台車・駆動装置
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台車はコスト低減のため、枕ばねにコイルばねが採用された。電動台車は主電動機のMT55形が大直径化したのに合わせ、車輪径は通常の860 mmより大きい910 mm、ホイールベースは通常の2100 mmより長い2300 mmとなった。 試作車では電動台車はDT26C形が、付随台車はTR62X形が搭載された。電動台車DT26C形はクモヤ791形用のDT26形の枕ばねをコイルばねに変更したもので、DT21形の派生形式である。付随台車のTR62X形は、クハ111形等で用いられるTR62形のブレーキシューを片押し式踏面ブレーキに変更したものである。 量産車では電動台車にDT33形が、付随台車にTR201形が搭載された。DT33形はDT26C形の、TR201形はTR62X形の量産化形式である。付随台車は量産の途中でTR201形のブレーキを再度ディスクブレーキ化したTR212形に変更された。 駆動方式は101系と同様の中空軸平行カルダン駆動方式である。歯車比は低速性能に重点を置くため、101系の15:84=5.60に対して103系では15:91=1:6.07とされた。860 mmの車輪径で換算すると、1:5.73に相当する。 DT33形台車(JR西日本車) TR212形台車(JR西日本車)
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台車・駆動装置
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「小田急電鉄の鉄道車両」の記事における「台車・駆動装置」の解説
車両技術面で、分離発足後の小田急が特に注力したのは、ばね下重量の軽減であった。 折りしも1950年代初頭には、鉄道車両の製造を行うメーカー側のみならず、運輸省、国鉄、日本鉄道技術協会などでは新しい台車や駆動装置の研究や開発を進めていた。小田急ではそうした新技術の試験には積極的に対応しており、「小田急に持っていけば何でも試験してくれる」とさえ評された。小田急線内で行われた主な試験の内容は以下のとおりである。 1951年2月、東芝所有の試験車1048号にTT-1形台車を装着し、直角カルダン駆動方式の試験が行われた。この試験は関係者には「相武台実験」として知られている。 1953年3月 - 4月、日本鉄道技術協会 (JREA) の高速運転に関する研究に協力、クイル駆動のKH-1、直角カルダン駆動のFS-201、KS-105、吊り掛け駆動ながら枕ばねにコイルばねとオイルダンパーを使用したDT-17台車を、国鉄モハ40030・モハ40044に装着し、また小田急の車輌(デハ1501)にもKH-1を装着して走行試験が行われた。国鉄からはモハ70043も入線したが、これはDT-17台車を一時的に供出するためであった。 1955年頃、デハ2207・デハ2211に新三菱重工業MD101形台車を装着し、平行カルダン方式の試験が行われた。 1956年、3000形SE車の設計資料として、クハ1551で弾性車輪の試験が行われた。 1959年、クハ1651に試作空気ばね台車のMD5Aを試用した。 意欲的な新技術の導入に熱心だったことは、小田急のスピードアップに対する意欲が強かったことが影響しており、メーカーが試験を依頼しやすかったといわれている。また、小田急の軌間は国鉄と同様の1,067mmであったことから、小田急での実績如何によっては国鉄への売り込みも容易であったためとも推測されている。 長期にわたって採用されたアルストムリンク式台車 (FS546) 2000形で採用されたモノリンク式ボルスタレス台車 (SS043) 一方で、1954年に2200形でアルストムリンク式軸箱支持装置を装備した台車を初採用して以来、通勤車両では長期にわたって住友金属工業製アルストムリンク式台車の採用が続いた。機器流用車両の4000形では東急車輛製造製のパイオニアIII形や単式支持ペデスタル式(軸ばね式)、特急車両であるSE車では近畿車輌製シュリーレン式、NSE車ではミンデンドイツ式が採用されているなど、アルストムリンク式以外の台車を完全に排除していたわけではないが、1988年に登場したVVVFインバータ制御の1000形、1991年に登場した御殿場線直通用のRSE車に至るまで採用が続き、1994年末に入線した2000形でモノリンク式のボルスタレス台車を採用したことでようやくアルストムリンク式から訣別することになった。「小田急といえばアルストム、アルストムといえば小田急」と言われるほどにアルストムリンク式に固執した理由として、小田急の軌道状態には適していたことや、保守側の評価が悪くなかった点などが指摘されている。ロマンスカーの50000形VSE以降は日本車輌製造製の積層ゴム軸箱片支持式ボルスタレス台車、通勤用の3000形以降は東急車輛製造製の軸梁式軸箱支持方式ボルスタレス台車に切り換えられている。 電動台車と付随台車の軸箱周りの比較。電動台車のFS375形(左)は車輪径910mm、付随台車のFS075形(右)は車輪径762mmで、台車枠・ブレーキ梃子・軸箱上のばねなどが大きく異なる また、2400形HE車・2600形NHE車・3100形NSE車・5000形においては、台車軽量化の一環として、台車枠・車輪・車軸・ブレーキ梃子などの主要部品を、電動台車と付随台車でほぼ別設計とした。5000形の台車を例にすると、電動台車のFS375形では車輪径910mm・軸間距離2,200mmであったのに対し、付随台車のFS075形では車輪径762mm・軸間距離2,100mmとなっていた。HE車の付随台車では車軸にも中空車軸を採用していたが、車軸検査に超音波探傷が採用されると探傷が困難となったため、通常の車軸(中実車軸)に交換されている。
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