる。 攘夷戦争では天導衆の命により定々の下で銀時ら攘夷志士と戦い、吉田松陽をはじめとした多数の志士を殺害・捕縛した。松陽の死の直後には、彼を殺した銀時に飛びかかった高杉の左目を潰している。 一国傾城編では、定々の護衛として銀時と再び対峙し一時は銀時を圧倒したが、最後は銀時の怒りと底力によって落下して突き立っていた木刀に体を貫かれて敗北。死亡したかと思われていたが経絡を歪めて致命傷を避けていた。定々が高杉に殺されたあとは警備の命を解かれ、天導衆の下に戻っている。 将軍暗殺篇では、終盤で喜々の将軍就任に伴い共通の敵となった高杉らを始末するために伊賀に現れ、満身創痍となっていた高杉に不意打ちを仕掛け重傷を負わせる。その場に居合わせた銀時もともに始末しようと目論むが、銀時と対峙したところを高杉に隙を突かれて左目を潰され、二人を取り逃した。 さらば真選組篇では、近藤と桂を救出しようとする万事屋や真選組らの前に立ち塞がり、真選組や裏切った見廻組の面々を次々と斬り捨てて一行を追い詰めるが、最後は仮死状態から復活した近藤と土方に前後から斬られて敗北した。 実は彼こそが吉田松陽の「一番弟子」として、松陽の過去に大きな影響を与えた人物である。幼少時に奉公先で虚率いる奈落の襲撃に巻き込まれ重傷を負っていたところを虚に彼自身の不死の血を分け与えられることで救われた恩義から奈落に入り、のちにともに奈落から脱走し松の木の下で二人の学び舎「松下村塾」を始め、彼は「吉田松陽」の一番弟子となる。だが奈落の追っ手から松陽を逃すために朧は松陽と別れ再び奈落に残り、その頭領として組織内で築いた自身の地位を用いて奈落の意識を松陽から逸らすことに尽力していた。しかし、のちにたまたま目にした松陽と銀時らその弟子たちの姿に耐えられなくなり、松下村塾を襲撃し松陽を捕らえ殺害する。結果的に蘇ったのは自身が知る彼とはまったく別の「虚」だったが、それでも二度と師を裏切るまいと、かつて与えられた不死の血を流し尽くすまで虚に仕えることを誓う。 烙陽決戦篇では、度重なる戦闘で幾度も致命傷を負ったことで虚から分け与えられた不死の血はその肉体を蝕んでいき、これまでの戦いで何度も致命傷を負ったことですでに限界を迎えていた。弟弟子の一人である高杉の前に立ちはだかる。そこで初めて自身も松陽の一番弟子であったことを明かし、お互い譲れない信念を賭けた戦いの末に高杉の一太刀に敗れ、師に与えられた不老不死の血は枯れ果てた。不死から解放されたあと、高杉に松陽の一番弟子として虚の正体とその目的を伝え、最期は在り所を見失い師のために戦えなかったことを自嘲し、「虚を倒せ」と遺言を残し、松陽と銀時ら弟弟子たちとの一時を夢見て、息を引き取る。その遺体は高杉に引き取られ、松下村塾跡地で墓を建てられた。 骸(むくろ) 元メンバーであり奈落三羽烏の一人。元見廻組局長および警察庁長官であった佐々木異三郎により拾われ、現在は今井信女と名を変えて見廻組が壊滅するまで異三郎の同士として所属していた。 虚(うつろ) 天照院奈落の先代首領にして、現天導衆の一員にまで上り詰めた男。天照院奈落の歴代首領は皆「虚」と名乗るのが通例だが、今井信女により歴代の頭領はすべて同一人物(アルタナによって永遠に死ぬことができない虚本人)であったこと、また銀時らの師である「吉田松陽」は「虚」の別人格であったことが判明する。 柩(ひつぎ) 声 - 菅原正志 奈落三羽烏の一人に数えられる大男。両手の甲に装着した一対の短刀を武器とする。銀ノ魂篇で初めて登場し、虚とともに地球に降り立つ。他の奈落の兵士と同様に虚の血で仮初の不老不死を得ており、その力によって虚を目指す銀時の行く手を阻む。 2年後では、奈落の残党を率いて天導衆の走狗として暗躍し、すでに不死の血は枯れ果て肉体も腐りかけているにもかかわらず、虚への忠誠を尽くす。 アニメ版の銀ノ魂篇では、原作における台詞がすべてカットされている。その後公開された『銀魂 THE FINAL』では、台詞が存在するため、担当声優が初めて設定された。
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