国家神道の形成と展開とは? わかりやすく解説

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国家神道の形成と展開

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 04:39 UTC 版)

神道の歴史」の記事における「国家神道の形成と展開」の解説

1871年明治4年)、太政官布告234号の通達で、神社が「国家宗祀」と定義された。これに基づいて近世以前神社神道あり方大幅に変革され、神社国家管理するいわゆる国家神道呼ばれる体制形成されていった明治維新当初は、平田派国学者政府中枢にあって祭政一致神道国教化図られたが、伊藤博文岩倉具視らの開明派の政府要人政教分離志向するようになり、1870年明治3年)に玉松操岩倉対立して政府を去ると、翌1871年明治4年)に矢野玄道権田直助角田忠行丸山作楽らの祭政一致派の神道家二卿事件連座する形で一斉に検挙され追放された。そして、1875年明治8年)には信教の自由保証され1882年明治15年)の内務省通達によって神社は非宗教との定義を受け、祭政一致神道に基づく政治目指し当初方針転換神道宗教埒外置いて公的な性格付与する神社非宗教論とられることとなった1890年明治23年制定大日本帝国憲法にも、神道に関する語は一切出されなかった。「国家宗祀」とされた神道は、「一家占有すべきではない」との理由から神職世襲制廃止され以後官吏公務員)に準じて国が神職養成して補任決定することとなった神社は非宗教とされたため、官国幣社神職宗教的な活動禁止され神葬祭への関与神道教義の布教といった活動も行うことができなくなったこのため吉田神道伊勢神道などの近世以前存在した社家神道も一勢力としては消滅することとなった1871年明治4年)には境内地を除く神社寺院土地全て収公する「社寺領上知令」も発布されている。 明治維新発足とともに復興した神祇官は、1871年明治4年)に太政官の一省である神祇省へと格下げされ1872年明治5年)には宗教行政一般管轄する教部省へと神社行政統合され1877年明治10年)には内務省一部に過ぎない神社局にまで格下げされ、さらに同年神社寺院統合して社寺局編成された。教部省では神職僧侶合同によって愛国精神尊皇精神国民教化する教導職という制度導入されたが、神道側と仏教側の双方反発により短期間瓦解している。なお、教導職では愛国心尊皇心などの教え示した三条教則」のみの布教許され神道仏教教え教義広げることは禁止された。教部省瓦解後、神職などは神道事務局設立して活動継続した神道事務局巡っては、その神殿大国主神加えるべきか否かで「祭神論争」という論争生じた。なお、この神道事務局生徒寮独立させる形で1882年明治15年)には皇典講究所設立されている。1890年明治23年)に皇典講究所設置され教育機関國學院は、のちに神道系大学國學院大學発展した一方神宮祭主の命で同じく1882年明治15年)に神宮林崎文庫内に設置され皇學館は、のちにもう一つ神道系大学である皇學館大学となった神社行政社寺局編成されると、府県社以下の神社はあくまで寺院と同じ一宗教であるとされ、1877年明治10年)に神職身分官吏ではないものとされ、1879年明治12年)に公的な支出打ち切られた(なお、神職への公費からの給与支払いは、すでに1873年明治6年)に打ち切られている)。さらに官国幣社に関しても、身分官吏のままとされたものの、1887年明治20年)に官国幣社保存制度導入され向こう10年間は公金支出するが、それ以降公費支出打ち切ることとされ、政教分離の原則従い行政神社切り離しが行われた。 先述通り1871年明治4年)には「社寺上知令」が出て神社寺院経済的なダメージ与えられることとなったが、殊に神社に関しては、神社非宗教論により神葬祭などの宗教的活動による収益禁じられさらには国家からの公費支出打ち切られたため、葬式宗教活動による収益見込め寺院以上に経済的なダメージを受けることとなり、神社明治時代通じて大変な経済的苦境地位置かれることとなった。 また明治時代に入ると、国事殉じた人々祀るための靖國神社や、南朝楠木正成祀る湊川神社護良親王祀る鎌倉宮菊池武時祀る菊池神社など、国家功績のあった人物を神として祀る神社創建多く行われている。 他方明治政府によって多数神社合祀行われた。これは、地方改良運動合わせて行われたもので、地域密着していた郷社無格社中心に整理進み神社の数は19社から13程度へと減少した。これに対して博物学者南方熊楠民俗学者柳田國男らによって反対論唱えられた。

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