台車軽量化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 02:23 UTC 版)
車体構体に次ぐ重量部品である台車についても、第二次世界大戦後盛んになった高速電車用台車の研究開発成果を受けて、重い形鋼や一体鋳鋼に代えて、プレスした鋼板部材を溶接して組み立てることで重量の大幅な軽減を実現した、軽量構造の軸ばね式台車(TR50形またはTR200形)が採用された。 だが当時は中長距離輸送の殆どを国鉄が担っていたため、乗客の激しい混雑が当たり前であったこともあり、三等座席車は乗車率200 %での使用も考慮され、枕ばねは軽い車重に不釣り合いな硬いものとされた。「すし詰め」の可能性がある以上、混雑度の低い欧州の鉄道車両のような柔らかいばねを採用することができなかったのである。逆にダンパーは歩留まりや耐久性ばかりが重視され、減衰力は完全に不足していた。これにより、従来形客車では見られない短周期の上下動が常時発生する結果となった。 高速走行性能については、120 km/hでの速度試験にも耐えたものの、量産時には高速性能よりも混雑時での使用(安全率)に主眼を置いたため、試作車よりもばね定数が上げられ、より硬いセッティングとされたことで、問題をさらに悪化させている。
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